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The Best Youth 〜君と一緒に〜  作者: ダークキング


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The Best Youth 〜その先の未来へ〜

「おめでとう」

「おめでとうございます」

俺と直美が付き合い始めて、一年が過ぎた。

今日は卒業式。俺たちはそれぞれの道へ進むことになる。

俺は由里姉ちゃんや由佳姉ちゃんがいる会社へ就職しゅうしょく

麻衣子はこの町を出て料理の専門学校へ。

沙樹は陸上推薦りくじょうすいせんで県外の大学へ。

信夫は私立大学へ進学。

成美は海外へ留学りゅうがくする。

そして――直美はアルバイトをしながら、自分の道を探すらしい。

「直美、本当に大学行かないのか?」

「うん。大学に行ったら、光ちゃんと一緒にいられる時間減っちゃうし」

「相変わらず熱いねぇ」

「卒業したら同棲どうせいとか?」

からかう声に、直美は少し照れながら笑った。

「すぐには一緒に住まないよ。もう少し考えてからかな」

「まぁ、家近いしね」

「休みの日に会えるし」

「結婚式は呼べよ」

「ああ、もちろん」

軽口を叩きながらも、どこかさびしさが混じる。

「これから、みんなバラバラだな」

「そうだね……」

「でも、また会えるよ」

成美が笑う。

「長期休みとか、絶対集まろうよ」

「ああ、約束な」

それぞれがうなずく。

「じゃあ、俺たちは行くか」

「うん」

「デート?」

「デートだよ」

「相変わらずだな」

「じゃあな」

「またね」

少しあっさりした別れ。

でも、それが俺たちらしい。

「光司らしいな」

「うん。でも、あの二人なら大丈夫でしょ」

「ベストカップルだもんね」

「……さて、俺たちも行くか」

「そうだね」

「え?」

「?」

そのやり取りに、少しだけ空気が変わる。

「もしかして……」

かくしてたんだよ」

「ばれないようにね」

信夫と沙樹が、照れくさそうに笑った。

あの数日後、沙樹が告白の返事をし、付き合い始めていた。

「お見事」

「カップル二組か」

「私たちも頑張らないとね」

「そうだね」

それぞれの未来へ、少しずつ歩き出していく。


その頃、俺たちは――

「光ちゃん」

「どうした?」

春の風が、少しだけあたたかい。

「いつから、私のこと好きだったの?」

「中学の途中くらいかな」

「どのタイミング?」

「中二の夏休み。みんなでプール行った時に、無邪気むじゃきに笑う直美を見て、"いい笑顔だなぁ"って思ったこと覚えてる」

「あの時か……」

「直美は?」

「私はね……幼稚園に入る前から」

「そんな前からかよ」

「私の肩にバッタが止まって泣いてる私を見て、直美をいじめるなってバッタを投げてたとき」

「……悪い、覚えてない」

「私にとっては大切な思い出。その後手をつないで帰ったんだよ」

そう言いながら手を繋いでくる直美。

少しだけ照れた笑顔。

「そうだったのか……長いこと待たせたな」

「ううん」

直美は、ゆっくり首をった。

「今こうして一緒にいられるだけで、十分幸せだから」

その言葉に、胸が少し熱くなる。

「これからも、よろしくな」

「うん。こちらこそ」

並んで歩く帰り道。

なんでもない高校生活。

二年前はそう思っていた。

まさかこんなにも最高の青春を過ごせるなんて。

少し先の未来なんて、誰にも分からない。

でも――

隣に直美がいるなら、それでいいと思えた。

俺と直美の人生は、まだ始まったばかりだ。

これから先、どんなことがあっても。

――きっと、大丈夫だ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

15年以上に書いた作品なので、ジェネレーションギャップがあるかもしれませんが、楽しんでいただけたなら幸いです。

次回作は現在執筆中なので、もうしばらくかかりそうですが、次回作もまた読んでいただけると幸いです。

ご愛読ありがとうございました。


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