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Sevens Heroes〜選ばれし7人の戦士達〜  作者: 蒼月丸
第二・五章 束の間の羽休め①
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トラマツの過去議事録

今回はトラマツの過去の話です!

 ある日の夜中、ブレイブペガサスの屋敷にあるトラマツの部屋は、彼が本を読み終えて椅子に座っていた。


「思い起こせば……僕達が勇者チームになるまでは色々あったからな……」


 トラマツが過去の事を思い浮かべていたその時、ノースマンとサンペイが彼の近くに移動する。


「過去の事を思い浮かべていたのか。そう言えば俺と出会ってから色々あったもんな」

「オイラにも教えてよ。トラマツの過去の話を」

「いいとも。じゃあ、今から話すね。あれは僕がまだ戦士になる前の頃だった……」


 トラマツはサンペイに、自身の過去を赤裸々に話し始めた。



 当時、僕はバトルキャット族の訓練校に通っていた。しかし、その時の僕は戦闘が全然駄目で落ちこぼれだったんだ……


「ハァ……勉強ができても、戦闘ができてなければ意味ないじゃないか……」


 僕は掲示板に貼ってある訓練結果の成績にため息を付いた。順位は最下位から9番目だ。


「ほう。随分下じゃないか。お前は落ちこぼれだな」

「こ、この声は……アカヤマ!」


 僕は声のした方を見ると、なんとアカヤマが僕をからかっていたのだ。


「お前は頭脳は良いが、戦闘は駄目。この世界じゃ頭脳だけでは生き残れないんだよ」

「言ってくれるな……そういうお前はどうなんだよ!」


 アカヤマは掲示板の方を指差すと、彼は上から5番目の順位となっていた。


「マジか……」

「まあ、せいぜい頑張れよ!」


 アカヤマはその場から去ってしまい、僕は悔しさで体を震わせていた。ここまで言われて悔しい気持ちは強かったし、奴に馬鹿にされるのは最も屈辱に等しかったからね。



 それから放課後、僕は訓練校を出て一人でクリムの森の中に入った。その中にある一本の木の上に小さな小屋が建てられている。それこそ僕の秘密基地であり、当時住んでいた場所なのだ。


「ハァ……疲れた時こそここに限るね……」


 僕はすぐに家の中に入ろうとしたその時、一匹の狼がヨロヨロと歩いているのを見つける。


「あれ?こんな所に狼が……しかも怪我をしているぞ……」


 僕はその様子を見て放っておけなくて、すぐに狼の元に駆け出した。困っている人を放っておけないのは僕の悪い癖でもあり、いい癖でもあるけどね。


「大丈夫か!?」

「う……お前は誰だ?」

「僕はトラマツ。酷い怪我だ。こうなったら……オールキュア!」


 僕は回復魔術を使って狼の怪我を治し始める。すると、狼の怪我はみるみる内に小さくなり、あっという間に消えてしまった。


「治った!しかも、体力まで回復している……」

「これでもう大丈夫だよ。あまり無理しないでね」

「ああ。俺の名はノースマンだ。助けてくれてありがとな」


 ノースマンという狼は自己紹介を言った後にお礼を言った。これが僕とノースマンの出会いだ。


「それにしても、こんな回復術まで使えるとは驚いたな。もしかして天才なのか?」


 ノースマンが僕に対して質問するが、その質問に僕は俯いてしまう。


「頭脳に関しては天才だけど……戦闘技術は落ちこぼれなんだ……」

「落ちこぼれ?」


 僕の説明にノースマンは首を傾げる。そのまま僕は彼にこれまでの事を話し始めた。



「そんな事が……」


 僕からの話を聞き終えたノースマンは驚きを隠せなかった。まあ、この話を聞いて驚くのも無理ないだろうし。


「ああ。僕はいつも失敗ばかりでターゲットも外してしまう。その為、落ちこぼれと馬鹿にされているのさ。情けなくて涙が出るよ……」


 僕がため息をつく中、ノースマンは首を横に振る。


「そんな事で落ち込むなよ。俺も実は落ちこぼれさ」

「えっ?ノースマンもか?」


 ノースマンは自身が落ちこぼれだという事を明かし、僕は驚きを隠せなかった。


「ああ。さっき俺が怪我をしたのは冒険者達を襲おうとしていたんだ。ところが足を踏み外してそのまま転がってしまい、今の様な怪我をしたんだ」

「じゃあ、それが今の怪我に繋がったのか」

「狩りについてはできるが、穴に落ちたり罠に引っかかって酷い目に遭ったりしていた。お陰で皆から馬鹿にされてしまうのも無理ないさ」


 ノースマンの話を聞いた僕は、彼の気持ちに同情してしまう。


「僕達ってなんだか気が合うかも知れないね……」

「そうかもな。ここでタッグを組むのも悪くないし」

「なら、決定だね!僕達二人で頑張ろう!」

「おう!」


 僕の手とノースマンの前足でタッチを交わし、ここから僕等の物語が始まりを告げられた。



 それから翌日、ノースマンの提案で自身に合った武器を買いに行く事に。それはギルド内のお店にある為、僕等はギルドの中に入った。


「凄い……これがギルドなんだ……」

「俺も初めてだが、ここは随分賑やかだな……」


 僕等はキョロキョロと辺りを見回す中、一匹の黒猫が姿を現す。


「お前さん、ここに来るのは初めてかい?」

「あなたは?」

「武器と防具屋のスミタロウだ。で、お前さんは何しに来たんだ?」


 スミタロウは自己紹介をした後、トラマツは事情を彼に説明する。


「なるほど。自身に合った武器をね」

「ええ。訓練校では剣と銃、弓矢を使いますが、僕は全て失敗ばかりで……」

「持ち込みはできないのか?」

「持ち込み可能なのですが」


 トラマツの説明を聞いたスミタロウは納得の表情をする。


「なら、お前さん達に合った武器を手渡さないとな。丁度廃棄する武器を整理するから手伝ってくれるか?」

「構いませんよ。今日は訓練校はお休みですし」

「よっしゃ!特別にタダにしてやるぜ!付いてきな」


 スミタロウは僕達を連れて、武器倉庫の整理へと向かい出した。



 武器倉庫に辿り着くと、そこの中は多くの武器がずらりと並んでいて、バトルキャット専用の武器もあった。


「さて、確認するか」


 スミタロウは武器の倉庫の中に入り、不用品が無いかチェックする。


「不用品があるとしたら……ここだな」


 スミタロウは前の方に視線を移すと、そこはあまり人気のない武器や壊れている武器がたくさんあった。


「こんなにもあるとは……」

「武器というのも寿命がある物さ。此等を外に出しておくぞ」

「はい!」


 僕達はスミタロウの指示に従いながら、次々と武器を運んでいく。バトルキャット族はこう見えても力持ちが多いからね。


「武器についてはここに置いてくれ」


 スミタロウは地面に立て札を立てて説明し、僕等はその場所に次々と武器を置く。そして十分後には全ての武器を運び終えたのだ。


「ふう……これで全部か」

「手伝ってくれてありがとな。じゃあ、次は君達の武器だね。バトルキャットと狼専用の武器は色々あるから試してみよう」


 スミタロウの提案に僕等が頷いたその時、武器の中から一本の槍を見つける。


「これは……」

「ああ。バトルキャット専用の槍だ。試しに使ってみたらどうだ?」

「じゃあ、遠慮なく」


 僕は槍を手に取り、それを振り回してみる。すると、剣や銃よりも扱いやすく、上手く使いこなせていて馴染みやすかった。


「トラマツ、その様子だと……」

「ああ。この槍……気に入ったよ!」


 ノースマンが僕の姿を見てすぐに察し、僕は彼に対して笑顔で返した。


「良かったな。じゃあ、次はノースマンだな。お前の武器は……」


 その後、スミタロウはノースマンにも剣を与えてくれた。今でもこの感謝は忘れられないし、彼がいなかったら落ちこぼれのままだったかもね。



 そして数日後、訓練校で実技訓練が行われた。僕は右手に槍、左手に盾を構えてすぐにターゲットの方へ向かい出した。


「行くぞ!」


 僕は槍を振るいながら次々と敵を倒し、攻撃も盾を使って弾き返した。


「あのトラマツが!?」

「嘘だろ!?」

「まさかこいつは槍使いだったのか!?」

「武器がただ合わなかっただけだった……トラマツはもう落ちこぼれじゃない!天才だ!」


 皆がこの光景にざわつく中、僕は最後のターゲットを倒し終える。すると担当の先生が僕の元へ向かってきた。


「凄いじゃないかトラマツ!お前の姿は見事にしか過ぎない!頭脳も武術も天才じゃないか!」

「いや、大した事ないですが……」

「それでも凄い!この調子で頑張れよ!」

「おう!」


 僕は担当の先生に褒められて自信がついて、多くの課題をこなして見事首席で卒業する事ができた。アカヤマはこの姿を見て悔しそうな表情をしていたけどね。ケケケ!



 それから数日後、僕とノースマンはギルドに入り、コンビで多くのクエストをこなしまくっていた。多くの敵を次々と倒し、更には納品も無事にこなして「最強コンビ」と呼ばれるようになった。

 そんなある日、カーン様の使いから僕達に推薦状が届いた。どうやら僕等の活躍が認められたらしく、とある神様の部下に任命されたのだ。

 僕等はその使いと共にゴッドエデンへと向かい、その神様の部屋の前に辿り着く。


「なんか緊張するな……」

「う、うん……」


 僕等は冷や汗を流しながら緊張する中、扉が開かれたと同時に綺麗な女神様とメイドが姿を現す。


「あなた達が姿トラマツとノースマンね。初めまして。私は女神メディア。隣の彼女は部下のリリアよ」

「初めまして。私はリリア。あなた達の先輩になるけど、宜しくね」

「「宜しくお願いします!」」


 メディアとリリアの自己紹介に僕等は挨拶を返し、ここから今に至るまでの日々が始まりを告げられたのだった。



「なるほど。そこから零夜達と出会い、オイラとも出会った。オイラも皆に出会って良かったと思うよ」


 トラマツからの話を聞いたサンペイは納得の表情をしていて、笑顔で返していた。


「そうだな。特に零夜は仲間を守る覚悟もあれば、最後まで諦めが悪く、物事を成し遂げるまで何度でも立ち向かう。それに僕達のやるべき事はただ一つ。零夜達のサポートをして、彼等を勝利へと導かせる事だ」


 トラマツは覚悟のこもっている目で決意を固め、ノースマンとサンペイもコクリと頷く。


「俺達も自身の役目を最後まで果たさないとな」

「ああ!オイラも頑張らないと!」


 ノースマンとサンペイが覚悟を決めて決意を固めたその時、トラマツの手元に封筒が送られてきた。


「封筒……メディア様からだ!」

「その様子だと、3つの課題が決まったみたいだな。すぐに確認をしてみよう」


 トラマツは封筒を開いてその内容を確認する。それは3つの課題が決まった事だが、その内容に彼等は驚きを隠せなかった。


「この課題……最後がおかしいだろ!」

「一体どういう事だ!?」


 課題の内容にノースマンとサンペイがおかしいと叫ぶ中、トラマツは真剣な表情をしていた。


「これは推測だが、アークスレイヤーは僕達を危険視している。カーン様もその事を考えてこの課題を決めたに違いない」

「となると、零夜達はどんな反応をするかだな。いきなり重大な課題を引いてしまうとはついてないぜ……」


 トラマツの説明にノースマンはため息をつき、サンペイも同意する。


「だが、零夜達ならやれると信じている。僕達は僕達でできる事を頑張らないと」


 トラマツの決意にノースマンとサンペイも頷き、夜も更けていたのだった。

課題がようやく発表しましたが、まさかの展開に!零夜達への説明は新章となります。


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