0007 鉄の世界7
ジュナは流れていくモンスターを自動筆紙に書き、蒲公英に覚えさせ、殺していった。
「オレは戦えないから。」
ロクは植物の中にいてくれる。
それだけでジュナは良かった。
「それにしても、牢にいる人って、カッコいいのね。」
ロクは黒髪黒眼でものすごいカッコよかった。
「もっと、怖い人かと思ったわ。優しそうな人じゃない。」
「聞こえてるぞ。」
「あー、ごめんごめん。で、なんだっけ?」
「一降り、剣が欲しい。」
「アイアイサー!」
剣士だったとは、とジュナはスマホを出して、母にチャットした。
繋がらない、しかも、その電話番号がない。
「え?」
またやってみた、ごめんねと打って。しかし、電話番号はなかった。
「どうした?」
「あなた・・・。」
「何してる?」
「何なの?」
ジュナは怒った。
「本当に何者なの?」
ロクはタメ息をついて言った。
「魔王を屠る者だが。」
「・・・魔王?!!!」
魔王。
それは、なによりも人を殺し、なによりも田畑を荒れさせ、異端とされる、巨大バケモノ。
その腕一降りで人を数百人殺し、その魔法で人を数千人殺すモンスター中のモンスター。
しかも、その体はすごくでかい。
「オレが魔王を殺せるのは、人類中の極秘事項だからだ。」
「それじゃあ、英雄じゃない?!なんで、牢屋なんかにいたのよ?!」
「オレが心理的に変わるのを恐れてるんだ。」
「って!そんなに強いの?!」
「リミッターが外れればな。それも人の手だ。しかし、おまえはよくやってくれた。」
ロクは植物の上に立った。
「これで、100年ぶりにお酒くらいはあじわえるよ。」
地上に倒れるように、落ちていった。




