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第43話 愛の逃避行
「あれ? あっちゃん、どこか行くのですか?」
玄関で靴を履こうとしていた敦也に、唯がアイスを食べながら訊いた。
「あ、うん。ちょっと、コンビニに……」
敦也がそう答えると、唯は、敦也の答え方を見逃さなかった。
「本当ですか?」
「本当だって、怖いよ、唯姉」
こちらを怪しい目で見られる敦也は、苦笑いをする。
(これ、半分、バレているんじゃ……)
「それじゃあ、すぐに戻って来るから、留守番よろしく!」
敦也は、その場から逃げた。
「あれは、コンビニに行く格好ではなかったですね」
唯は、すぐに玄関に置いてある靴箱の扉を開く。
全ての靴がきれいに揃っているように見えるが、一つだけカモフラージュされている所がある。
「里菜の靴がありません……。まさか⁉」
何かに気づいた唯は、すぐに里菜の部屋に訪れる。
部屋の中には、誰もいない。
「いない! と、いう事は!」
唯は、次に咲弥の部屋へと向かった。
「咲弥、入りますよ!」
扉をノックせずに唯は、咲弥の部屋に入る。
「な、何っ⁉ 唯‼」
ベットの上で呑気にゲームをしていた咲弥は、びっくりする。
「あっちゃんと里菜が、『駆け落ち』しました!」
と、断言する唯。
「はい……?」




