魔道具ってまさか
喧嘩が終わるまで待っていたら、すっかり暗くなってしまった。
両パーティ実力伯仲だから、いつも牽制しあっていて、よく喧嘩しているらしい。でも仲が悪い訳ではなく。共闘することも少なくないと言うから良くわからない。
俗に言う、喧嘩するほど仲が良いって奴らしい。
暗い夜道だが家の中から漏れる明かりは眩しい。
昨日、宿屋の親父に聞いたが、これは明かりの魔道具を使っているからなんだって。
喧嘩終了待ちしているときに、受付さんに聞いたのだけど。
魔物から取れた魔石を加工し光の魔術を付加することによって、明かりを点けたり消したりする事が出来るから暗い夜も安心。
水の魔術を付加すれば水が、風の魔術を付加すれば風が出るし、火の魔術を付加すれば、火付け用に使えると言うから。
アタシの能力『お尻から火』よりも使えるじゃないかと悲しくなった。
魔石は使わない間、魔力を蓄える性質を持っているので使い捨てと言う訳ではなく、何度も繰り返し使える便利な道具と言うことだけど。
でも使っていく内に劣化していき、限界になると砂になってしまうらしい。
宿についてから夕飯を食べて部屋に戻り、何気に照明を見てみると、何かが描かれている。
これが加工なのかな?と思って良くみてみると、型崩れしている上、バランスが悪いが『光点光消』と漢字で彫ってあった。
久しぶりに見る漢字に、つい感嘆の声をあげてしまったが、どう言うことなんだろう?
漢字って象形文字だよね。
象形文字って、見たままを文字にしているから、読めなくてもイメージで分かる文字なんだよね。
だから異世界にも、似た文字があるだけなのかもしれないけど、照明に書かれた三文字が全て偶然の一致で似た文字になるなんて、どれだけの確率なのか。
明日は、魔法付加について図書室で調べてみよう。
そして翌日、宿屋で朝御飯を食べてからギルドで、依頼を受けてきた。
今日の依頼は、ネズミ駆除。
さっくりと終わらせて昼過ぎから図書室で、のんびり読書をして過ごした。
魔術付加に関した書籍は多数あったが、殆どが完成品の使い方や応用方法のみ。
材料については、書かれている書籍があったのだが、作り方に関しては図を刻み魔力を通すとしか書かれていなかった。
しかも、その図も見つからない。
図書室の司書にも聞いたが、セントラル王国が技術を秘蔵しているため、専門書や技術書は無いとのことだった。
型崩れしている漢字が気になったが、無いならしかたがない。
実物を良く見せてもらおうと魔道具屋さんにむかった。




