ロゥグ・オブ・セイント２

【ロゥグ・オブ・セイント】の続編

　聖武僧（セイント）。それは不死と異形の肉体をもつ人外の魔人《御使い》との戦いのため、ダーマ神教の総本山たるダーマ教皇庁が秘密裏に組織した武僧兵の名である。ダーマ神教誕生以来、千年にも続く両者の知られざる陰の戦いはいまだ決着を見ていない。
　バスク王国において多数の貴族たちが惨殺された「ジェラード邸の惨劇」から五日。聖都ファティマを目指してバスク王国を発ったキリコとシェリルは、同じ教圏南方帯の国ジェノン王国にいた。そこはクーデターによって王権を簒奪した国王リンチ一世と、それに反旗をひるがえす旧王家派が同国の覇権をめぐって抗争を続ける紛争の地であった。
　旅の途中で知り合ったジェノン商人ヘルトの勧めで、彼の店がある商都ライエンに立ち寄ったキリコとシェリルは、そこで都の治安部隊であるライエン警備兵団にからんだ予想外の騒動に巻きこまれる。さらにそのライエンでは、旧王家の再興をめざすフランシス・ド・リドウェル侯爵と、彼がひきいる反乱勢力「ジェノン義勇軍」がリンチ王権打倒のためのある極秘作戦を決行しようとしていた……。