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治療薬の効果

ギルドの受付で、薬草を換金してから、ロビーで一人待っている間、回復包帯の事を考えていた。


一人、旅をしていた時は、怪我している人がいたところで、普通の包帯で応急処置すれば、いさかいなくこと足りると考えていたが、知り合いが怪我で動けない状況で回復する方法があるのに、使わない冷たい対応なんてアタシには出来ないことが解ってしまったからだ。



全てを隠して回復包帯を説明することは出来ないのがつらい。


この世界の治療魔法は、どの属性にもあるが効果が弱く応急処置レベルだ、満足な効果を得ようとすると修行を積んだ高位の神官にしか使えない。


薬草を調合した傷薬は、止血効果が高いが傷口が塞がるわけではなく。回復薬は、新陳代謝を高めて傷の治りを早めるだけだ。


したがって一般的に、この世界でも怪我の治療には数日かかってしまう。


アタシの回復包帯以上に効果の高い薬も存在はしているが、調合の材料が希少なため金貨何枚とかのレベルになってしまうらしい。


どう考えても、能力がバレたら、誘拐、監禁された上、回復包帯製造マシーンにされてしまう未来しか思い描けない。



「実はアタシ高位の神官で、祖のスキルで包帯にエンチャット♪するとあら不思議なんと治療が出来ちゃうの(てへ)」以外に思いつかないけど、治療魔法ってどんなのかも知らないからすぐにバレそうだ。


他に良い案はないか頭を悩ませていたら、支店長とアランさん達が出てきた。


アランさんは、アタシに近づくと「ごめん。隠しきれなかった」と言う。


それを聞いて真っ青になったアタシを、支店長がにこやかに手招きしていた。






結論から言うと、回復包帯の事はアランさん達にもバレていなかった。


世の中には聖水と呼ばれる治療水があり、飲んでよし、傷口にかけてもよしという優れた力を発揮すると言う。ただ高位の僧侶や神官が何日も祈りをそそぐ事によって出来るので、お値段は若干高めの小瓶一つで銀貨十枚。




あのとき愕然としていたのは、先日別れたばかりのアタシが、そんな高価な聖水を、わざわざ包帯に染み込ませて治療に使っていたからだった。



きっとマッキーさんは効能を聞いて聖水を買ったけど。

使い方を知らなくて、包帯に染み込ませて使うことを思い付いたのだと。

意気揚々と治療をしていたけど、みんなの表情を見て使い方が違うことがわかり。

子供らしく言い訳をしようとしていたから、間違いは恥ずかしいだろうから、見なかったことにしたと、言うことらしい。


確かに無知の振りをしていたけど、アタシってどんだけ無知だと思われていたのかしら。



隠しきれなかった内容は、アタシの戦闘能力。


撤退戦の果てにアランさん達は武器を無くし丸腰の上、護衛のアタシの武器はホウキだ。


そんな状況でどうやって帰還できたのか疑問に思われたそうだ。


マッキーさんがホウキを振り回して追い払ってくれたと嘘を付かない程度で話したそうだ。


通りで、支店長の話がおかしな事になっていたと思っていたが合点がいった。



手招きで呼ばれたので、あの言い訳をしようと口を開きかけたら、いきなり頭を撫でられて、

「ゴブリンをホウキで追い払うなんて嬢ちゃんすごいな。真っ青な顔をして今になってぶるったか?ガッハッハ。

若い頃はそうやって経験して強くなっていくんだ。今日の指名依頼は受注前だったからペナルティーは無いぞ。ゆっくり休んで明日からまた頼むぞ。

お疲れ様。」だった。



どうやら、お転婆娘だと思われたらしい。



思わず、へなへなと、その場で膝を崩してしまい座り込んだら。


「アラン達を救った英雄がだらしないぞ、しっかりしろ」と激を飛ばされてしまった。



アランさん達は、宿の前に治療院に行ってくると言うので、ギルドを出てから別れた。


アタシは宿に戻り、夕飯を食べて部屋にいる。


アランさん達は今頃、治療院に行くと言いながらも、仲間を悼んで酒を飲みながら泣いているのではないかとリアルな妄想をしてしまった。




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