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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:魔王姫と姫騎士たちと女子力と
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魔王姫と姫騎士たちと女子力と2

「ジョシリョク?って、なんだそれ?」

「ごめん、聞いたボクが間違いだっ、あいたぁ!」


 ごちりとサンに頭を小突かれた。うん、サンは虎族で腕力がものすごい。小突かれたってレベルじゃなく痛いよ!


「まったく、失礼なこと言うからだろ。アタシだって女子なんだからな、女子。で、ジョシリョクってなんだ?」


 そこからだった!あれ?それじゃあ今ボクわかってないのに殴られたの!?


「よくわからんが馬鹿にされた気がしたからな!うん、仕方ない」

「仕方ないって、はぁ……」


 まったくもってサンは感がいいというか何というか……。いや、馬鹿にしてるつもりは全くないからね?そもそもボクが女子力が、な、ない、し……。


「うん、まったくもってわからん。それでジョシリョクって何だ?」

「つまるところは女の子らしさという事らしい。家事一般ができて可愛いものが好きで、おしゃれに気を使っていて可愛い物が好きとか?」

「ううん、家事、家事か……。親の手伝いはしてたからできねーことはねーが、オシャレっつーところが問題だな。ドレスも持っちゃいるが、母さんに丸投げして仕立ててもらったやつしかねーし」


 うん、ボクなんてドレスすら無いし。なんでかタキシードだよ、タキシード。父さまが、すまん間違えたって。ひどいよね?ひどくないかな!!


「さすがにそれは酷いな。てか一着もねーのか?」

「んー。一着はあるけど、それは母さまが結婚式のときにって用意してくれたドレスだからなぁ……」


 流石に気が早いとは思うんだけど、純白で宝石がキラキラとちりばめられたすっごくかわいい代物。うん、今の僕に似合うかはお察し……かな?


「まぁ、それはさておき、そのジョシリョク?ってのが無いとどうなるんだ?」

「婚期を逃す」

「ぶふぉ!は!?そ、そこまで重要なもんなのか、ジョシリョク」


 そう、そこまで重要なものなのだ。女の子らしさともいえる女子力は結婚に必須ともいえるもの、らしい。うん、ボクは圧倒的にないからヤバイかなって!そこんところサンはどうなの?


「か、可愛いものとか、あたしが持ってるとか思うか?」

「無いな」

「ねーよ!おい、どうすんだ!あれか?可愛いものをとりあえず身に着ければいいのか?マネでも背負えばいいのか?!」

「うん、ドワーフのマネッチアは確かに可愛いけど違うからね?というか、背負ってどうするのさ!」

「そんなのアタシが知るわけねーだろ!う、ううん、ここはやはり既婚者に聞くべきなのか?」


 姫騎士で既婚者、といえばルナエルフのミラさん。……けど、あれ?今は独り身って言ってたような……。


「独り身でも結婚はしてたんだから、少なからずアタシらよりジョシリョクは高いだろ、たぶん」

「まぁ、そうじゃないかなぁ、たぶん」

「お前ら、どうでもいいが、飲み物一杯でいつまでいるつもりだ。アフタヌーンティーもいいが、そろそろ働いてこいよ。というか、真人まだ帰ってこねーの?」


 食堂で駄弁(だべ)っていたら食堂の龍人のおっちゃんに文句を言われてしまった。

 うん、ごめんね。真人の奴まだ忙しいらしいよ?昨日あたりに過労死して帰ってきてたけど、そのまま待ち受けてたサテラさんに強制送還されてたし?


「あ、あいつ、いろんな意味で大丈夫なのか?」

「大丈夫だと思いますよ?真人だし」

「あー、うん、真人だし大丈夫だろうな」

「うん、大丈夫だろうなぁ……」


 謎の安心感があるからね。どうやってもどうあっても勇者だから死なないし?そもそも真人だから大丈夫だって。


「魔王を一人で倒してるしなぁ」

「うん、この前も大量の魔物を使役した化け物で一掃してた」

「聖剣の一撃ってマジぱなかったしなぁ……」


 大魔王城の誰もが認める実力をもち、料理、洗濯、裁縫が抜群にできて、可愛いもの好きで下着にまでおしゃれにも気を配っている。

 ん……あれ?これって……女子力!?ぼ、ボク、真人に負けてる!女子なのに!男子に!負けてるよ!!


「いや、アレと比べるのは間違ってるんじゃねーかな?可愛いもの好きというか小さい子好きだし?」

「あー、確かに。いちごとかロベリアとか小さい子をはべらせてるし」


 うんうんとボクらは頷きあう。そう、そうだよ。きっと女子力じゃ負けてない!……いまだに男と間違われたままだけど!


「まぁ、ぱっと見は……なぁ?」

「うん、細身の男子言われても違和感ないのあいたぁ!俺のしっぽ!しっぽを思いきり踏むんじゃあない!」

「ふんっだ!どーせ見た目は男の子だよ!胸も小さいし、おしりも薄いし、そ、そこまで、可愛く……」


 あ、あれ?自分で言ってて悲しくなってきたぞ!女子、女子だよね、ボク。うん、間違いなく女の子だよ!小さいけどしっかりとあるものはあるんだから!


「う、うん、そうだな。とりあえず、ミラさんにでも聞いてみるか。ジョシリョク」

「ぐす、そだね。ボク、いろいろともう心が折れそうだよ」


 結婚に必須ともいわれる女子力。ボクに身に着けることはできるんだろうか?できてほしいな!!

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