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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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12話:大家族ってなんだか楽しそうだけど多すぎるとなんだか逆に大変そうだよね?

 さて、ひとまず考えを纏めよう。


 魔王バアルには妾たちに産ませた子供がいる。


 これは純然たる事実である。しかし、その中で彼の力を受け継いだ子供たちは数が限られていた。

 十七人子供がいるうちの五人って多いのか少ないのか微妙に判断に困るところなのだけども、数的にはとっても多い気がする!子だくさん過ぎるよ!?


 その中の一人は正妻であるアスタロトの一人娘であるベル・ゼブルだ。夢魔であるアスタロトの高い魔力とバアルの能力を引き継いでいる彼女は育てば魔王として確実に覚醒すると言ってもいいだろう。


 二人目は襲い掛かってきたアーリアちゃん。水将軍ジョーンズの姪っ子であり美少女で巨乳である。そう、大きいことは良いことだ。大きいことは良いことだ!!うん大事なことだから二回心の中で唱えたけれども、なんでかロベリアちゃんの横からのジトが痛くなっているきがする。これはとりあえずお礼を言っておかねばなるまい。ありがとうございます!!


 三人目はこっそりと分身で観光(偵察)して町はずれのゴミ捨て場で見つけたアダト・バアルだ。ゴミ捨て場に住んではいたが、エルフの末裔で聡明な青年であったという。魔王バアルも彼には目をかけていたようだけど、何者かによって殺害されている。おっちゃんは浮気して女にやられたのだろうと言っていたけれども、話半分で聞いたとして犯人は女ということ。うん、情報が足りないぞぉ!

 そして気になることがもう一つ。彼の体の中にあったはずの魔石が遺骸から抉り出されていた。もしかするとヤンデレで猟奇的な恋人に持っていかれた可能性もあるけれども、可能性としてその魔石自体が目的だったとも考えられる。

 実のところ、今判明している五人のバアルの子供たちのうち男性はアダトだけ。そのほかの子供たちは女の子なのだ。一姫二太郎と言うけれど、悲しいかな男子のヒット率は少なかったらしい。


 ではなぜ彼だけが殺されたのだろうか?

 答えは犯人だけが知っている。うん、つまりは分からないんだけどね!情報がまだまだ足りなさすぎるんだよ!困ったな?


 四人目の少女は名前は分からないけれども、宮廷魔術師のリリアのところにいるらしい。うん、確認したくて散歩(潜入)中だけどまだ見つからない。


 そして、最後の五人目だ。森の外れ、うちの領にも近い草原に生きる種族であるラグドール族……つまりは猫耳っ娘だ!モフモフの毛並みと尻尾を持つ種族でぬいぐるみのようで可愛い!と奴隷商の間で人気があるとの話もあるけれども、バアルの子供がいたせいかこの領では全く手出しされていないらしい。

 うん、いいこともしてるんだよね!思いっきり私情挟みまくりなんだけど!


 だからその子のいる一族を現在捜索中。うん、遊牧民だからなかなかに見つからないんだよ!モフモフなメェープといういかにもとってつけたような名前の羊の品種を育て旅しているらしい。そこまでの情報はつかむことが出来たのだけど、如何せん範囲が広すぎて見当たらない!シーズンごとに特定の場所に住居を変えているらしいのだけど、その位置が掴めないんだよ!


「困ったなぁ……」

「困っているのはこちらです!というか話を聞いていまして!?」


 へ?と顔を上げるとぷんすか顔のベルと目が合った。そんな顔したら可愛い顔が台無しだよ?


「かわ!?って、そうではなくて、どうしてアーリア嬢も一緒にコテージに来てるのよ!仮にも私たちを殺そうとしたのよ?」


 腰に手を当て、少し紅に染まった頬をプクリと膨らませている。うん、そういうところが可愛いと思うんだけどな!

 三つの月が昇り始めた夕刻あたり。海獣兵の皆さんと海を堪能するだけ堪能して、ようやっと帰ってきたところだ。サラさんとビオラちゃんはすでにお部屋でグロッキー中。クロエは今度は自分でキウイっぽいフルーツジュースを飲んで自室でにゃんにゃんにゃー!となっている。うん、癖になってないよね?


「まったく、ベルお姉さまは子供ですわね。ふふん、それに比べて真人様は私の話したことをきちんと聞いてくださって、紳士的でしてよ?」

「いやいや、さっき真人さんも含めて殺そうとしたじゃない!というか!貴女にお姉さまだなんて呼ばれたくありません!」


 あら怖い、とアーリアちゃんはベルの言葉を軽く流している。身長的にもアーリアちゃんのほうが高いからなんだかちぐはぐに見えるけども、年齢的にはベルのほうが年上なのだ。巨乳で高身長でスタイル抜群ではあるけども、これで年齢はロベリアちゃんよりも年下らしい。非合法美女さんだよこれ!!


「兵隊さんもお姉さんの海兵さんを残して帰っちゃいました。えと……」

「どうぞお気になさらず。念のためにアーリア様の護衛として仰せつかっておりますので」


 ぺこりと、スキュラだという女性が頭を下げる。なるほど、瞳孔はイカにも見えて、髪の毛は吸盤のついた触手になっていた。擬態のようでもあるけども、これが彼女たちの種族だという話だ。摩訶不思議な美人さんである。


「ともかく部屋はあるしお気軽に」

「だから!なんで!普通に対応するのよ!うぅ、これじゃ安心して眠れないじゃないの……」


 ベルがなんだか涙目になっている。うん。人肌がさみしいならロベリアちゃんを抱きしめて眠ればいいんじゃないかなって?


「何で私なんですか!?そういう時は苺でもいいじゃないですか!」

「私……は、真人……さん、せんよー……だから」

「わーたーしーもーでぇーすぅ!!」


 はっはっは、俺を取り合ってくれて幸せだな!え、そういう意味じゃない?それは、ガーンだな!

通常通りの……投稿!

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