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馬車の行き先

辺りはやっぱり夜だったんだけど、それでも僕には眩しく感じられたんだ。


「何遍乗り換えりゃ気が済むんだよ」


僕は月明かりに照らされた彼の鼻を見つけるのに夢中だったんだ。


でもね。


すぐに彼は視界から消えてしまった。


鈍い音がしたんだ。


豚っ鼻になんかが打ち込まれたんだな。


僕は呆然としていたんだけど、固いもので肩を二三度叩かれた。


勿論すかさず身を屈めたさ。


でもね。


僕には何にも打ち込まれなかった。


それで恐る恐る顔を上げると、ユダも、ジェラールも、鼻を押さえたエゴールだってそそくさと立ち上がっているんだよ。


僕はつられて立ち上がろうとしたんだけど、なんせ当も昔にお尻の感覚がなくなっていたもんだから、うまくいかなくってさ。


足を縺れさせてしまったんだ。


僕は、ユダに凭れ掛かってしまった。


恐らく、反対側に倒れこんでいたら、僕の鼻にも一発お見舞いされていたところだったんだ。


だってそこには、銃剣を持った黒尽くめの人物がたっていたんだもの。


及び腰の僕を尻目に、黒尽くめの人物は銃剣と一緒に顎をしゃくって見せ、そのまま荷台から出て行った。


「危なかったな。もうちょっとでおまえもエゴールと同じ目にあっていたぜ?」


ユダが僕を抱き上げながら言った。


僕は足を揉みながら立ち上がったんだ。


「あいつら一体、何なのさ」


僕は震えながらそういった。


それでも、あいつらには一言だって話しかけちゃいけないんだってことはわかっていたね。


そんなことより、僕は血が垂れ流しになったエゴールの鼻のことばっかりが気になっていた。





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