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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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14話:乳酸菌は体にいいけど沢山食べ過ぎたらお腹を下しちゃうから何事もほどほどだよね?

 崩れ落ちた山の手前側。青々と茂る森の傍に小さく広がる小川に集落が作られていた。

 時間は太陽が一番上に昇っているころ。うん、割と早めに目的の集落を見つけることが出来たんだよ!


「ふぅ、ふぅ、流石に数時間走りっぱなしは流石に、き、きちゅい、れす……」

「体格的に小さいからねー。歩幅もあるし、うんうん、お疲れ様にゃ」


 バタンキューと倒れているロベリアちゃんにクロエが布でパタパタしてあげている。流石に俺と猫族のクロエと同じスピードで走っていたのだから疲れるのも当然だろう。


「それで、どうするんですか?」

「うん、そのまま隣の昼ご飯?そろそろお昼時だしご飯を分けてもらえたらうれしいなって?」


 ああ、何も考えてないんですね、とポツリと背中のビオラちゃんの声が聞こえたけど聞こえない聞こえない!

 そういうわけで、背中からビオラちゃんをおろして、村へと向かう。疲れてぐったりのロベリアちゃんはお姫様抱っこである。


「何でですか!?普通におんぶでいいじゃないですか!恥ずかしいです!すごく恥ずかしいです!」


 顔を真っ赤にして騒いでいるけど、腕の中で借りてきた猫のようにおとなしくなってくれている。うん、可愛いな!


 村と言っても簡易な大型のテントがいくつもたっており、その人数の少なさが見て取れた。テント自体は持ち運べるものになっているようで、その作りは簡素だ。白くて丸いその形は元の世界のゲルっぽい。というか、ゲルじゃないかな!


「すみませーん!隣?のお昼ご飯なんですけどー!」

「それって言わないといけないんですか!?」


 言わないとダメなんだよ?これは絶対のルゥール!だからね!礼儀なんだよ、礼儀。


「よくわかんないです」

「何言ってるかわかんないにゃー」

「はい、わかりません!」


 誰もわかってくれない。おかしいなぁ……。あ、そうか!ここって異世界だった!うんうん、そりゃそうだ!そりゃあ通じないよね!


「多分異世界じゃなくとも通じないでしょうし気にする必要はないですよ」

「そう、なのでしょうか?ううん……」


 ああ、本当にビオラちゃんは良い子だなぁ。二人とも見習って欲しいな!と言ったらジトだった。ありがとうございまぁあす!


「ええと、どちら様だい?」


 一番近くのテントから出てきた猫耳のおっちゃんが顔をのぞかせる。


「ああ、突然すみません。隣領(となり)のお昼ご飯なんですけど……」

「はい?」


 おっちゃんが頭の上に沢山ハテナを浮かべている。うんん?おかしい、やっぱり通じてないよ!


「通じるわけないでしょう……」

「はいはい、私からご説明をば。ええと、私はクロエ・シャントリエリと申します。大魔王様の姫君であらせられるオウカ姫様の騎士隊に所属しております」

「帰れ!」


 ばたんと、扉を閉められてしまった。うん、だと思った!


「え、え、なんで!?なんでぇえ!?」


 クロエが扉に泣きすがっているけど、そりゃあそうだよ?だって、俺たちって言ってみれば探しに来た子の敵だよ!――だから、それは当然の帰結である。再び扉を開いたとき、彼の手に持っていたのは銃だった!というか、同時にいろんなテントからいろんな武器を手に持った人たちが一斉に飛び出してきた!なるほど、その子のことをこの村の人たちに愛されているのだろう。


 だけど、それは悪手だ。

 瞬時にクロエとロベリアちゃんが動き、次の瞬間には全員がお縄についていた。うん、お疲れ様?


「真人様、ちゃんと働いてください」

「にゃー」


 二人のジトが痛いけれども、それは早計というものだよ翔太郎!


「誰ですか翔太郎さん!」

「それはさておき、この子が俺らの探していたバアルの娘さんみたいかなって」


 二人が振り向く先にもう一人俺がいた。うん、分身して裏からこっそり逃がそうとしているところをゲットだぜ?


「にゃぅ~……。食べないでぇ~」


 小さい真綿のようなモフモフの少女を抱きかかえている俺。うん、はたから見たら誘拐犯の変質者だよ!誰か通報して!って駄目だよ通報したら!アレ俺だよ俺!!


「自覚があるのはいいことです。そう思うのならもう少し、こう、色々と自重していただけるととっても助かります」

「ですにゃ!」

「あ、あはは……」


 自重と言われてもそれはそれで困る。うん、今の俺が俺が自重なんてしたら俺じゃないんだよ?うん、ジトですね!ありがとうございます!!ふぅ……。


「くそやろう!ペシテをどうするつもりだ!」

「卑怯者め!その子を放せ!」

「この野郎、馬鹿野郎、ぶん殴ってやる!」


 罵詈雑言を思う存分に村の人たちが言い放つ。うん、仕方ないとはいえ少し胸に来るものがあるな!でも、話を最後まで聞かずに襲い掛かってきたら反撃するのは当たり前なんだよ?


「当たり前、だと!?」

「そうそう、こっちはこの子が無事かどうか。安全かどうかを見に来ただけだし?害するつもりは特に無いよ」


 そう、最初から目的はこの子の安全確認。無事で安全なら放置してしまって大丈夫だと考えてここにやってきたのだ。けれども――


「残念だけど、ここは少し危ないかな?」


 空を見上げると巨大な幾つもの岩の塊が炎を上げてこちらへと降り注いできていた。うん、ヤバいな!!

8/17ペシテの髪色を黒から白に変更しておりますOTL

はい、書き間違いですごめんなしあゆるしてくださいなんでm(ry

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