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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第三章:炎の龍と温泉と、勇者な執事でベストマッチ!
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21話:おてんば娘って実はオランダ語が由来らしいって聞くとびっくりするよね?

 旅館の女将さんが緑茶を入れてスッと去って行ってしまいます。ああ、行かないでください!少しでも人がいてくれた方がいろんな意味で嬉しいです!ダメ……ダメですよねー……あぅ。


「くふ、昔お主と逢ったときは大人しい子だとは思っていたのだがな。くふふ、よもや旅行鞄に忍び込んで城を抜け出すとは思わなんだ。くふ、くふふ、しかもそれが愛しき人と一緒にいるためと来たものだ。うちの娘……フレアにも見習わせたいほどに元気に育ったものよな」

「ぐす。その、言葉にして言われると自分がやったことがどれだけ突拍子もないことをしたかわかるんですけど、笑いながら言われると更にとっても恥ずかしいです、はい」


 自業自得だけれども、いろんな人に心配かけて、迷惑かけて、それでも一緒にいたかったんだって思ってしまって。ぐす、反省してます……。


「まぁ、気持ちはわからんでもない。私も昔は愛しき人の機微に敏感だった時期もあったしなぁ」

「フレイア様もそんな時期があったんですか……」

「もう何百年も前の事ですね」

「イグニア、お主なぁ……」


 綺麗な(オレンジ)色の髪の侍女さん……イグニアさんがサラリと酷いこと言いました!って、あれ?それならフレアちゃん(娘さん)って……。


「私の娘は妾の炎から生まれし分身(わけみ)よ。自らの死期を読んで我らが一族は分身を生み出して時代につなぐのだ。だから私の愛した誰かとの子では無い。それでも愛しき娘に違いないがな」

「さ、さらりと重要なことをおっしゃられましたけど、フレイア様をそのまま小さくしたと言う感じなんですか?」


 そうなれば自分を若返らせて増やしている感じなのでしょうか?


「感覚にしてみればそれに近いのやもしれん。が、これも不思議なものでな。同じ存在として魂を分け出しても、心や能力なんかは育ってゆくうちに違うモノへ変わることがあるのだ。くふふ、フレアがどう成長してゆくか今から楽しみだの、イグニア?」

「そうですね。フレイア様のようにならないことを願っております」

「辛らつ過ぎぬか!?」


 うん、やっぱり二人は仲がいい。見ていてなんだかまーくんとロベリアちゃんを見ているようです。


「それにしても今回は運が良かった。こうしては無そうにもグルンガストの奴がおれば色々と口を挟んできていただろうしな」

「ああ、サテラさんがいないタイミングを見計らってこられたんですね」

「その通り。もっとも城を抜け出すのにちょうどよく小うるさいのに炎の巨人族の将軍がいなかったからの。フェネクスの言う通りスルリと出てこれたわ」


 カラカラとフレイア様は笑うけれども、隣のイグニアさんの目が怖い。怖いです!笑ってないですよ、フレイア様!


「こほん、フレイア様へのお説教は後にして「なして!?」、お話はお聞きになられていると思いますが、オウカ様もどうかここ最近現れるゾンビやグールなどにはお気をつけてください」

「それに関しては問題ありません。うちのまーくん……コホン、優秀な執事が真相の解明にあたっておりますので」

「あら、ふふ。余程執事さんを信頼されていらっしゃるんですね」

「はい、もちろんです」


 だって、まーくんですから!頑張り屋さんの努力家で、何でもできちゃう私の勇者様なんです!えへへ、とーっても格好いいんですよ?


「ああ、私も知っておる。くふふ、幻影の中とは言え私と渡り合えておったからの。あれでこの世界に来て幾ばくも無いと聞いて驚いたぞ」

「それでいて城にいる間はいつも大魔王様と戦っているとお聞きしていますが、それについてはどうなのでしょう?」

「ええと、その、それは父と彼がじゃれあっているというか、遊んでいるというか?うん、戦い終わったらゲームしたり漫画見たりアニメ見てますので……」

「なるほど、殴り合ったらユウジョウと言う訳か!」


 ううん、というよりもごっご遊びを大人の遊びの延長線上でやって遊んでいるような?互いに楽しそうだからいいんですけどね?


「だからと言って、お城の予算をおもちゃの開発に使うのはちょっと……」

「膨大な魔力で異世界をつないでゲームやアニメをやってるしなぁ……」


 ロベリアちゃんと夏凛ちゃんが遠い目をしています。う、うん、そうなんですよね。でもお二人も楽しんでましたよね?あ、目を逸らしました!


「くふふ、目に浮かぶようだの。なるほど、そうか。グリムの奴にようやっと対等な友ができたという訳か。何ともまぁ、はしゃいでいるようだのう」

「はしゃぎすぎて最近はアリス姉さまが頭を抱えていました」


 お仕事をきちんとやってくれていればいいのですけれども、サボって遊んで(戦って)ますから……。


「復帰点が大魔王の間ってのが色々とおかしいんだよな。うん、普通の勇者なら確実に発狂してると思うし?やっぱり普通じゃねぇ!」

「良くて町に放り出される感じですよね……。何度か暗殺しようとして失敗しましたけど?」


 本当にまーくん以外の勇者さんだったらと考えると色々とありえないんですよね。まーくんがいてくれなければ私たちが今こうして仲良く談笑しているなんてありえなかったんですから。


「うむ、聞き流しておるだけでも中々に愉快な男よのう。くふふ、なるほどなるほど、道理でフレアが気に入るわけだ」


 ん?あれれ、どうしてそこでフレアちゃんの名前が出てくるのでしょうか?


「む?昨日からずっと一緒におると話しておったが、まさか自己紹介すらしておらんのか、あ奴は……」

「自己表現が苦手な子ですからね……。名前も名乗っていないかもしれないです」


 きのうからずっと、いっしょ?お、女の子と?いやいや、ずっとと言うなら夜も一緒にいたということになります。だけど、けれども、昨日は私と一緒にいました。もしかして分身を使っていたとか?ううん、思い当たることは……。あれ、あ。え?ま、まさか、あの白くて丸くてモフモフのサラマンダーさんって。サラマンダーさんって!?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公への共感をさせずにシナリオの疾走感で読ませてしまうのは、才覚を感じます。 [気になる点] 意図的な誤字以外に誤字が多すぎる。 文体が繁雑なので、誤字が合わさると致命的に読みづらいです…
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