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遺言状


  息子へ


 この手紙を読んでいるということは、私の天命は尽きたのだろう。

 辺境の魔道士として生きた五十余年を幸せに思う。

 故郷を嫌って家を出たお前は、私が死んだだけでは戻ってこないだろうとも思う。

 しかし残念ながら、我が家に血気盛んな若者の気を引ける財産はない──


 という建前も今日までだ。

 

 この世の誰よりも強い力。

 黄金の財宝をも凌駕する、最高の魔力。

 それが手に入るとしたら、お前はどうする?


 

 みずからの死に際して秘密を明かそう。

 我が屋敷の地下室は、ダンジョンに通じている。

 あの小部屋…… 幼いお前が基礎魔法で壁を破壊した、青い壁紙の部屋だ(覚えていると信じたい)

 母さんが亡くなった直後なので、もう十八年も前になるのか。

 後始末をしようとした私は崩れた壁の奥に魔力の波動を感じ取った。掘り進めてみた所、それがダンジョンの一端だと気づいたのだ。


 そう、今なお多くの冒険者が探し求め彷徨っている、伝説の大迷宮だ。

 私はその発見をずっと秘してきた。いつの日か、たくましく成長したお前に挑戦する権利を託したいと。


 息子よ。ついにその時がやってきた。


 どうか父の思いを汲み故郷へ帰り、地下へ挑んで栄光を手にして欲しい。

 手紙が届く頃には私の葬儀は終わっているはずだ。静かなる土の下でお前を待っている。

 


   世を去った父より


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