分からないことばかりだね~
「どうなってるの?これは・・・」
「分からない・・・」
私たちの目の前には、ひたすら黒い空間。
そして、そこからまるでこの先に道があると言うかの様に進んでいく人、そしてどこかから帰って来たと言う様に出てくる人。
テイルが言っていた街に着いた私達は、何か分かることがないかと思って降りてみた。テイルには外で待ってもらって、私とラムネちゃんの二人で街に入り、周りを見ても、誰一人気付く様子は無かった。確かに歩いているのに・・・なんでだろう?
歩いている途中で考え事をしていたからか、ちょっとした段差に躓いてしまい、壁にぶつかると思った直前にラムネちゃんが助けてくれた。
ありがとう、とお礼を言うと、恥ずかしがり屋モードだったから赤面していた。
それが可愛いのは今はおいておいて、おかしかった。
アルカンの柄は、確かに壁に当たったはずなのに、音がしなかった。
「・・・・・・」
「アカネ?」
壁を凝視する私を不思議そうに見るラムネちゃん。
一度、ラムネちゃんの目を見てまた壁に向き直り、ゆっくりと手を伸ばし、壁に触れると思った時
スル・・・
そこに何もないと言う様に手は壁をすり抜けた。
「ラムネちゃんも触ってみて?」
「うん」
隣に並んで、同じ様に手を伸ばし、やはり同じ様に壁をすり抜けた。
アルカンを抜いて、斬りつけてみても同じ。
「どうなってるんだろう?」
「分からない」
「・・・とりあえず、もう少し進んでみよう」
「うん」
アルカンを鞘に戻し、私たちはまた歩き出した。
その途中で、神に聞いてみようと思ったけど、コンタクトが取れなかった。こんなこと、今まで一度も無かったのに・・・分からないことばかりだ。
壁をすり抜けた後から、私たちは端に寄って歩かず、道の真ん中を歩くことにした。人が来る度に少しびっくりしたけど、草原の時と同じようにすり抜けた。歩くのが楽なのは良いけど、ちょっと心臓に悪い気がする・・・。
私はなんとか大丈夫だったけど、ラムネちゃんが気分が悪くなってしまったから、途中から抱っこして歩いた。
「大丈夫?」
「うん・・・ごめん、迷惑かけて」
「そんなこと思ってないよ。暫く寝てる?」
そう聞くと、疲れもあったのか、ラムネちゃんは直ぐに眠った。
アルカンをラムネちゃんに抱えるように持たせ、落ちないようにしっかり支えて、また歩き始めた。
アルカンの空間の中なら、少しはマシになるはずだ。夢の中にいるのと同じ様な感覚だし、遊ぶことも出来る。どんなことして遊んでるのかな?
鬼ごっこ?かくれんぼ?それともおままごとだったりして・・・帰ったら、鬼ごっこしようかな・・・。テイルに追いかけられたら逃げられない気がするけど・・・。
「・・・ん・・・アカネ・・・」
「ん?・・・寝言かな?」
私の話でもしてるのかな?
「好き」
「っ!」
とても柔らかく頬笑みながら、突然そんなことを言われたので、びっくりした。
「ぅ~///」
そんな可愛い顔して、そんなこと言わないでよ~・・・嬉しいけど。
ふう、とりあえず心臓が五月蠅い。
ある意味寝てくれて助かったかな?こんな赤い顔見られたくないし。
そのまま大体、三十分位歩いていると、道の先に黒い空間が見えて、その先に何も無いことを認識した途端、私は走り出してしまった。
その振動でラムネちゃんも起きてしまい、焦った様子の私を見て、どうしたのか聞いてきたから、先を見てとだけ言って、私は黒い所に向かって進み続けた。
そこに付くまでの道は、何故か長く感じられた。
「ラムネちゃん、少し下がってて?斬ってみる」
「うん」
降ろしたラムネちゃんからアルカンを受け取り、剣を抜いて黒い空間と向き合うと、アルカンが震えた。
「行くよ、アルカン」
応えるように、七色の輝きを放つアルカン。
「ハッ!」
一気に踏み込んで空間を斬ると
ズアアアアアア!
その裂け目から大量の闇が溢れてきた。
それは私とラムネちゃんに向かってくる。
まるで、私たちを敵と見なしたように。
「ラムネちゃん!」
「うん!入って!」
向かってくる闇を払いながらラムネちゃんが開いた空間の中に入り、なんとか無事に済んだ。
さて、どうしようか?




