第三十三話 魔法と魔術
精霊祭の事を聞いて、ティアは嬉しかった。
仲間達が沢山集まるかも知れない。
色々な精霊が来て、人間達への印象が変わるかも知れないから。
どんなお祭りになるのか、物思いに耽っていると。ふと、フィーシが何か聞きたそうな顔をしているのが見えた。
ティア:「どうしたの?そんな顔をして、何か知りたいの?」魔力操作の事かな、と私は考える。
フィーシ:「魔法と魔術の違いって何なの?」
フィーシは真っ直ぐ聞いてきた。レオ君も興味があるみたいだ。
んー…どう説明したら伝わりやすいかな。悩んでしまう。
ティア:「人間にとって魔力ってどんなもの?」
フィーシは先生から教えてもらった通りに答えた、"水の様なもの"だと。
確かに…確かにその認識は魔術を使う上で正しい。実際は濃度によって、石みたいに硬く動かし難かったり、霧みたいに薄かったりするのだが。
ティア:「なるほどね。魔術はね、身体の中から魔力という水を体外に出して、そこに性質や形を加えるの」
水を氷に変えたりね。と付け加えた。
ティア:「魔法は、魔力を直接氷に変えるのよ。自分の魔力や周囲の魔力を直接ね」
レオ君は自分に放たれた魔法をよく見ていた。多分なんとなく分かるのだろう。頷いている。
フィーシは何かを考え始めているみたいだ。
ティア:「魔力を氷にするのと、魔力に氷みたいな性質を与えるのとでは、結果が変わるの。氷になった魔力は溶けて水になる。氷に姿を変えられた魔力は元に戻ろうとし続けるから時間が経つと消えちゃうの。」
レオ君は納得がいったみたいだが、フィーシはまだ考えていた。
フィーシ:「なら、魔術も魔力を直接氷に変えてから…あ、」何かを言い掛けて、フィーシの動きが止まる。
そうだ、そんな事をしたら身体の中の魔力なら大惨事になる。火になんかに変えたら内側から焼けるのだ。
逆に体外で魔力を変換すると、魔力で無くなる為に操作を受け付けなくなる。まあ、そもそも自分から離れた魔力を変換するのは基本的に無理なのだが。
ティア:「そう、氷なんかに変えたら身体の中に氷が出来るのよ、めちゃくちゃ痛いでしょうね。 だから似ている様に見えてかなり違うものなの」
まあ、魔術が魔法の真似をしたから見た目だけ似てるとも言える。
レオ:「でも、身体の外の魔力を氷に変えて。それを魔力で吹っ飛ばせば良いんじゃないか?そしたら同じ事なんじゃ…」
ティア:「そうね。でもそれって石を拾って魔力で飛ばすのと何が違うのかしら。しかも氷を作る魔力は消費するのよ。まあ、体外の魔力を直接変換するのは人間の操作精度では無理なんだけどね」
レオ君はああ…と半分納得したようだ。
ティア:「魔法との違いは速度にもあるわ。魔力を操って加速した状態で氷に変換すると。速度を維持したまま氷が放たれる結果になるの」
これは魔術と魔法の威力の差や効率の差を生むのだ。
ティア:「これ以上の事はマギ先生に聞きなさい。その速度差なんかを埋める方法なんかも、多分知ってる筈よ」
私は頭を悩ませたり、知る喜びを顔に出してる二人を微笑ましく思った。
この子達はそれぞれどんな道を歩むのだろうか。
魔術師か…精霊術師か、はたまた戦士になるのか。楽しみな気持ちが溢れてくる。
二人であれこれ考えて話し合う二人を、私は見守っていた。
一旦1000文字くらい消し飛んで、呆然としましたが、私は元気です。(スライド時に再読み込みしてしまった)




