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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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3話:かき氷を一気に食べると頭がキンとするけどそれもまたかき氷の楽しみだよね?

 今回、ビオラちゃんと一緒に来ているのには理由がある。

 偵察任務にあたってどこかにとっかかりは無いかと探していたところに、実のところビオラちゃんの遠縁の親戚がこっちの領で海の家と民宿をしていると聞いたので、ビオラちゃんのお友達という名目でみんな一緒にこのビーチへとやってきたのだ。なんとなく予想はしていたけれども、地中海のビーチといった雰囲気がある。地理的にいえば内海というか地中海に近い位置になっており、波も穏やかで風もカラッとしており過ごしやすい場所だ。

 リゾート地として意外と人気があるらしく、民宿が多く立ち並んでおり、ビオラちゃんの親族もその中の一軒と言うことらしい。


「それで、お金はあるんですか?」

「え、あると思うの?」


 ロベリアちゃんの鋭角な突っ込みに、ストレートに投げ返す。

 現在のうちの領は潤い始めているとはいえ、財政再建の真っただ中。そんなお金を使う余裕なんてあるわけ無いよね?うん、無いんだよ!


「それじゃ……ど、するの……?」

「お金がなければ働けばいいじゃない?と言いたいところだけど、今回はバカンスでお休みに来てるからね!領の商品を手土産にしておいたんだよ」


 そう、名産品と言うべき魔法家電の魔導冷蔵庫と魔導湯沸かし器で手を打ってもらった。海の家と言えば冷えた飲み物にかき氷。魔法で生み出した氷で冷やす旧式の冷蔵庫だと水気が出てしまうため、魔導冷蔵庫はとっても助かるのだそうだ。うん、魔物(動力)はそこら中にいるしね?荷物はすでに配達済み。思い付きで始めた遠方ゴーレム宅配サービスはどうやらうまく機能しているようだった。一番の敵はユウシャたちだ。あいつら荷物もゴーレムも狙ってくるんだよ!本当に困りものだよ……。


「それで、クロエさん……どうしましょう?」

「にゃへぁ~♡」


 心配そうなビオラちゃんをよそに、なんだか幸せ絶頂な顔でにゃへら顔なクロエは可愛いけども、あんまり人に見せたらダメな顔をしている。とりあえずお水は飲ませてるし、そのうち良いも覚めるだろう。


「まさか苦手なものがあるだなんて知らなくって……」

「苦手というか、好物が過ぎるものというか?うん、簡単に言うと酔っぱらってるだけだからビオラちゃんが心配する必要はないよ」

「それならいいのですが……」


 そう、酔っぱらっているだけなのだ。だから、うん。……覚えてなければいいなー!




 ビーチからほど近い、海を臨める民宿。地中海なコテージ風のおしゃれな外観で、民宿と言う名のコテージホテルだった!夕日が似合うくらいに割とお高そうな感じだけども、遠慮することはない。きっと大丈夫!……大丈夫だよね?


「はい、物品も納品されていますので問題ありません。あれほどまでに大型で、かつ低コストな魔導冷蔵庫がずっと欲しかったのだと喜ばれていましたよ?」

「そりゃあサクラちゃんの設計だしね!うん、今度はサクラちゃんを連れてこないと!」


 ちなみにサクラちゃんも一緒に来ようとしていたのだけれども、途中でアリステラさんに見つかって捕まってしまったらしい。さすがに二度目は無いとのことだった。そりゃそうだ!


「にゃむ……一度目が合った時点で問題なんですけどね。ライガーさんがこってり絞られてましたし」


 いつものメイド服ではなく、ピンクのキャミソールにフリルのスカートという可愛い私服姿のロベリアちゃんはソファーに座った俺の太ももを枕にウトウトとしている。ビーチで軽く泳いで遊んでいたし、疲れてしまったのだろう。


「にゃーぅー。頭がなんだかくらくらするぅー。にゃーぅー」


 クロエはクロエで頭を抱えてうんうんとうなっている。ほらお水飲んで酔いを抜きましょうねー。


「それで、偵察って何をされるんですか?私お手伝いできることなら何でも頑張ります!」


 フンスとやる気いっぱいのビオラちゃんである。けれどもお願いと言ってもしてもらうことは特にない。


「だってほら、最初から言ってるじゃない。偵察(お休み)だって。だから特にすることもないし?ビーチでのんびりしながらお仕事のことを忘れて偵察(バカンス)しようかなって?」

「ごめんなさい、意味が分かりません!」


 ううむ、どうやら通じなかったらしい。おかしい、わかりやすく説明したつもりだったのだけどなぁ。


「偵察任務とは名ばかりで、安全確認が大体の目的だからね。どこかに潜入して資料をあさったり、危険人物を暗殺したりなんてすることはないのよ」

「なるほど、流石サラさん!わかりやすいです!」


 台所から飲み物を取って来てくれたサラさんがうまいこと説明してくれた。あれ?おかしいなぁ、俺説明しなかったっけ?


「してないわね。真人さんの説明って端的過ぎて判りづらいのよ」


 ため息をついてヤレヤレとサラさんが肩をすくめる。この前は文言が長すぎるからと言われたのに今度は端的と……。い、一体俺はどうすれば?!


「普通に説明しなさいな」


 むむむ。普通に説明してるつもりなんだけどなぁ……。

日付は!変わってない!!(汗

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