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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第四章:勇者な執事と海と水着とバカンスと。バカンスはお仕事と見つけたり?
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2話:夏にビーチはつきものだけど離島のビーチはお休みでも貸し切りらしいよ?

――忍者とは陰に忍び、陰に生き、陰を歩むもの。


 決して他者に気取られる事なく忍び寄り、情報を、或いは命を奪う闇夜の支配者ともいえるだろう。


「うん、成程。美味い!やっぱり魚は塩だよね!塩!」

「真人様、お忍びで偵察任務だと聞いていたのに海水浴場でバーベキューしてる意味が分かりません」


 ロベリアちゃんがいつものようにジトで鋭い突っ込みを入れてくれた。ありがとうございます!!


 そう、ここはエスティリア。アークル(うち)の隣の領であり、現在統治下にある場所である。うん、統治下とはいえ、特に手出ししてなかったから痺れを切らしてサクラちゃんに訪問して欲しいと話を投げてきたのだろう。

 話によると、領内の勢力争いが激化していて、消し飛ばしてしまった蠅の魔王バアルの娘と宰相たち骨肉を争う紛争になりかけているらしい。正直!自分たちで!解決してほしいなって!!


「それを言葉に出したところで解決しないのは分かり切ってるではないでしょうか?」

「うんその通りだよねー」


 ロベリアちゃんの言葉に、ため息をつきながら水平線のかなたを見る。わーきれいな海だなー。


 ……悲しいかな、この領を統治する魔王を倒してしまったからにはその責任を取らなければならない。統治下と言うことになっているのだから、バアルの妻と娘はうちの領の庇護下に入っているも同然なわけだ。それを無碍にしてしまうというのはどうにも外面が悪いらしい。うん、悪くてもいいとは思うんだけどね!


「にゃー。真人さんが相当にお冠だぁ」


 クロエが可愛らしい上下のビキニ姿で焼きたての魚をハフハフしている。どうやらこの休暇(偵察)を楽しんでくれているようだ。


「わ、私が間違っているのでしょうか?いえ、普通偵察って、もっと、こう……」

「忍びと言うのはね、忍びと言うけど忍ばないんだよ?忍ぶところか暴れるらし!」

「意味が分からないです!!」


 うんうんと頭を抱えてロベリアちゃんが膝を抱えてしまった。

 それにしても、可愛らしいフリルのついたピンクでワンピースの水着姿のロベリアちゃんはとってもかわいい!ふふ、流石アラク姉(クレオ)さん!いい仕事してますねぇ……。


「私まで来てしまって大丈夫なんでしょうか?いえ、ある程度は母になげてきたのですが」

「いいのいいの。たまのお休みは必要だしね。というか、俺らがしっかり休まないと文官連中が休もうとしないんだよ!何だろうね、上司が働いてるからって気を使ってるのかな?それならいいんだけど、仕事増やして持ってくるんだよ!ここもっとできるんじゃないですかって!優秀なんだけど!持ってき過ぎなのね!俺に!お仕事!投げ過ぎなの!!今日はあああああ!休むうううううう!!」


 大海原に向かって俺は叫び、決意する!そう、俺は休むんだ!お仕事なんてぜえええったいしないぞおおおおお!!


「ぶっちゃけましたよ!ぶっちゃけましたよこの人!いや、休んで欲しいとは常々思っていましたけど、偵察に来た現地で言い放っちゃいましたよ!」

「にゃぁ、そっとしておこう。きっと疲れてるんだよ」

「そりゃあ、死んでは仕事して、仕事しては死んでを繰り返していれば……」


 なんだか三人の目が生暖かい。そこはもっとこう、ジトでもいいのよ?あ、ありがとうございます!


「真人……さん。ジュース、買って……来た、よ?」

「お、ありがとね苺ちゃん。こ、これは!トロピカルジュース、だと!?」


 そう、それはトロピカルな南国フルーツを盛沢山に絞ったトロピカルなジュースだった!ああ、程よい酸味と甘みがトロトロで美味しい……。これは分かっている味だ!


「甘いです!美味しいです!」

「ほう、これはなかなか……」

「んへぇ~♡あえ~♡こえ、にゃんかふわふわしゅりゅう~♡おいひ~♡」

「クロエ?!って、んーこれキュウイっぽいの入ってる!?」


 べろんべろんの酔っぱらいで尻尾をフリフリしてなんだかエロ可愛い!じゃなくて、これ以上飲ませちゃダメだよ?!


「にゃぁん!ひろいれしゅぅ~」


 涙目でゴロゴロとノドを鳴らし続けて完全に酔っぱらいになってる。


「キュウイ……マタタビ!ご、ごめん……なさい!わ、たし……気づかなく……てっ」


 苺ちゃんがあわあわとゴロにゃん状態のクロエに頭を下げている。うん、吐かせてしまうのは簡単だけど流石にバカンスだしね。お水を飲んで流してもらおう。


 空気中から冷たいお水を作って、飲ませてあげる。うん、口から漏れ出てなんだかさらにエロイな!


「みなさぁ~ん、食べ物買ってきましたぁ~!って、クロエさん!?え、え、どうされたんですか!?」


 可愛らしい紺のスクミズを身にまとった美少女がアワアワと慌てふためいている。

 水色の長い髪をいつものように後ろにゆるくまとめ、小さいながらにしっかり大きいトランジスタグラマーなその姿を惜しげもなく見せてくれている。ビオラちゃんその人であった。うん、連れてきて大正解だったんだよ!すっごくかわいいなって!


「真人様、目が怪しいです」

「ハハハ、ソンナコトナイヨー」


 なんだかエセ外国人的な口調だったけどもきっと誤魔化せた!うん、ジトありがとうございます!!

遅くなりとってもとっても申し訳ありませんOTL

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