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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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25話:お酒は飲んでも飲まれるなっていうけど飲んだ時点でお酒の術中だよね?

「頭痛いー。頭重いー。……うぷ、でりゅ」


 きらきらと、見てはいけない何かを公衆トイレでオロロロンとしているサラさんの背中をさすって介抱する。うん、どう考えても飲みすぎが原因だ!しかたないから二日酔いには濃ゆーいお茶が一番なんだよ

!はいどーぞ?


「んく、んく、あぁ、染み渡るぅ……」


 青い顔のままサラさんはお茶をすっている。


「確かにバカンスで来てるのは確かなんだけど、いくら何でも飲みすぎはダメだってミラさんも言ってたと思うんだけど?」

「だって仕方ないじゃない。こんなにゆーっくりできるの久しぶりなんだもん。向こうにいたらお休みの日でも手伝ってー!って言ってくる猫さんがいるし」


 ジト目でこっちを見てるけど俺じゃないよ?うん、猫ってつまりはクロエだよね?猫の手も借りたいって猫が借りに行ってどうするのかな!自分の仕事は自分でやろう!うん、向こうで目をそらされたんだよ?困るなぁ。


「ふふふ、向こうの領は賑やかですわね。なんだか楽しそう」

「アーリア、そっとしておきなさい。アレは疲れて疲れて疲れ果てて、無駄にハイテンションになってそのままお酒を入れてるだけだから」


 笑顔のアーリアちゃんをよそにベルはアフタヌーンティーを飲みながらのんびりと小説を読んでいる。うん、いつの間にやらベルもバカンスを満喫しているようだった!


 今日も今日とてビーチでのんびり。お仕事忘れてお休みタイム。見上げると豪華ホテルキング・ストーンの屋上庭園からベルのお母さんのアスタロトさんが優雅に手を振っていた。時間を取ってあってもらったけどベルの事を考えている優しい人だった。うん、保護してるジョーンズもアスタロトさんだけじゃなくてベルも保護しててくれれば俺ももっとのんびりできてたのにな、とアスタロトさんの隣の水将軍をジトるけどバツが悪そうに目をそらされた。そらされたよ!目がいいな?


「さて、うん。うーん?やっぱり探知は苦手で探査はダメダメなんだよなぁ。俺ってば探偵はやった事ないし?大体犯人で、まて怪盗!だなんていわれる方だったんだよ?ほら、俺って忍者だし?予告状は出したことないいけどね?コレクションは頂くぜ!って」

「ハイテンションに何を言ってるかさっぱりと分からないけど、何かあったの?」


 何かあったというか、今回の黒幕っぽい人を見つけたけど、見失ったんだよ?優雅にステンドグラスなんて眺めて集中して見たけど、どうにも転移魔法の追尾って難しくってねー。


「く、く、黒幕!?え、なんで?あなたはここにいるのに、何をどうやって!」

「ああ、分身!」


 ぽんと、アーリアちゃんが手槌を打つ。

 うんうん、察しがいいね。流石アーリアちゃん。頭なでなでしてあげるねー。うん、おつきのスキュラのお姉さんの目が怖いからやめとくねー。あれ、そういえば大魔王城にいるプニカさんもスキュラだったけどあっちは下半身が触手さんだった気がするんだけど。


「恐らく、その方は私の種族の上位種族なのでしょう。ハイスキュラか、エルスキュラか、恐らくはそのあたりかと。大魔王城に努められているとはさぞかしお強い方なのでしょうね」

「うん、なんというか、そ、そうだね?」


 言えない。のんびり屋さんのプニカさんは大魔王城のメイドさんでお洗濯を一挙に担っているだなんて。うん、強さ的には普通に強いと思うんだけど、メイドさんだからね!


「それで、黒幕とは誰だったんですの?」

「まさかとは思うけど、やっぱりお母様だったーなんて言わないでよ?」


 自慢の縦ロールをいじりながらベルがこっちをジトっている。ふふ、そんなにジトっても答えは変わらないんだよ?ふふ、ありがとうございます?


「はいはい、答えを早く、あいた、いたたた……」

「お茶、お変わり入りまーす!まぁ、あれだ。黒幕はユウシャで、さらに後ろには勇者教が潜んでそうだなって?うん、まだそのあたりは調査中?まぁ十中八九間違いないだろうけどね。でも、新たな魔王を生み出すーだなんて言ってたけど、魔王になるために魔石を集めても一山幾らかの魔石じゃとても足りないのにどうするつもりなのか摩訶不思議でチンプンカンプンなんだよ!魔王の魔石くらい純度と質の高いものじゃないと難しいのに……」

「それこそお父様の魔石を使われるのではなくて?」


 そう、普通ならそう考える。でも、もう無いものはどうあがいても使えないんだよ?


「やっぱり、あの戦いのときに……」

「砕けて消えた、と言うか蒸発しちゃったんだよねー。過剰威力な全力ぶっぱだったし仕方ないよね!うん、聖剣さんの力加減がなかなか難しいんだよ!」

<――喚んだか?>


 喚んでない!


<そうか……そうかぁ……>


 なんだかしょんぼりしてるけど、今来たらダメだからね?然るべきときに喚ぶからサクラちゃんのとこで待っててね?


「魔石、無いんですの?え、え?それじゃあ私、魔王になれないじゃありませんか!」

「アーリア、まだ諦めてなかったのね」

「えへ☆」


 テヘペロ、としてるアーリアちゃん。うん、ベル?ジトるのは分かるかえど落ち着いてね?悪い子じゃあないんだから。


「さてはて、どうしたものかな。どうやら向こうから仕掛けてきてくれたみたいだけど、そこのところどう思う、サラさん?」

「勘弁してほしいれす。うぷ、な、波が!」


 平和な砂浜、蜘蛛の子を散らすように人が散ってゆく。傍若無人に力をふるい、あたりかまわず吹っ飛ばしていく。ああ、あれは間違いない――ユウシャだ!


 サラさんは……あーうん。またキラキラしてるようだ。困ったな?

今日は早めにに

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