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奇奇怪怪  作者: 菜園すず
39/42

ニュース 2

リビングに降りてテレビを点ける


明るい音楽が流れ、画面には「モーニング・フラッシュ」の文字


キャスターの女性が笑顔でカメラに向かう


「おはようございます、モーニング・フラッシュのお時間です」


ニュース番組が始まる


「さて、今、全国的に問題となってきている人影騒動…」


適当な食べ物を冷蔵庫から漁りながら、横目でテレビを見つつ、食パンをトースターに放り込む


「今日は科学捜査研究所から、映像解析の専門家・新城さんにお越しいただきました」


カメラが横にパンし、スーツ姿の男が軽く会釈する


「よろしくお願いします」


キャスターがタブレットを手に、例の人影の映像をスタジオの大型モニターに映し出す


「こちらが、先日SNSで拡散された映像です

新城さん、この人影…何なんでしょう?」


新城はモニターを見つめながら、落ち着いた声で答える


「現時点では断定できませんが──

影の動きには、明確なパターンが確認されています」


スタジオが一瞬だけ静まる


キャスターが驚いたように眉を上げる


「パターン…ですか?」


新城は頷き、モニターに映る波形グラフを指す


「複数の映像を比較したところ、影の揺らぎがランダムではなく、一定の周期で繰り返されているんです

これは自然現象では、やや説明が難しい特徴です」


男性キャスターが興味深そうに身を乗り出す


「ということは…AIの誤認識とか、そういう可能性もあるんでしょうか?」


新城は一瞬渋い顔をするも、目を開く


「AI解析でも異常値が出ていますが、誤認識と断定するには情報が足りません

ただ──影にパターンがある、という点だけは確かです」


スタジオの空気が少しだけ重くなったよう


キャスターが笑顔を作りながら締める


「なるほど…まだまだ謎が多いということですね」



たまに音を外して、何度かやり直しをする音楽教師の、音楽の授業

今日も順調に音を外しつつも、ピアノを奏でていた


声楽テストの順番待ちの間、俺は「魔王」の歌詞を何度も目で追いながら、ドイツ語の暗記を必死でしていたが、その中でも、影の話題は止まらない


「パターンがあるってよ

やっぱAIじゃん、アルゴリズムだよ」


得意げに言う男子


すぐに、得意げに言った男子の隣にいた男子が反論する


「パターン=監視だよ

絶対、政府の陰謀だって」


男子は声を上げて笑う


「お前、陰謀論好きすぎ」


「お前はAI信じすぎ」


少しだけふくよかで、若い音楽教師が、ため息まじりで注意する


「あなたたち

お喋りしてないで、覚える事に集中!」


「はーい」



昼休み

屋上でフェンスを掴みながら、築地さんは遠くを見つめている


「パターンって…どうやって解析したんだろう

人影って、もっと…こう、曖昧なものだと思ってたけど

でももし…自然現象じゃないのだとしたら…それはそれで怖い

阿部くんは…どう思う?」


どう思う…って言われても…


視線をそらし、曖昧に応える


「俺には…よく分からない」


「そっか…

だよね…」

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