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自由とは孤独

氷魔術は成功したが、あからさまに使用できない魔道具だと考えられる。


人前で使ったら、この珍しい魔道具を奪おうとする輩が必ず現れるに違いあるまい。


技術の秘蔵は可能だと思う。アタシの土魔法は魔石の中に正確に極小文字で彫刻することも出来るのである。これは文字のサイズが魔道具の優劣を決めるわけではないと、何個かの魔石によって証明出来ているからである。

更に図形は無視されるようだ、魔方陣とかは意味をなさないらしい。もしかしたら魔方陣は特殊な図形によるものだけかもしれないが。


意味の無い図形を描き一ヶ所極小文字で漢字を書けば中々気がつけるものではない。葉を隠すなら森である。


もっと簡単に分からないようにするなら、表面を傷だらけにすれば中に書かれている文字は読めない。


秘蔵の方法はたくさん思い付くけど、人前で使っても問題をなくす方法は一つしか思い付かない。


情報を公開して少なくとも金を出せば誰もが入手出来るようにすることだけだ。



商人ギルドで遠回しに相談してみるしかないかな。


暫くはこっそり楽しもう。


倒木に座り、ジョッキサイズのコップを造る。氷を出して水を出す。


飲んでみると冷たい。よく冷えた水は格別である。


氷を使って冷やしたアイス紅茶とかアイス珈琲とか飲みたいものである。



魔術の可能性として電気やカミナリの魔道具が作れるのでないだろうか。


目指すところはスタンガンである。


これがあれば殺すことなく人を無力化出来る。


けど、ゴムみたいな非導電物質が無いとアタシも感電してしまいそうだ。


天然ゴムでもあれば良いけど。



そんな事を実験しながら一日が過ぎた。




翌朝、昨夜の実験の成果によって、軽々とソリを引くことが出来た。


ソリのブレードに『滑』と彫刻した魔石を埋め込んだことによりソリ自体が魔道具となっている。



よく滑ってくれるので、一度動き始めれば、ほとんど力が必要ない。


これも知られたらかなりヤバそうなので、役目を終えたら解体する必要がありそうだ。


小さいとはいえ、ソリで森の中を進めないので、草原を移動する。


とうぜん急いで知らせる必要のある内容では無いのでゆっくり歩きである。


途中休憩する度に土魔法で魔石の実験もしていたら、とうとう融合することが可能になった。


とうとうと言っているが、土魔法で普通に融合できてしまった。


直径四センチ程の魔石を二個お尻の下に置き、混ざり合うイメージをして土魔法を発動しただけである。


その結果、直径五センチ程の魔石が出来たので、体積はほとんど変わらないのだなぁと、球の体積を求める公式から導いた答えとほぼ同じ事に満足した。

あのサイコロと同じ様に圧縮も可能かもしれないけどね。


融合した結果、彫刻した図形や漢字やキズはすべてなくなり、まっさらな魔石となった。


魔石のリセット方が出来たのは嬉しいが、耐久はどうなったのであろう。


試しに小さな魔石に『炎出炎止』と書いて魔術を使った。『火』系の魔術はすこぶる燃費が悪いからだ。


落ちてる小枝を拾いそこから魔力を流し発動させる。


小枝の先は燃え立ち上がった炎で一瞬で灰になった。


炎も一瞬で消えている。


短くなった小枝を捨てて長い枝で同じことをする。


発動した魔力量ではなく、回数だったら無駄な魔力を消費したことになるが、二十回目に変色しはじめて、二十五回目で砂になった。


砂になるまで、とうぜん鑑定していたので、これである程度は、魔石の寿命がわかるはず。


炎の魔術は消費が激しすぎる、なんとか魔力が足りたが、ギリギリだ。



魔力の使いすぎで疲れたので、今日はこのままここで休むことにしよう。



やっぱり一人旅は自由気ままだ、楽で良いな。

好きな時に休んで、好きな時にご飯を食べて、好きな風に歩いて、好きに寄り道して、好きに立ち止まり、好きに実験できるの。




でも話し相手が居ないのは、ちょっと寂しいかな。







翌朝、再び砦に向かって歩き出す。


砦に戻る理由はいくつかある、だからと言って必ずアタシでないと駄目かと言えば、そんな事はないはずだ。

アタシではない誰かがあの惨状を見て想像して報告する。早いか遅いか時間だけの問題である。



ここに戻るだけでも2回冒険者とすれ違っている。


ほとんどの冒険者は草原を歩く。森から突然襲撃されないようにだ。アタシは森の近くの方がどちらかと言えば安心できるので、すれ違ったと言っても。一方的にアタシが見ただけである。


振動感知の範囲外であるから、誰か知っている人だったとしても分からない。


きっとあの冒険者達が野営地を見て報告する事になると思うと、砦に向かう足が鈍くなる。


残り一日の距離になった時に、これ以上歩く気がなくなってしまったので森の木を背に座り込んでしまった。



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