生地屋にて
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ー翌日放課後ー
バイク屋の定休日、桜と楓と伊織は東京の新宿のとある店に来ていた。
「伊織先生、仕事終わったんですか?」
「だってかえちゃんとお出かけなんだよ?」
伊織先生は真顔で答えた。
「あっ(察し)」
私はこれ以上聞くと割と危ないかもと思い、スルーすることにした。
「それにしても、私、手芸屋さんに入るの初めてなんですよねぇ。」
そう、とある場所とは手芸屋のことだ。
実際に生地を触ってみたくなったから、ネットで調べた。
「そうなのか、私と伊織はたまに来るぞ、買いはしないが生地を眺めるのが好きでな。」
「そうだねぇ、かえちゃんが生地を触ってるとこ見るの、僕、好きだよ。」
「そうか。」
伊織先生、重いよ!そして相変わらず店長はスルースキルがスゴすぎる!!
「私はよく、伊織に服を作ってるんだ、こいつに頼まれてな。」
店長は伊織先生を指して言う。
「でも私らは普通の服作りしか知らない、コスプレ衣装はまたちょっと違うだろうし、だから、その本と一緒に、色々見てみようか。」
「分かりました!」
「ちなみにここはなぁ...!」
店長が珍しくニヤっとし、こう言った。
「造形用ボードという物があるらしい!!実に見るのが楽しみだっ!!」
??
造形用ボードって何だ?
「海川さん、『造形用ボードって何?』って顔だね、よし、ここは僕が説明しよう!」
「いや、お前じゃなくて店員に聞こう、さ、店に入るぞ!」
伊織先生はバッサリと切られ、落ち込む...と思いきや、
「さっすがかえちゃん!最高!最高だよ!それこそかえちゃんさ!」
と笑っていた。
「怖っっ!」
その発言に伊織先生はピクっとし、「普通の恋愛しかしていない子には分からないさ、僕の!この!愛の!素晴らしさが!」
大声で叫ぶ先生を見て、本当に怖いと思った。
店内に入ると、布だけではなく、コスプレ用のウィッグや、舞台メイク用品まで売っていて、私は目をキラキラと輝かせた。
色がたくさんあるウィッグ売り場はまさに圧巻だった。
「こういうお店、本当にあるんですね!すごい!」
私は店内を見ながらはしゃぐ。
「そうだろう?ここは本当にすごいんだ。この魅力にやられて、月に数回は着ているから、店員と仲がよくなったんだ、もちろん、伊織も知ってるぞ。」
へぇーー!すごい!
「いらっしゃいまー、あ、楓さん?」
すると、1人の若い女性店員が近づいてくる。
「おー!花!」
「紹介するな、この人は花、ここの店員だ。花、こいつは私の店のバイトでな、桜だ。コスプレを始めたいと相談されてな。」
「あらー、そうなんですか、桜さん、よろしくね。」
「花、ひとつ頼みたいことがあってな、こいつに造形用ボードというのを教えてやってほしい。」
店長がそう言うと、花さんは快く承諾してくれた。
「コホン、では説明させていただきます。
造形ボードはポリエチレン等の発砲素材で出来ていて、軽くて加工しやすいのが特徴です。熱で曲面加工ができるので、コスプレの武器や防具など、非常に様々な物が作れます。ちなみに、ツノなども作れますよ。造形ボードには種類があり、cosボード、アシストボード、などがあります。言っちゃえば、小物を作るための発砲スチロールみたいなものですね。」
「そんなこともできるんですね!勉強になりました!ありがとうございます!」
「さぁ、説明も終わったし、布を選ぼう!」
「覚えてはいるんだが、一応ルネーノ様の画像出してくれるか?」
私はスマホでルネーノ様の画像を出して店長に見せる。
「ふむ、そうか、やはりこの生地がいいな。ローン生地のパープルがいいな、うん、これだ、桜、触ってみろ。」
私は触るがいまいちよく分からないが、薄くて軽い生地だった。
「よし、これにしよう、とりあえず今日は、衣装に必要な分だけ買おう。ウィッグは後回しだ。」
「はい!」
「金は持ってきたな?」
「はい!ここにあります!」
銀行から下ろしてあるのだ。
「じゃあ、決まりだな。」
生地を買った帰り際
「桜、コスイベはいつなんだ?」
「あ、これに参加しようかと。」
「ふむふむ...えっ!?」
「あ、電車行っちゃう!さよなら!」
呆然とする2人を置いて桜は電車に乗ったのだった。
「かえちゃん...。」
「あぁ、これはまずいな。」
そう、2人が呆然とした理由は、そのコスイベまであと2週間しかないからだった!!
「かえちゃんはバイク修理の依頼入ってたよね?」
「伊織はテスト問題作らなきゃだよな?」
「...。」
2人は言葉も出なかった。
((間に合うのか!?))
一方、そんなことも知らない桜は
「衣装楽しみ〜」
と思っていた。
果たして間に合うのか!?
にしても桜、気づいてくれぇー!
応援よろしくお願いします!




