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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:魔王姫と姫騎士たちと女子力と
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魔王姫と姫騎士たちと女子力と8

「そういうわけでお前を真人の奴の婚約者にしておいぶんれぼぁ!?」


 思いきり、お父様の顔に辞書を投げつけてやった。

 うん、書類仕事の最中に唐突に入ってきたと思ったら何を言うのかな、この人は!


「おめでとなぁ、ライガはん。くふふ、これで思い人と結ばれるなぁ」

「よくない、よくないよ!というか、アイツは!真人はどう言ってるのさ!」


 そう、あいつはなんて言ってるんだよ!というか、そもそも相手がボクって知ってるの!?


「ん?真人からの返事はまだだが、大魔王様が許可していただいたから大丈夫であろんげ!?」


 今度は椅子を投げて差し上げる。それって何も言ってないのと同じじゃあないか!いや、断られたらどうするの?どうするんだよ!


「いや、大丈夫だろ。わが娘は可愛い!器量もよいし、戦力にもなる!がはは!何も問題――あ、うん、その、な?さすがに机はやめておこうか?さすがの吾輩もちょっと痛い」


 くぅ、机程度じゃ威力が足りない!もっと攻撃力があるものは……。


「まぁまぁ、落ち着いてください。これはチャンスですよ?」

「いや、サラさん!チャンスってなんだよ!いや、そもそも、ボクは本当にアイツのことなんて……」

「ではうちの娘を代わりに推薦しましょう~」

「「は!?」」


 ボクとサラさんが同時にミラさんを見やる。いやいや、何がどうしてそうなるの!?


「だってサラちゃん、もうかなりいい歳なのに……恋人のこの字すら見えないんですよ?お母さんとしてみれば心配しちゃいます。それにー……。真人さんだったらお仕事もできるし優しいですしー。なにより、サラちゃんもー割とまんざらでもない感じがしますしー、ね?」


 ね?と言われて、サラさんが顔をフイとそらす。

 ……あれれ?褐色の耳が少し赤いぞー?え、え?いやいや、え?マジで……?


「別にそんなのではありません。ただ、ああいう人は今まで周りにいなかったので、多少気になっているだけです。その、それだけです」


 うん、ソダネー。あんな奴が周りにいたら大変すぎるしね!気にしたら負けだよ?


「でも、好きなんやろ?」

「うぐ」

「自分を偽るんはあかんことやで。んふふ、真人はん意外とあっちのメイドはんたちに人気やったさかいなぁ。はようせんと、側室のぽじしょんものーなってしまうかもしれへんえ?」


 へ、へぇ、そうなんだ、アイツ意外とモテるんだ。へ、へぇ~。


「そりゃあそうやろ。男なのに家事選択炊事一般ができて優しくて気配り上手、話も上手いし、オウカ様とのラブラブっぷりを見れば愛してもらえれば自分がどうしてもらえるかも想像がつきやすいし。うん、アタシも少しくらいは気になるかな?」


 あれ、マネッチアも?いや、だって、アイツだよ!真人だよ!ガサツだし、何考えてるかわからないし、割と適当だし、ボクの扱いも割と適当だぞ!


「それってライガさんだから許してくれるって信頼感の現れじゃないのですか?」

「そうそうー。仲がいいって証拠よねぇ」


 確かにそうかもしれない。けど、それって友達ってカテゴリだからな!間違っても男女の関係じゃないし!


「つまり、今くらいの関係が心地いいと?」

「恋人にはなりたくならへんの?」

「ならない。というか、そもそもなんでも恋愛に向けちゃうのは間違ってるんだよ。ボクは、自分の性別を間違って認識されてるのを改めたいだけだよ」


 まぁ、うん、今の距離感がとても心地いいのはあるけど、女の子としてみてもらえないのはちょっと悲しいかなって。


「でも、真人はん、ライガはんが女の子やーって知ったらどうするやろなぁ」

「そりゃあ、今までの事をDOGEZAとかして、距離とるんじゃない?」


 え?いや、真人だぞ?そんなこと、さすがに、無いと……。


「言い切れんな。アイツはわりと女性に対しては紳士的だ。つまりは今より一歩踏み込めば今間の関係でお前を女の子として認めるわけだ。がはは!つまり吾輩のやったことは間違いじゃぬがぁ!?」


 思いきりお父様にロッカーを投げてやった。目標沈黙!うん、床にめり込んでるからジタバタしてるけど、ダメージはなさそうだ?く、流石お父様……!


「激しいスキンシップやなぁ……。サンスベリアはどう思うん?」

「ん?ああ、そだなぁ。とりあえずヤッちまえばそれで済むんじゃねーの?」


 一番過激的だった!うん、ダメだからね!いろんな意味で!


「はぁ。まいったなぁ……。とりあえず、婚約の件をどうにかしないとなぁ……」


 あいつに女の子だって認めてもらいたくて女子力を追い求めてただけなのに、どうしてこんなことに……。困ったなぁ!!


「その、そろそろロッカーから降りてあげてくださいね?ライオネル様、次第に動かなく……」

「大丈夫だよ、サラさん。お父様これくらいじゃ死なないから!」


 にっこりとサラさんにボクはほほ笑む。だってお父様は天下の大魔王様の直属の部下だからね!あ、ロッカーの下から泣き声が聞こえるぞ!けれどもうん。もう少しこのままだよ?勝手にボクを真人の婚約者にしちゃった事、ちゃんと反省するまではぜぇーったいに許さないんだから!!

遅くなりましたOTL

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