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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第三章:炎の龍と温泉と、勇者な執事でベストマッチ!
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27話:ゾンビに清めのお塩とお札が効くかどうかは時と場合によりそうだよね?

「うん、これはダメだ。サテラさん、ごめん。してやられた。フレイア様がサクラちゃんのとこに行ってるみたいでサクラちゃんが危険で危ない!そういう訳で、こっちは任せるよ。たぶん恐らくゾンビ共だけじゃなくてグールも出てくる可能性があるから、んじゃ!」


 真人さんの分身が言うだけ言って、バチンと似合わないウインクをした後、ポフンと消えた。

 え、え?どういうことなん?してやられたて。


「言葉の通りでしょう。なるほど、お忍びでオウカ様に逢いに行かせ、内通者がそこを襲わせているのでしょう」

「それってまずいやん!」

「ええ、非常にまずいです。衛星とコネクト――ああ、すでに街にはゾンビがあふれ出ていますね。なるほど、向こうも遠慮することがないのかグールまで多数現れていますね」


 町が、みんなが危ない!な、何とか助けに行かへんと!慌てて扉を開くとなんだか外があわただしい。


「ああ、お客人!申し訳ないが早く非難を!」


 何やら慌てた様子で兵士さんがどこかへアタシらを誘導しようとする。


「いやいや避難って。アタシらはこれから町にいってゾンビ共を倒して回るつもりなんやで?」

「それどころじゃあないんだ!」

「グールも問題あらへん!それくらいなら倒せるわ!」

「違う!……ああ、ダメだ!追いつかれた!」


 激しい地響きとともに現れたのは、黒い炎を口から噴き出しているドラゴンの……ゾンビだった。


 ……んんん?私は思わず首をかしげた。


 いやいや、いやいやいや!?あれって幻影で見たフレイア様の龍の姿にそっくりやん!と、なると、あれって……。


「過去のフレイア様の系列の者、でしょうね。それがゾンビになっていると。まったくもって厄介ですね。ああ、どうやら目を付けられてしまったようです」

「ようです、やあらへんがな!逃げる――」


 で、というアタシの言葉が出終わる前に熱風が巻き起こり、炎がすべてを焼き尽くす!と思いきや熱くあらへん?なして、と顔を上げるとサテラさんがシールドを張っていた。流石四天王は伊達やあらへん!格好ええで!


「おほめの言葉、ありがとうございます。ですがここでは手狭で武装の召喚ができません。兵士さん、ここから一番近い開けた場所は何処ですか?」

「それなら中庭です。あそこの壁の先です!」

「感謝します。そして、申し訳ありません」


 そう言ってサテラさんは何処からか召喚したカノン砲で扉をぶち破る。いやいや、その武装でええやん!


「この武装では直線距離に誰かがいた場合、巻き込みかねません。さぁ、参りましょう」

「兵士さんも!急いで!」

「え、ええ!」


 走りだしたサテラさんに追随してアタシらも走り出す。ドラゴンゾンビは獲物が逃げないことを理解しているのか壁を破壊しながら狭い廊下をゆっくりと迫ってくる。何やこのホラー!?


「ゾンビですので」

「ゾンビやけど、ドラゴンのゾンビなんて異世界の映画でも見たことあらへんで!」


 泣き言だけどもこれくらいはいわせて欲しい!なんでこないな事になってんねん!


「正確な情報が無いので判断が出来かねますが、恐らく真人様が向かわれた先でドラゴンのゾンビたちが溢れたのだと思われます。そのうちの一体がこちらに来たのかと」

「無事に帰れたら絶対にデコピンや!こうなる前になんで止めれへんかったんや!」

「それだけ向こうの方が上手(うわて)だった、或いはそれだけの準備をされていたという事でしょう。そうなるとドラゴンゾンビがここに来たのは、私がここにいるからとも考えられます」


 壊れた壁を飛び降りて、サテラさんは兵士さんを抱えて中庭に降り立つ。


「つまりは、私のここへの足止めかと」

「うわぁ、最悪やん……」


 外に出ると待ち構えていたのか、更に追加のドラゴンゾンビたちが顔をのぞかせた。あ、合わせて四体も!?ごめんお父ちゃん、お母ちゃん。アタシ、ここで死ぬかもしれへん……。


「衛星からの映像で確認済みです。ですので――」


 閃光が天空から奔り、ドラゴンゾンビたちを飲み込んでゆき、一瞬でドラゴンのゾンビ達が消失する。そこにはピンポイントでクレーターが開き、その威力の絶大さを物語っていた……って最初からやってーな!?


「申し訳ありません。威力が威力なだけに撃つ場所を選ぶ必要がありましたので。ああ、ですが、一体は残ってしまったようですね」


 ガラリ、と顔をのぞかせたのは最初にアタシらを追いかけて来ていたドラゴンゾンビだった。うわああ!早くやってください!無敵の衛星砲で!


「ムテキでではありませんね。残念ながら真人様には通じませんでしたので」

「うん、真人さんに撃ったことあるんやね!いや、なんでや!?って、せやのうて!あれ!アレをどうにかせんと――」


 痺れを切らしたのかドラゴンのゾンビが咆哮を上げ、牙を剥いてこちらへと向かい来る。あかん、避け切れへん!?


「想定内です」


 瞬間、巨大な何かが襲い来るドラゴンの頭を鋼の拳で砕き貫き、吹き飛ばした。その衝撃ででドラゴンゾンビは城に激しく叩きつけられ、まるでハエが壁に打ち据えられたかの如く悲惨なことになっていた。


「こちらに移動する際に呼び寄せておいて正解でした」


 そこにいたのはサテラさんと今日乗ってきていた車、それが変形したロボ。やっぱり変形する車やったんか!

 緊張感がぷつりと切れてアタシは思わずへたり込む。ああよかった。これで……。


「うー……」「あー……」「がぅあー……」


 声の方に顔を向けるとゾンビとグールがぞろぞろと湧き出でて来ていた。うん、せやったな!こいつらが出て来てたんやったな!


「ああもう、全部ぶっ飛ばしたる!」

「――召喚。義体、グルンガスト」


 気合いを入れなおした瞬間に、サテラさんが魔法陣を起動させた。


 ――それは、大魔王四天王と呼ばれるこの世界最強の一角とも言われるこ鋼鉄の魔人。


「さぁ、蹂躙を始めましょう」


 もうこの人だけでええんちゃうかな!わぁ、一瞬でゾンビとグールが消し飛ばされてくぅ!これやとゾンビの方が危険でデンジャラスや!

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