鬼人達の宴朱 Dエンド 羽を失った世界
*血の涙を流す部分で血のイラストを追加。閲覧注意。
本日はバッドエンドです。もう悪い結末もあるのです。いろいろあるよね。ただ、長い目で見るとバッドエンドの辛い結末があるから明るい未来にしようねって言うと見方が変わるかも知れません。
今思い付いただけですが、作った人が言うと気持ちが変わると思います。
まあ違う考えの作者もいるでしょう。
私はそんな考えです。
短めですが、いってみましょう。
誤字、脱字があったらすみません。
翼は夜に眠るといつもの夢とは違う感じしていた。
護や勇吹がいて、闇の中で九尾の狐に逢う。
九尾の狐の姿は赤色の髪と赤色の目をした翼と似た顔だった。
彼女は無秩序な世界を望んでいた。人間が欲望で道を外して生きる姿がゴミの様で楽しいと言った。
人が苦しむ姿を喜ぶのだ。
だが、大切な人がいる。翼は負けられなかった。
「流石に九尾の狐のいろんな悪事を聞いた事があるけど、私は普通に暮らしたいの。私から溢れる黒いオーラ、いいえ、あなたを退ける。」
「はははっ!流石に半身!威勢は良いのっ!やってみるが良い!」
九尾の尻尾が大きくなる。護と勇吹は刀を握った。
「尻尾をどうにかしないとね。隙が出来たら尻尾を狙って。」
「分かった!」
九尾の狐が尻尾で攻撃してくる。それを避けて刀を振るが全く効いていない。
「護!勇吹!善鬼化させる!二人で狙いなさい!」
「オォオオオッ!」
護、勇吹が体の筋肉を膨張させながら善鬼化した。
そして二人で九尾の狐の尻尾を攻撃した。だが、やはり無傷である。
「…攻撃が…効いていない。」
「…当たり前だろう。お前より長く生きておる。その鬼達よりな。」
護と勇吹に黒い波動を放つと二人は体を包み込まれて動けなくなった。
「ウァアアアッ!」
その時、翼は足元に違和感を感じて倒れた。足元を見ると黒くなってボロボロと崩れていた。
「嘘!何これ!足が崩れている!」
「言っただろう。ゆっくり始末すると。鬼が受ける闇は、お前に行く。もう足は無くなったな。」
「つ…翼っ!!」
目の前に動けなくなった護や勇吹が見える。だんだん翼の体の力が無くなって来た。
「翼!」
遠くから誰かがやって来た。結花だ。
「…結花。本物?」
「翼!しっかりして!」
翼の体はもう腹部も崩れて来ていた。
「…結花。ごめん、私、ダメかも。この鬼の石を結花に渡したい。私の代わりに護と勇吹を守って。」
「ダメだよ!翼!護や勇吹が悲しむよ!」
翼の胸を黒いオーラが貫くのが分かった。
「あぁ。旨いなぁ。お前の体は。」
翼の意識は黒くなった。
「うあぁあああっ!」
結花が大声で泣いた。そして、九尾の狐を睨んだ。
「翼を返してよ!」
「無駄じゃあ!死んだのだ!アーハッハッハッハッ!」
結花は九尾の狐に光の光線を打つ。
「ハッ!こんなもの効かぬわ!」
九尾の狐が防ごうと掌を向けた。
その時、九尾の狐の尻尾全てが半分程切れた。
「な…何が起きた!?」
慌てる九尾の狐とは違い、結花は冷静だった。
「…馬鹿じゃない。前からの攻撃は囮。尻尾を切るなら尻尾から力を増幅させて切るだけ。それ位、私、出来るから。」
護や勇吹の黒いオーラが消えた。
「…ねぇ?もう一回、聞いていい?翼は、死んだの?」
結花が聞いた。九尾の狐は震えながら笑みを浮かべた。
「あぁ、前と違い、魂は喰うた。もう地獄にもいない。」
九尾の狐の言葉を聞くと結花は九尾の狐の胸に拳を向けて開いた。九尾の狐には大きな穴が開いた。
「護、勇吹。サンドバッグ。ボコボコにして。こいつ。」
善鬼化した護と勇吹は九尾の狐を何度も殴った。結花はしゃがんで腕で顔を覆った。
(知らない人が見たら護や勇吹を怖いと思う?見て、涙が真っ赤。悲しいよね。翼は護や勇吹を優しく抱いて背中を擦って慰めていた。大切な人が奪われたの。)
「オォオオオッ!」
護や勇吹は地面を叩いたり、地面を何度も足踏みした。
(悔しいよね。悲しいよね。大好きな翼を奪われたの。私も悲しいよ)
おとなしくなった護や勇吹に結花が近づくと、抱きしめて、背中を擦った。
「オッ…オォオオオッ…」
「護、勇吹。辛いね。私も辛いよ…。」
やがて、結花は目を覚ました。夢だったと思いたかった。
しかし、看護師の紫織が来て結花を抱きしめて背中を擦ると理解した。
「…紫織さん。勝ったけど、翼がいなくなった。」
「そうね。私も辛いよ。良い人だったね。私達の為に戦っていたの。」
護と勇吹は翼の家族に連絡して、家に入るとベッドが人の形に真っ黒になっていたそうだ。それを見て翼の両親はビックリしたが、護と勇吹は翼が亡くなった事を知って嘔吐しそうになった。
こうして、市村 翼は神隠しあった事で事件は迷宮入りした。
翼の家に行った日は護も勇吹も大学やバイトに行く気になれなくて、結花の病院に来た。
翼が九尾の狐にやられて亡くなった事を知ると結花も泣いた。
結花が退院した後は護、勇吹、結花と三人で逢う事が増えたが、皆元気がなかった。
いろんな場所に思い出がある。
気持ちは複雑だ。
護、勇吹はあれからほとんど鬼にならなかった。
二人の羽は、もう失くなってしまった。
始めは全くこのDエンドは浮かんでいませんでした。第二章位から若干よぎって、第四章を作る時にフラグが立ちました。
この後は三人で過ごすかなと思いましたが、護と勇吹の鬼の力が弱くなった感じがするので、二人が早めに亡くなる可能性もあるなと思ったりします。
一応早めに終了。
こういう時にはこれです。
END?