第51話 告白からの闘争心
嵐が過ぎ去った後、四人の雰囲気は最悪だった。
敦也は、三人が中学時代、何と言われていたのか、敦也自身がどんな過去を持っていたのかも知っており、それを忘れているわけではない。
「それじゃあ、三人共、どこにいこうか?」
「…………」
「…………」
「…………」
敦也は、雰囲気を変えようと、話題を変えようとするが、三人共、黙ったままである。
「はぁ、姉ちゃん達がそのままなら、別に俺は構わないよ。あいつらの事は、別に気にしていない。逆に言えば、ただの僻みにしか聞こえなかったな。俺は、姉ちゃん達の方が、好きだし、凄いと思っているよ。たぶん、世界中の誰よりも愛しているんじゃないかな?」
三人を励まそうと、そう言った。
「それ、本当ですか?」
「え? 嘘ではないけど……」
唯が、敦也に確認を取ると、そう返事が返って来る。
「ふふふ……」
「ははは……」
「くくく……」
三人は、不気味な笑い方をする。
「あの? 御三方? 何がそんなにおかしいのでしょうか?」
嫌な予感がした。
「あっちゃんが、誰よりも愛しているって……」
「あの敦也が、私に向けて告白だなんて、それも公共の場で……」
「あっくん、大胆すぎ……」
三人共、敦也の話を聞いていない。
「もし、俺の話聞いています?」
困った敦也は、三人を元の世界に戻ってくるように努力する。
「はっ! いけない、いけない。私とした事が、正気を失っていました! 不覚です……」
唯がようやく、こちらの世界に戻ってきた。
「それにしても、相変わらず、憎たらしい人たちですね。嫌気がさします」
「そうだね。別に周りから何を言われたって、もう慣れたけどね」
「そう、二度と会いたくない」
三人共、言い方は違うが、同じ意見である。
それを聞いた敦也は、さっきまでの心遣いを返して欲しいくらいだ。
「じゃあ、姉ちゃん達は、落ち込んでいたというわけではないの?」
「何を言っているのですか? あれくらいで、私が落ち込むと思いますか? むしろ、徹底的に叩き潰したい気分ですよ」
唯の闘争心が燃えている。
(ああ、これは……。いつか、どえらい事になりそうだな。この人達が本気になったら、何をしでかすか、分からないし……)
敦也は、今後の自分の身の保障が危うくなったのを悟った。




