イベントシナリオ『悲哀は誰が為』8
龍の翼を持って、私は戦場に舞い降りた。
なるべく他の人の邪魔にならないように人の少ない場所に立っておく。
あらゆるプレイヤーの視線を集めながら私は魔力を練り上げる。
魔力とは、本来MPであるがエリアにあるMPはMPではなく『魔力』という別システムの扱いだ。
MPとは個人に適合した『魔力』であり、万物の根源たるエネルギーだ。
魔力は周囲に存在する生命の根源であり、遥か昔から存在する力。
適合したMPをさらに都合よく変換したのが『スキル』や『魔術』、『固有術』ね。
ならば、私のMPを逆に魔力に変換することもできるんじゃないか?
MPより、魔力のほうがスキルを使うときの消費もないみたいだし、私のMPを魔力という別のパラメーターにできないのだろうか?
まずはやってみよう。
内部にある私のMPを取り出す。私の胸のあたりに黒い水晶が出現し、多大な『MP』が込められている事がわかる。
血管などはないはずなのに、確かに拍動を行い、周囲に濃密なMPを放出している。
こうして取り出しているだけでも私のMPを消費し続けてるみたいだ。早めにやらないと失敗するね。
黒く、禍々しいオーラを放つ水晶と、周囲にある透き通る魔力へ変換を開始する。
自身の水晶に、外部の魔力を取り込み、最適化を開始した。
例えるなら、墨汁しか入ってないペットボトルに、水を注ぎこんで純粋な水に変えるって感じかな。
禍々しいオーラが徐々に薄く、それでいて魔力自体はより濃く、濃密に変化する。
過去一番の集中力を使い、繊細な操作を行っていく。
周囲のプレイヤーの怒号や罵声はすべてシャットアウトしておく。
やがて水晶が無色透明となり、周囲の光を反射して輝いている。
綺麗だ、と思う暇もなく、水晶の外側に龍のような紋章が刻まれる。
内部には影響ないみたいだし、放置しよう。
再び水晶を私の中に戻していく。水晶を取り込み終えた後、インフォが鳴る。
『プレイヤー名エルゼが『魔力適合』を全プレイヤーの中で初めて成功させました。これは全プレイヤーに通知が行われます。『魔力適合』により、MPが消失します。パラメーター『魔力許容量』と『変換力』に変更されます。『魔力適合』の結果、プレイヤー名エルゼの魔力適性が判別されました。適性『龍』、『呪』、『霊』、『魔』、『武』です。』
めっちゃ変わったね。変更を確認しておかないと。
ステータスを表示する。
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ステータス
名 《エルゼ》
称号《流浪の旅人》《魔族の友人》《魔族の友人》《従魔を持ちし者》《精霊の契約者》《魔族の友人》《術の開発者》《絆を繋げし者》《神に反する者》《龍喰らい》《呪詛の女王》
HP 2190/2190
魔力適性 『龍』『呪』『霊』『魔』『武』
魔力許容量 6000/6000
変換力 1300
力 2023
敏捷 3012
防御 1200
信仰 0
運 100
SP 330
種族 龍血呪帝
ユニークスキル 『生命神樹』
種族スキル 『呪帝の軍勢』『呪帝の血肉』『龍血魔体』『呪龍天鱗』
スキル 『日光克服』『錬金術』『剣術』『鑑定』『時間魔術』『超感覚』『音響魔術』『荒野の音色』
『魔力制御』
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めっちゃ強くなってない?さすがユニーク種族。
戦闘もできるしサポートもできるいいバランスしてる!やったね!
ステータス確認も終わったし、乙姫に喧嘩売るか!
大きく息を吸い込み、叫ぶ。
「プレイヤー達よ!今からバフを掛けてやる!心して受けろ!」
翼を広げ、空中に飛び立つ。乙姫の頭より少し高い場所で止まり、魔力を練り上げる。
使うのは『呪帝の軍勢』。味方が最低百人以上居ないと使えないレイド戦専用スキル。
効果は大多数に対して特定の効果を付与するバフ。これがあれば勝てる!
「まずはムッツリきなこだ!我が盟友であるムッツリきなこに『龍剣王』のクラスを与える!」
私の体から魔力が飛び出し、ムッツリきなこの体内に侵入する。
『龍剣王』は一人にしか付与できない代わりに、あらゆる戦闘行動にバフをかけるってやつね。
バフの効果も最大級だからめっちゃ強いよ。
次はフラウさんかな。
「次にフラウ!我が戦友たるフラウに『呪歌姫』のクラスを与える!!」
フラウさんには『呪歌姫』というデバフとサポート行動に最高のバフをかけるクラスを与えた。
これも一人しか付与できない代わりに効果が高いやつ。
次はいい働きしてたプレイヤーかな。
「タンク部隊のナックルバード、レオニス、社畜マン、ロメン!汝らに『呪騎士』を与える!」
『呪騎士』は防御と攻撃にバフをかけるクラス。デバフやバフにはサポートはかからない。
このクラスは500人まで。
などなどのクラスをプレイヤー全員に与えた。大体はそこまでバフは乗らないけど無いよりマシな『呪兵士』だけどね。
盤面は整った。後は私達の気力と戦闘力だけだ。
戦闘、再開だ!




