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かつて魔王の冒険者  作者: 森の小豆
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小竜の言葉指導術

ポールの店で前金を払った翌日。俺の部屋に役所の方がやって来た。職員らしき男の後ろには軽装備の衛兵らしき二人の人間が立っていた。そんなことをしなくても逃げたりしないのだが、万が一のことがあるのだろう。有事の際に備えるというのはいい心掛けだ。

俺は素直に罰金の十万ゴールドを支払い。さっさと追い返してやった。

これで今のところ気にすることは無くなったわけで、ついでにお金もあまり残っていないわけで。

「折角大金が入ったのに全部無くなってしまった」

ちなみに、雷霆竜討伐の報酬は発生せずランクアップもしていない。完全な無駄骨であった。しかも、討伐で得た素材分の金は全て使ってしまった。今の所持金は一万ゴールドもない。

宿に関しては、月払いで今月分は払っているので問題ない。問題は飯代だが、この手持ちなら三日は暮らせる。その間にクエストなどで稼げるだろうから、

「うん、金に関しては大丈夫そうだな」

そう考えれば後は迷宮に潜っていつも通りやるだけだ。


最近は迷宮内の探索の他に小竜の育成も行っている。

「クゥァァ!」

小竜の元気な鳴き声が迷宮内に響き渡る。こいつが生まれてから三日だが、成長著しい。

小竜が鋭利な爪でスライムの核を的確に切り飛ばすと、スライムは音を立てずに崩れていった。

「雷を使う時は相手の状態を必ず見ること。雷は充填するのに時間が少し要るからな」

「アァー!」

立派な返事が返ってきたが、念話を使えばこいつの意志を少しだけ感じれるようになった。まだ、言葉は拙いが。

(おとー、倒したー)

魔物は最初から成熟しているが、こいつのように卵などから生まれた魔物は成長という段階が存在する。迷宮で生き抜くにはその成長が早くなければ行けないため、意志や考えるという力は直ぐに発達する。

「次に行くか」

(はいー)

ちなみにスライムを倒すには核を破壊する必要があるのだが、核は魔石と接しているので、核だけを破壊するのは意外と難しい。それに、スライムの核は常に流動体の体の中を移動している。核だけを破壊する方法も小竜には覚えてもらわないといけないな。


小竜との迷宮巡りもひと段落ついて、今は昼食時間。グルック亭で買ってきた特製サンドイッチシルカちゃんのスペシャルおまけ付き、を小竜と分け合う。特製にさらにスペシャルなおまけが付いているのだから、それはもうすごい特別なのだろう。

卵を挟んだものとハムと野菜を挟んだもの。あとは色々盛り盛りなもの。これがスペシャルなおまけだな。グルック亭の一人娘シルカちゃんには後で何かご馳走してあげよう。


昼食が終わるといつも迷う時間帯になる。何をするか決めていないのもそうだが、陽の刻(午前)の内にはクエストも小竜の訓練も終わってしまう。月の刻(午後)にやることが残っていないのだ。買い取ってもらう用の素材は小竜の訓練でかなりの量が集まる。

「何するか?」

(なんでもー!)

小竜の言語学習能力は中々に高く、そろそろ普通に喋れるようになるかもしれない。


「言語学習するか!」

(やるー!)

言語学習と言っても簡単な聞き取りと復唱ぐらいしかやることが無い。おまけに、小竜は念話のため、一言も喋らない小竜に俺がひたすら話しかけるというシュールな光景になってしまった。


「らりるれろ」

(らりるれろ!)


聞き取りと復唱は問題ない。となると文法なんだが、これは会話を重ねる他ないだろう。

こうして、俺と小竜の混沌語学学習が日課となった。座りながら話す俺たちを魔物が見逃すことも無く、屍の山を築きながら、ついでに魔石も貰いながらそれなりの稼ぎを上げることとなった。

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『かつて魔王の冒険者』を読んでいただきありがとうございます まだまだ発展途中ですが、賛否両論の評価を受け付けております。些細なことでもコメントしてくれるとありがたいです。 これからもよろしくお願いします!
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