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始まりの物語

遥か昔、神がまだ人と交わりを持っていた頃、天界から、イクーリア・フィシュス・ラデュルという三神が七つの大陸のほぼ中央に位置するドノーエ大陸にそれぞれ人の子としてこの世に誕生した。


イクーリアはドノーエ大陸の西側のラミド地方に、フィシュスはドノーエ大陸の東側に北南に連なるルーノベ大陸の山岳地帯のバルデ地方に、ラデュルはドノーエ大陸の北部、東西に連なるイレド山脈の北側のギロダ地方に、彼らはそれぞれ成長とともに自らの城を築き、無法地帯をそれぞれ治め、王として互いの領土を治め、人々を幸せへと導いていた。


彼らは、それぞれ自分の定めを記憶しており、神としての偉大な力を持つ石をそれぞれ持っていた。

その石は、神である証と、天へと戻るための鍵でもあった。そして、その生涯を人として全うしたその後に、共に再び天界へと戻るはずだった。



しかし、特にラデュルの収治めるギロダ地方は人々の心の闇が大きく、天の力を持つ彼でさえ、全ての人々を闇の暗闇から救うのは困難を極めた。


やがて人々の心の闇を吸収しすぎた三神の一人であるでラデュルがある時を境に、自らが闇の王と変貌してしまった。


ラデュルはドノーエ大陸の北部に東西に連なるイレド山脈のほぼ中央付近を北から南へと大陸を分断する形で流れるネルーミ川の東側の山間にあるカタルスという土地に昔からあった聖なる湖ギュース湖の真ん中に大きな城を築いた。


多くの奴隷を集めては人々の自由を奪い、ドノーエ大陸の北に位置するギロダ地方の地下に巨大な闇の空間を建設させ、そして己の力を使い、永遠の地獄という、闇の空間を作りだし、そこに君臨しようとしていた。太陽がさしこまないその場所は、人々の心を腐敗させていった。

それはゆっくりとドノーエ大陸全土にまで広がろうとしていた。



人々は互いにいがみあい、憎しみあい、争いを続けていた。

見かねた他の二神は、自らの力を使い、彼をその宮殿に封印することに成功したのだった。

二神はラデュルを封印した宮殿をギュース湖の底に沈め、彼の魂の浄化を祈った。


それですべてが元に戻るはずだった。だが、それ以来その場所であるカタルスは太陽がめったに差し込むことのない霧の聖域となってしまった。


封印されたラデュルの子孫たちは、彼の復活を信じ、彼が誕生した地であるギロダの土地に国を築き、彼を神として崇めていくことを選び、独自の文化を築いていった。


ただ、ラデュルの妻だけは、彼の封印後、彼女のその後の生涯を知る者はいなかった。

人々は口々に囁いた。彼女は愛するラデュルの復活を願い永遠の眠りについたのだと。



やがて時は流れ、ドノーエ大陸には表面上の平安が戻り、争いは終息を迎えたが、完全に消えることはなかった。


それは封印されたラデュルの怨念がまだこの地にさまよっているのだと人々は噂しあった。  

彼を封印したイクーリアとフィシュスだったが、二人の悲しみは癒えることはなく、彼らはその後の人生で、再び笑顔をとり戻すことはなかった。


そして不思議なことに、ラデュルを封印した瞬間から、二人の姿は幼い子どもの姿になってしまい、大人の姿に戻ることはなかった。


それでも二人は人々の心に安らぎと平安を与えつづけるために、ドノーエ大陸の中央にラールノダという国を築き、一つ目の宝を残したとされている。二人の神は人としての生涯を閉じるまでに後二つの宝をこの世に残し、人としての生涯を閉じようとした時

彼らは、天界へと帰ることを拒絶した。


イクーリア神はドノーエ大陸の西側にあるスシュル湖に、フィシュス神は西の端にあるバルデ城の

それぞれのお気に入りの場所でその生涯を閉じ、長い時が過ぎた今でもそこにあり続けて

人々から神とあがめられ、それぞれの場所で存在し続ける選択肢を選んだ。



それから幾度となく季節が巡り、気の遠くなる時間の流れが過ぎ、人々の記憶からこの悲劇は歴史の影に姿を消し、ドノーエ大陸には三神が今もそれぞれの場所で崇められ、多くの人々が生き、そして死に、国が栄えては滅び、人々は変わらず命の営みと争いとを繰り返していった。


そして新たな伝説が生まれた。






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