第88話 疲れを癒しに
川に向かうと、もう人が集まっていた。
「おお! 集まっている!」
康介はいつもより興奮している。
水着を着ている者もいれば、一日中、練習をして着ていた服で川に入っている人もいた。
「それにしても、人、多すぎじゃないのか? これじゃあ、冷たい川で休むというよりも人が多すぎて休むことなんてできないじゃないか……」
「そうですね。まぁ、僕は、それでも別に構いませんけど」
敦也と拓は、川を眺めながら言う。
「で……」
と、この二人の違和感に疑問を持つ康介が言う。
「なんで、二人は、今日、一日着ていた服なんだよ! 川なんだから、水着着ろよ! 水着を!」
「いや、どうせ、後で風呂に入るんだから、別にいいだろ」
「僕は、そもそも遊ぶ気はありません。川の冷たい水を浸かりに来ただけですので……」
「これだから、女に免疫のありそうな男共は……」
余裕がある二人の回答に、額に手を当てる康介。
「まあまあ、康介。そんな事よりも、ほら、水着なら女の子達が着ているんだし、それを拝めばいいんじゃない」
康介を宥める健斗。
「そうだな。こうなったら、意地でも女子の水着姿を拝んでやる! で、うちの女子部員達はどうした⁉」
「そろそろ、来るんじゃないかな? 男子より女子の方が準備に時間がかかるっていうくらいだから」
健斗がそう答えると、
「うわぁ、人、多いじゃん!」
「夏海、そんなにはしゃがないの!」
聞き覚えのある女子達の声が聞こえた。




