表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/79

お中臈

第一章

今朝はどうも騒がしい。


原因は 新しく入った 靜山しずやまという中臈ちゅうろうのようである。


中臈は大奥で将軍の世話係。

身分も高くお手つきになりやすい立場である。


越後黒川藩えちごくろかわはんの家老の娘、ということですが……」


月島つきしまは、少し思いやられるような声で 上臈じょうろう年寄としより万里小路までのこうじにたずねた。


大奥年寄として実権を掌握している月島はまだ三十二を越えたばかりであった。


美しい顔と若々しい風貌から、実際の年よりはずいぶんと若く見えた。



「黒川藩は財政が厳しい。


家老の娘といえど安穏あんのんにはしておられんそうや。


あちらとしては婚礼にお金をかけて無駄にどこぞに嫁がせるより、大奥にいれて出世をしてもらうか、側室にでもなってもらう可能性があるほうがよい、ということらしい」


公家出身の万里小路は京都口調でやんわりと話した。


「しかし、旗本の娘と違って藩家老の娘……大奥でつとまりましょうか?」

「頭は悪くなさそうやが……問題は、もっと別にある」


万里小路は口をつぐんだ。

ただならぬ雰囲気を感じて 月島も黙った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ