story No.6
「梨子ー!梨子ー!起きて!大変!!」
『何よ、朝から…』
まだ、寝ていた私は不機嫌だ。
「今日ゴミ当番しょ?」
『あっ、忘れてた』
「で、ゴミステーション行ったの。
そしたら、きょっきょっ恭ピーがいたの!!!」
『…えー!?何で?』
「知らないわよっ。今日はね、708号室と709号室の人がゴミ当番なんだけど。って、ことは梨子の家の隣の人って…藤崎恭平ー!?」
『バレたか…』
「バレた?どういうこと?
まさか、梨子知ってたの?」
『…うん』
「キャー!嘘でしょ?」
恐る恐るゴミステーションへ行くと
そこには藤崎君が立っていた。
「おはよう。ごめん、バレちゃったみたい」
『うん』
私は苦笑いをした。
「おはよう。君が愛美ちゃんだね。話は聞いてる。よろしくね」
「きょっ恭ピー!本物ですか?kiss-jの?」
「まあね」
藤崎君は笑った。
「うそっ。夢みたい!こんなことって??あの…優さまは?優さまはいないんですか?」
『ちょっと、愛美。図々しいわよ』
「いいよ梨子ちゃん。今晩来る予定だけど。今度のコンサートの打ち合わせするからメンバー全員来るんだ」
「えっ、kiss-j全員ですか!?」
「うん」
「どうしよう…」
『愛美は関係ないでしょ』
「でも、だって隣に隣に優さまがっ!梨子えらいところに住んでるわねー」
ふと時計を見ると8:20だった。
『ヤバッ、もう、行かなきゃ。愛美、藤崎君に変なこと言うんじゃないよっ。じゃっ』
愛美より早く出勤する私は会社へ向かった。
「帰りましょうか。もう8:00過ぎたし」
「そうだね。あのさ、梨子ちゃんってどんな人?」
「えっ?…そうですね。わたしのお姉ちゃんみたいです。しっかりしてて、真面目で頭もいいしキレイだし…なんでも出来ます」
「そうなんだ」
「なのに梨子、男だけいないんですよ」
愛美は笑って言った。
「あのさ、俺、梨子ちゃん好きなんだ」
「…はっ?」
「告白したんだけど、答えだしてくれなくて。そりゃそうだよね。芸能人と恋愛なんて。週刊紙とか、事務所に気を使うもんね」
藤崎君は愛美に、今までの私と藤崎君の関係を話した。
酔ったところから、ごはんを食べたことも。
愛美と会社で会ったときは妙にニヤニヤしていた。
「白石!」
「はい、部長」
「今度のメンズ向け化粧品の開発は君の部署が担当になったから。そして、企画リーダーは君、白石梨子だ。バンザーイ」
『えっ?ちょっと待ってください。私たちの部署には女性しかいません。メンズ担当させるなら、開発部の方が適しています。男性もいますし』
「開発部は今、ハーブの化粧品開発で忙しいんだよ。なんせ、ライバル社のマキシマムがハーブを全面に出し始めたからな。もし、白石のメンズ化粧品企画が上手くいけば、フェアリーはヨーロッパに進出できる大チャンスだ。白石も昇進出来るし。期待してるよ、企画リーダー。じゃっ!」
『ちょっ、部長ー!』
困ったことに、なった。
問題は山積みだ。
昇進はうれしいけど、メンズなんて自身ないし…
帰宅すると愛美が晩ごはんを用意していた。
「大下部長から聞いたわよ。企画リーダーなんてすごいじゃない」
『でも、メンズなのよ!?うちの部署、女しかいないのに』
「あー、じゃあkiss-jに聞けば?どんな化粧品欲しいですか?って。アイドルだから、色々と悩みあると思うわよ~」
『…それだっ!!』
「えっ?ガチで受け止められちゃった?ジョークのつもりだったんだけど…」
『いや、それめっちゃいい!もし、気に入ったのが出来れば使ってくれるでしょ?そしたら凄い宣伝効果よ!!それに、今日メンバー全員集まるって言ってたわよね?』
「えっ、まぁ。でも、コンサートの打ち合わせって言ってたし、邪魔になるよ?」
『そうねー。でも今日しかない!愛美、行くわよ!』
「ええー!?あたしも巻き込むの?」
外にでて、隣の部屋の様子を伺った。
騒がしい…
これはチャンス!
インターホンに手を伸ばした…
つづく




