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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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16話:旅先で入った料理屋ってあまり美味しくなくても割といい思い出になるから不思議だよね?

 村のみんなを開放して何とか誤解を解けたお昼過ぎ。

 相応の対価を支払ってペシテちゃんのお祖母ちゃんのおうちでご飯をごちそうになっていた。メェープを一頭潰した割と豪華なお食事なんだよ!うん、割といいお値段なんですね!お、お小遣いぃ……。


「これが、エスティリア名物メェープの香草焼きに、メープジンギスカンに、子メープの丸焼き!すごいです!丸々一頭がくるくる回ってますよ!」

「これで前借してたぶんが吹っ飛んだかなー」


 腹ペコ欠食児童なロベリアちゃんにクロエが、よだれをだらだら流しながら次々に並べられていくごちそうに舌鼓を打っている。ははは!ビオラちゃんにペシテちゃんもたんと食べるがいい!俺のお財布は閑古鳥が鳴いてるけども!か、帰ったらサラさんに少し借りないとなぁ……。


「ふぇふぇふぇ。いい食べっぷりだねぇ。アタシも料理のし甲斐があるってものさ」


 モフモフなおばあちゃんが次々と料理をサクサクと仕上げていく。ううむ、なんと見事な手際!というか、うん、気になるんだけどこのメープジンギスカンって、どう見てもジンギスカンなんだけど気にしたら負けなのかな?うん、お野菜たっぷりでとっても美味しいんだけどね!


「ああ、その料理はだね。昔、バアル様がここにいらしたときにおつきの方が教えてくださったんだよ。初めて見る料理だったのだけど、美味しいから作るとみんな大喜びでねぇ」


 ふぇふぇとおばあちゃんはなんだか懐かしそうに語っている。おつきの人、ね。ううん、範囲が広すぎていまいち絞り切れないけれど、分かることが一つ。バアルの傍にユウシャ、或いはその近親者がいたということだ。どう見てもわかりやすい証拠だしね!こんな鉄鍋普通に考えて作ろうだなんて思わないよ!


「はふはふ、真人様は食べないんですか?」

「ふーふー!はち、はち、ああ、このたれ焼きも美味しいにゃぁぁ……!」

「にゃふ、にゃふ、えへへ……。こんなおごちそう、久しぶりぃ~」

「もぐもぐ、なるほど、パイも中々に……」


 三者三葉、みんな幸せそうにもぐもぐしている。さっきまで泣き顔だったペシテちゃんも笑顔になっていてほっと胸をなでおろす。こうしてみるとなんだかクロエと姉妹に見えないでもない。うん、種族が違うんだけどね?猫耳と尻尾を見てるとああ、もふ……もふ……!


「にゃ!?」

「真人様、手をワキワキしないでください」

「そうそう、こんなにかわいい子を泣かせちゃダメだよ」


 ペシテちゃんの壁になるように立ちふさがるロベリアちゃんの後ろで、クロエがペシテちゃんの頭をなでなでモフモフしている。くそう、なんて羨ましい!


「……それで、あんたらは何でペシテの事探してたんだい?」


 シャコ、シャコと包丁を研ぎながらお祖母ちゃんが鋭い眼光をこちらに向ける。うん、誤解は解いたけれども目的まではこのお祖母ちゃんに伝わっていなかったらしい。


「俺らがこの子を探していたのは、まぁうん、後ろで転がってる忍者な暗殺が起きそうだったから心配で様子を見に来たんだよ。最悪の場合はほ「あん?」……コホン。護衛をつけようかなと思っていた次第でして」


 うん、すっごく怖いよこのお祖母ちゃん!孫可愛いのは分かるけど、迫力ありすぎじゃあないかな!お願いだから研ぎたての包丁をこっちに向けないで!魔獣戦艦より怖いよ!?


「護衛、護衛ねぇ。アンタらそれなりに強いようだけど、本当に護衛が務まるのかい?」

「ええ、問題ありません。現在、魔王バアル……さ、さ、さ、さ「ん?」様の姫君を二人ほど護衛させていただいております」


 訝しげなお祖母ちゃんに振り絞って言葉を紡ぐ。く、くぅ、なんだか蕁麻疹が……!


「まぁ弱いわけじゃあ無い事と、ペシテの事を想ってくれてることくらいは信じてあげようかねぇ」


 ふぇふぇと笑いながらお祖母ちゃんは次の料理に取り掛かった。

 し、心臓に悪いなぁ!


「それで、このニンジャ?はどうするんですか?処断しますか?」

「んむぅ!?」


 ロベリアちゃんの過激な発言に縛られた忍者娘が肩をびくりと震わせる。流石にそれは早計だよ?殺しちゃったら何も聞けないじゃあないか。


「んむ、んー!む、んむぅぅ!」


 はっはっは、何を言ってるかわからんなぁ!ああ、口の中に仕込んでた毒薬はもう取ってるから死のうとしても無駄だからね?どうして忍者ってこう歯に毒を仕込むのかな!うん、割と普通だな!そういえばロベリアちゃんも仕込んでいたし?はっ!まさかロベリアちゃんも忍者!?


「違います。今はメイドです。あと、忘れてください!忘れて!」

「ははは、愛いやつめ!……しかし、ううん。メイド忍者と言うのも需要がそれなりにあると思うんだ」


 じゅよう?とロベリアちゃん首をかしげている。ふふ、可愛いな!


「それで、拷問するの?道具があればできると思うけど」

「拷問じゃなくて尋問ね?クロエもなんか抉るような仕草はやめよう!削いでもダメ!!怖いよ!?」


 プルプルとペシテちゃんもなんだか怯えている。うん、ごめんね!

遅くなりました!いつも通り申し訳ないですOTL

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