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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第三章:炎の龍と温泉と、勇者な執事でベストマッチ!
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8話:目と目が合ったらバトルの合図ってヤンキーの目を逸らしたら負けな精神だよね?

「お断りや!」


 商工ギルドの一室。対面したギルドマスターの開口一番がこれだった。うん、おかしいな?まだ俺何の説明もしていないよ?


「説明も何もねぇ。お前が何を言おうと俺らはお前が信用できん。つまりはそういう事や」


 ギロリ、と山盛りにヒゲをたくわえた小柄なおっちゃんがこっちを睨む。小柄だと言っても服の上からでもわかる筋骨隆々っぷり、まさしく彼らこそがドワーフなのだ。うん、可愛いマネちゃんで見慣れてたからちょっと違和感を感じたんだよ!


「話をする前に信頼も何もないんじゃないんですか?」

「はん、信頼できない奴の話をどう聞けってんだ?」


 完全にけんか腰、というかケンカを売ってきてるぞ!んん、どこぞのヤンキーかな?


「兄さん、話くらい聞いてや。お父ちゃんは別ええでー言うてたやない」

「バカ!こういうのは最初が肝心なんや!ガツン、最初言うてやな、あど、あ、あー……兎も角、舐められちゃアカンのや!!」


 うん、ヤンキーの兄ちゃんだったよ!おっさんと思ってたら二十台だって言う話。だから!見た目と年齢のギャップが分かんないの!!


「意思の疎通ができていませんね。いったいどうすれば……」


 余りの事にサテラさんがおろおろとしている。うん、仕方ないね!自分の立場とか、相手がどんな人かとか普通ならちゃんと考えて言葉を選ぶけど、ヤンキーのあんちゃんはとりあえずヘッドバッドしてくる感じだし?


「はぁー。とりあえず、いったんお開きにしてまおう!ほんで、アタシのお父ちゃんにお話やな!うん、兄ちゃんのこの頭が沸いた態度を厳重に抗議してくるわ」

「ま、待て待て!そこでそこで親父をだすんは卑怯やないか?!」


 慌てた様子でギルドマスターが席を立つ。うん、そこまで怖いの?


「怖いっちゅーか、ここら辺を実際に取り仕切ってるんはギルマスの兄ちゃんやのーて、現場総監督やっとるお父ちゃんやからなぁ。まずは額面上で兄ちゃんに話通したけど、こない話が通じんのやったら直接お父ちゃんと話した方がええに決まっとる」


 うんうん、とたわわな果実を誇らしげに組んだ腕で持ち上げる。うん、たわわだ痛ぁ!なんでサテラさんが俺の足踏むのかな!?


「ロベリアちゃんのお達しですので」


 くぅ、サクラちゃんと夏凛ちゃんでお留守番だから大丈夫だと油断した!まさかサテラさんにお願いしていただなんて……。いや、違うよ?変な目で見てないからね?ふふ、えへ?


「まぁ、真人さんの視線がエロいんはいつものこととして「ぐへぇ!?」、このままじゃこっちも引き下がれんのや。信頼とか信用っていうのは後になってついてくるもんや。最初からあるもんやあらへん。なのにそれを求めてくるんは筋違いとちゃうん?」

「せ、せやけど、そっちの領との契約はこっちが圧倒的に優位だったんだ。それを急に変えろと言ってくるのはおかしいやないか」


 それは確かにその通りだ。不平等条約を対等な条約にするのは並大抵の努力じゃあなしえない事だからね。俺はそれを魔王のフレイア様に力で示して納得してもらった。けど、そのことをこのギルドマスターは知る由も無い。まぁ、あれって夢の中だったから仕方ないね!


「はいはい、マネちゃんそこまで。ギルマスさん、要は信頼してもらえればそれで良いってことだよね?」

「あ、ああ、そうや。お前らが信頼に足るんかを俺に見せてくれりゃそれで構わへん」


 つまりは、何かしら形として見せればいいわけだ。

 けれどもそれはモノやお金で示してしまえばかんたんだけど、この話はそんな単純なものじゃあない。


「わかりました。それではそちらのお困りごとを解決することでその信頼に応えましょう」


 だから、誠意でみせるしかない。このおっちゃん……じゃなかった、兄ちゃんは言ってるのだ。お前の()()()を見せてみろ、と。


「困りごと……。それなら、最近この辺りの騒動についてはお前らは知ってるな?」

「ええ、ゾンビやらグールが溢れてる事ですね?」


 話だけはフレイア様から聞いてるから知ってるんだよ。うん、話が見えてきたぞ。


「つまりはそれや。その事件、原因が何かお前らが見つけ出して見せたら信頼したる」


 事件が発生して、未だにフレイア様の部下たちが原因をつきとめられていないことを、こちらに投げてきた!うん、できないと思ってるからこそ投げて来てるね。だからこそ、相手の意表を突く形で言葉を返す。


「わかりました。ではその事件、どういうことか見事解明してみせましょう」

「い、言ったな!約束やからな!」


 そうすればこのように相手も引っ込みがつかなくなって納得してしまうわけだ。

 この言葉を引き出せた時点で、この場の勝負は俺の勝ちなんだよ!


 まぁ、うん。俺は探偵じゃあ無いんだけどね!サテラさんに検索してもらって原因を探索……はさすがに無理か!足で地道にさがしていこう。偵察任務は得意だし?忍者なお師さんに自分の仕事投げられてたからね!あれ?今思い返すと俺が仕事してただけのような気が……?き、気のせいかな?


遅くなりましたOTL

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