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決着~私達の絆~


『何故分からぬのだ!人間等と居ればお主は必ず不幸になる!』


テイルとフレイム・ドラゴンはもう何度目か分からない程激突し、今は組み合っている状態になっている。そのままの状態でフレイム・ドラゴンがテイルにそう言った。


「ワタシはアカネとラムネがいればそれだけで幸せなんだ!」


『先も言ったであろう!奴等は何れお主よりも先に死ぬのだぞ!』


「そんなことは関係ない!」


『グぁ!』


フレイム・ドラゴンの言葉に反論してテイルは頭突きを繰り出し、それによってフレイム・ドラゴンは一瞬怯んだ。その隙にテイルは黒炎をぶつけ、その炎はフレイム・ドラゴンを包み込む。でもそれもほんの一瞬のことで、フレイム・ドラゴンは直ぐに炎を払って距離を取った。


『くっ・・・火を司る我に炎で傷を負わせるなど・・・』


「貴方には絶対に負けない」


テイルは力強く言った。明確な意思を込めて・・・。


「頑張れ・・・テイル」


勝って、3人で帰ろう?


やりたいこと、沢山あるから・・・。





『我とてお主に負ける訳にはいかぬ・・・他の者に示しが付かぬのでな』


「そんなことワタシには関係ない。ワタシは貴方に勝って2人と一緒に家へ帰る・・・それだけ」


『・・・お主がどれだけあの者達のことを思っていようと、あの者達の命が先に尽きるのは変えられぬ事実なのだ。それでもお主は・・・』


「さっきも言った。ワタシはアカネとラムネが居ればそれでいい・・・」


『そうか。ならば!』


「ガッ!」


フレイム・ドラゴンは一気に決着を付けることにしたのか急接近してテイルに攻撃した。それは諸にテイルの腹部に命中して今度はテイルが怯んだ。フレイム・ドラゴンはテイルの尻尾を掴み振り回してから地面に向かって投げつけた。


私達が居るのは岩場の端の方だから、落ちていくテイルは途中で見えなくなってしまった。フレイム・ドラゴンはテイルを追って自身も地面に向かって、急降下していく。その後、少しして地響きが聞こえてきた。おそらくテイルが地面に叩き付けられたんだと思う。あの状態から立て直すことが出来たとしても、そのことばかりに気を取られて迫っていたフレイム・ドラゴンに気付く余裕はなかったと思うから・・・。


『その程度で我に勝てると思っているのか!シャドー・ドラゴンの仔よ!』


フレイム・ドラゴンの声。


それからしばらく地上で戦っていたのか、姿は確認出来なかった。ひたすらぶつかり合うような音だけが聞こえてくる。その後どちらか分からないけど、羽ばたく音が聞こえた。先に飛び上がったのはテイルだった。そして、テイルをフレイム・ドラゴンが追い掛ける。


テイルは地上戦でダメージを負ったのか、動きがさっきよりも鈍っていた。まだ成体になったばかりなことも関係しているのかも知れないけど、それでも鈍い。これじゃ直ぐに追いつかれちゃう。


「私も・・・戦わな・・・・いと」


治癒魔法を掛けようとしても、私自身負ったダメージが大きいのかそれすらも出来ない。


こんなんじゃ・・・テイルとラムネちゃん。


2人と一緒に居ることなんて出来ないよ・・・もっと、強くならないと・・・。




ポタ・・・。


気が付くと私は涙を流していた。


涙は止め処なく溢れて来る。


「悔しいよ・・・テイルは・・・・頑張って・・るのに・・・・何も・・出来ない・・・」


声が震えているのが自分でもハッキリ分かる。


こんなにも涙を流したのは、多分初めてだ・・・私も一緒に戦いたいのに・・・。









ううん・・・泣いてる暇なんか無い。


泣く位なら怪我を治して戦うんだ。




「待ってて、テイル。直ぐに行くから」


痛む体を無視して治癒魔法を掛け、怪我を治す。完全に治すことは出来なかったけどフレイム・ドラゴンの攻撃を邪魔出来ればそれでいい。


「ラムネちゃんはここでゆっくりしてて?絶対に帰ってくるから・・・」


ラムネちゃんにも治癒魔法を掛け、結界を展開して炎から出て崖のギリギリの所に立ちアルカン構え、テイルの後ろから炎で攻撃しているフレイム・ドラゴンに向かって水を飛ばす。それでこっちに気が逸れたのか、攻撃を中止して私の方を向いた。


「テイル!私も一緒に戦うよ!だから絶対に勝とう!」


「アカネ・・・うん!」


『人間が・・・我等の戦いの邪魔をするな!』


「これ以上アカネ達は傷つけさせない!」


フレイム・ドラゴンが私に向かって炎で攻撃してこようとしたけどそれを飛んできたテイルが妨害し、その時に私が水を撃つ。


『グア!おのれ・・・小娘が!』


余り大きなダメージは与えられなかったかも知れないけど、当たれば十分だ。


「ワタシだって居るよ!」


『ガッ!』


私に意識が向いている間にテイルがフレイム・ドラゴンを叩き落とした。力に差があるからなのか、体制は直ぐに立て直されたけど少しでも注意が逸れれば私が攻撃する。


「どんどんいくよ!」


今度は連続で水を飛ばす。流石に全部を当てることは出来なかったけど2~3発当てることが出来た。更に追撃するけど


『く・・・小賢しい!』


フレイム・ドラゴンから発せられた熱気によってすべて蒸発してしまった。やっぱりまだまだ力は残ってるみたいだ。どうにかして大きな一発を当てないと・・・。


「テイル!」


「うん!」


テイルを呼んで背中に乗り距離を取る。


『燃え尽きろ!』


さっきよりは小さいけど十分な熱が込められた炎が向かってくる。それにテイルが炎をぶつけて何とか相殺した。発生した煙によってフレイム・ドラゴンの姿が確認出来なくなった。


『ガアアアアア!』


でもフレイム・ドラゴンは構わず炎で攻撃してきた。何とか躱したけど、その後も連続で攻撃してくるから、中々反撃出来ない。


暫くしてどこからでもお互いの姿が確認出来る位に煙が晴れ、今度は明確に狙ってくる。


「やっ!」


早さに重点を置いての攻撃だったからかアルカンで相殺できた。


『く・・・』


フレイム・ドラゴンは悔しそうに顔を歪めた。でも、もしかしたら今度こそ決着を付ける気なのかも知れない。私が精一杯の思いで相殺した炎の玉よりも更に大きい。






「テイル・・・私達も次で決めるよ?」


「うん・・・分かってる」


テイルは一気に距離を取り黒い炎を全身に纏った。


でも、その炎は私にとっては熱くなかった。


ありがとう。


私も魔力を集め水の刀を造る。


大きさはさっきよりは小さいけど、魔力を圧縮している分威力はさっきよりも高い。





『何をしようと無駄だ!これは絶対に防ぐことは出来ない!』



「防ぐつもりなんて無いよ・・・正面からぶつかっていく」


フレイム・ドラゴンには聞こえないように呟く。


『行くぞ!シャドー・ドラゴンの仔!そして七色の覇者よ!』


そういって最大の炎を放ってきた。大きさはかなりのモノなのに速さも十分ある。流石は火を司るドラゴンなだけはある。


「テイル!突っ込むよ!」


「うん!」


テイルは炎に向かって突っ込んでいき速さを上げていく。


「グアアアアアアアアア!!」


咆吼を上げながら轟音を立てて炎とぶつかる。


『飲み込まれるがいい!』


「負けるもんかアアアアアアアア!!」

――――ゴバァア!


「はああああああああ!!」


『何!』


炎を突き破った勢いのままフレイム・ドラゴンに向かっていきアルカンを振り下ろし


『グァアア!!』


右腕を斬り落とした。


アルカンをフレイム・ドラゴンの首元に添える。


「私とテイルの勝ちだよ?」


『・・・・・何故だ?何故人間などと共に戦える?お主がどれだけその者達を慕っていても、何れ別れが来るのだぞ?そうなればお主は・・・』


「ワタシはアカネとラムネが好き。だからこれからも一緒に居る。それだけ・・・」


「私は確かに人間で、ラムネちゃんは魔族で、貴方達龍族と比べたらちっぽけな命かも知れない。それでも私達はテイルと一緒に居るよ?テイルが大好きだから・・・この先もずっと」


『・・・・・・・・・その思いに偽り「無い」・・・そうか。ならば好きにするがいい。我はもうお主等には関わらぬ』


そう言ってフレイム・ドラゴンはどこかに飛び去っていった。その姿が見えなくなった途端私は体中の力が抜けて危うく落ちそうになったけど、テイルがキャッチしてくれた。


「ありがとう、テイル」


「・・・ラムネの所に戻ろうか?」


微笑みで答えてテイルはそう言った。


「そうだね。早く家に帰って怪我を治さないと」


それからラムネちゃんを背中に乗せて落ちないように私が支える。それから5の街の人目に付かないところで降ろして貰って影の中に入って貰う。それから家に戻ってラムネちゃんをベッドに寝かせてからもう一度治癒魔法を掛ける。大分治すことが出来たのか、ラムネちゃんの寝顔は安らかだった。


私も疲れたから装備を外して一緒にベッドに入り目を閉じる。


「アカネ・・・ずっと一緒にいようね?」


「当たり前だよ。テイルともラムネちゃんとも・・・ずっと一緒」


「うん」


「お休み。テイル、ラムネちゃん」


「お休み。アカネ、ラムネ」






「「大好きだよ」」






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