表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クトゥルフ神話  作者: ニャルラトホテプ
2章 前進

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/46

第三十五話 精霊祭

 朝から…太鼓が鳴る。

 村全体に、村の外にまで、太鼓の音は響き渡る。


 フィーシは目を覚ました。ティアから魔法の話を聞き、話し、考え、疲れて眠ってからどのくらい経ったのか。

 レオ君と別れてからの記憶が曖昧だ。ご飯も食べたし、身体も拭いた。お母さんが何か言っていた気がするが、記憶に残っていない。


 この音はうるさかったが、同時に心が躍る、ワクワクする。今日は精霊祭なんだ!早く行きたいと思って自分の部屋を飛び出し、食卓に向かった。


 母親は忙しそうに何かを作っていた。朝ご飯は食卓に並んでいたのに。

 僕はご飯を食べながらお母さんに尋ねた。何を作っているの?と。


お母さん:「今日の精霊祭の為にご馳走を作っているの、各家庭が持ち寄って皆で食べる為のね」

 お母さんは続けて言った。

お母さん:「昨日上の空だったからもう一度言うけど、お父さん今日帰って来るから一緒に精霊祭行けるわよ。」


 僕はご飯を食べる手が止まり、立って大喜びした。お母さんに叱られて、座ってご飯を食べた。


 お母さんの顔はいつもより嬉しそうだった。僕は食べ終わった後お手伝いをして、待ちきれないお昼を待った。



 村に向かう一団が居た。フィーシの父親と、護衛をする冒険者達。彼等にも太鼓の音が聞こえ始めていた。


 皆知らず知らずのうちに足が早まっていく。家族に会えるから急く者と、腹一杯のご馳走を求めて急く者達。今日は精霊祭なのだ。



 レオの家では、父の姿は無かった。どうやら夕方まで村の柵の監視の様だ。

 少しの寂しさを感じながらレオは母親を手伝っていた。


 家族と、フィーシと精霊祭を回るのは楽しみだ。ウルススも居たら、どんなに…。

 涙を堪えて、僕は手を動かした。



 お昼になり、村の中央に置かれたいくつも長机にご馳走が並んでいく。保存が効く、冷めても美味しいものは夜の分として倉庫に集められていく。


 食事の準備が整い、柵を守っている者以外が集まってから、村長は精霊祭の開始を宣言した。


 ご馳走様を食べる事に集中する人、挨拶をして笑顔を話す人、そんな人達を見て幸せそうな人。色々な人が居る中で、僕はお父さんとお母さんに囲まれた幸せな時間を過ごしていた。


 お父さんは、外に行って街で交流したり、村の状況の報告といった役目をしている。

 街の発展の様子を聞きに沢山の人が集まってくる。


 その中でお父さんは地の大陸から船が来た事を皆に伝えた。


 興奮に包まれる。皆の顔が更に明るくなる。不安だったのだ、皆の無事が。不安だったのだ、忘れられていないかが。


 難しい話は分からなかったが、水の大陸周辺が死霊達の魔力により、海の生物も怪物も近寄らない安全な航海ルートになっているらしい。


 地の大陸も色々あったが、好転してきているらしい。

 全員を迎えに来る事は出来ないが、少しずつなら帰る事が出来るみたいだった。



 ひと通り話し終わったお父さんと僕は祭を見て回った。途中でレオ君を見掛けた。

 お父さんにお願いして肩車をしてもらい、レオ君とレオ君のお父さんに挨拶をする。


 レオ君のお父さんは何かに気付いてレオ君を肩車した。恥ずかしがっていたレオ君も、すぐに笑顔になったのだ。


 幸せな時間は過ぎて行く。平和を享受しながら。

 幸せな時間は過ぎて行く。平穏を願って。



 お祈りの時間になると。精霊達もだいぶ増えていた。

 お祈りの後に、僕はお父さんとレオ君と手を繋いで一緒に空を見上げた。星空に混ざって、様々な色の光が見えて綺麗だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ