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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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20話:地下深くに眠っているものと聞くと古代なロマンを感じざるを得ないよね?

 暗い暗い地下深く。太陽の光が一筋すら差し込むことのないこの場所は、魔王バアルの作り出した地下迷宮。いずれ来る決戦に向けて作り出した最後の拠点。

 だからこそ、研究の全てが置いてあった。うん、城の動力炉と繋がってたけど、暗いから見つけるのに苦労したんだよ!


 それは、古代兵器。サテラさんが勇者として過ごしていた時代の遺物。そう、つまるところロボだった!地下深くに作られた基地、その最深部にはグルンガストが復活させたロボが眠っていた。残念ながら炉心に火はともることは無く、ホコリまみれで放置されていた。悲しいかな、折角復活させられた古代兵器は主を失ったことでまた無用の長物となってしまっていた。ううん、もったいない。どうにか再利用したいものだけど、持って帰ったら絶対ロベリアちゃんに怒られるんだよね。でも、きっと、サクラちゃんならわかってくれると思うんだ!だからどうにか動かせないか調べるだけ調べておくことにする。


「ちなみに君はこれの動かし方、知ってる?」

「知っていたとして教えると思う?」


 だよねーと、縄に縛られたままのくノ一っ娘を放置して、黒く美しいロボを触りまくる。うんうん、この

無骨な感じ、男の子だなって?


「はぁぁ、お父様もそうだったけどどうして男ってのはそう言うのが好きなのかしら」

「しかたないね。それが男の子なんだから」

「お父様もそう言っていたわ」


 だろうねと言って、ロボのハッチを開く。基本構造はどうやらサテラさんのブラスティアと同じものらしい。これはコアロボットになっていて、更にいろんな武装を合体できる仕組みになっているようだ。変形するかな?……しそうだ!


 けれども、何度も言うけれども炉心に火は灯らない。理由は単純ここに本来いるべき勇者がいないからだ。つまるところはサテラさんがいないから動かない。


「だけども俺が乗っても動かないんだよなぁ!うん、動かないんだよ!ぐぬぬ……」


 そう、ただの勇者ではこのロボを動かすことはできない。サテラさんと同じ()()()()()宿()()()()者が動かすことができるのだ。

 それはもはや勇者ではなく、魔王に近いナニカになり果てていなければならない。つまるところ、彼がサテラさんを求めた理由はこれを動かすためだったのだろう。彼の夢であった巨大ロボ。その最後の鍵として。


「けれどもそれがどうにも解せない。勇者はお城の動力にするくらいに有り余っていたのに、魔石もちの勇者が一人もいなかったってことになるんだよ。相性が悪いのか、それともまだそこまでの技術を持っていなかったのか……。そこのところどう思う?」


 聞いてみたけれどもくくノ一っ娘にはプイと顔を逸らされてしまった。さみしいな!

 さてはて、地下の探検は大体終わり、資料も大体読み終えた。暇だったからお掃除までしちゃったんだよ!整理整頓は大事!!


「それにしても魔王バアルの最後の拠点だっていうのに、部下が一人もいないのって本当に摩訶不思議なんだよ。掃除も全然されてないし?整備もまったくされてないし?どう考えても魔王が死んだあと、放置されて放棄されてるんだよ!というか、この上に住んでたのにベルがここの事何も知らないのって割と問題だよね!」


 ベル曰く、そんなものが逢ったことなんて聞いたことも無い!との事だった。次期魔王候補筆頭がそれじゃあダメなんじゃないかな!と言ったら落ち込んでいる。うん、なんだかごめん?


「ふん、それは自業自得だろう?この領のトップであるのに、自ら手腕を振るう事なくすべての仕事を他人に任せきりにしていたのだからな。それで他の者が付いてくると思うなど、民草を馬鹿にしているとしか思えん」


 そう、確かにその通りなのだ。未熟であれどうであれ、ベルが自ら先頭に立って、この困難に立ち向かうべきだった。そうであれば、今のようなこの領のグダグダっぷりも多少はましになっていただろう。うん、上の人に頼るのもいいけど、ベルの場合は頼り切ってしまっていたんだよ!だからこそ、彼女を護ろうとする兵士が誰もいない。メイドさんすらいなかったんだよ!


「それに加えて誰かがアンチ・ベルキャンペーンでもやったのかもしれないけどね!そうでもないとここまで求心力が無いのはおかしいし?うん、他の次代魔王候補がきっと暗躍してるんだよ!……暗躍してたよね?」


 ね?と言ったらまた顔を背けられた。うん、どうやら間違いないらしい。本当に素直だな!

 だからこそすでに彼女の正体がつかめた。俺の探している最後の魔石持ちの魔王バアルの子、そして勇者の血を引く少女それがこの子。


「――名前は、そう。あんずちゃんだったかな?うん、無言は肯定なんだよ?」

「……否定をしてもそう決めつけるのでしょう?」


 ギロリとくノ一っ娘――あんずちゃんがこちらを睨みつけてくる。切れ長で美人系の彼女が睨むと背筋が凍る程の迫力だ。でも、うん。彼女は眺めてて飽きないくらいのかわいい美人さんだ。そんな彼女が縛られたまま強気な表情で睨みつけてくるのだ。だからこそ、そう。ここはきちんと言っておかなければなるまい。ありがとうございます!!


「意味が分からないわよ!!はぁ……。何で尋問なのにこんなに気が抜けるのよ。するのなら、もっとあるでしょう!もっと!!」


 怒り心頭のあんずちゃんであるけれども、尋問なんて掴んでる情報のすり合わせだし?痛めつけて引き出した情報なんて嘘だらけの虚構まみれで全然()()()()()()()()()()()んだよ!うん、実体験的に?


「……あなた、勇者よね?」

「そうだよ?」

「勇者って、平和な国から来るのよね?」

「そうだけど?」

「なら、何でそんな経験があるの!?」


 あるのだから仕方ないんだなこれが!

 中東あたりで海賊のところに潜入したんだけど、捕まってた人が助かりたいがために、仲間を嘘偽りで売り払って自分も殺されてる、なんてことがざらにあったんだよ!死なば諸共?うん、自分だけが不幸になるのは割に合わないかららしいんだよ!売られたの俺だよ!マジ困ったし!!


「なるほど、それで死んで……」

「いや、死んでないよ?海賊潰したし?」

「アンタ何者なのよ!?」


 だから最初から言ってるじゃあないか。俺は忍者な巫子さんで、成績優秀な普通の男子高校生さんなんだよ!え、普通じゃない?おかしいなぁ……。

はい、いつも通りです。遅くなりましたあああああOTL

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