時間を無駄にしちゃいけないので
~デュエロス・パートル決勝トーナメント4戦目当日の朝~
ふぁーあ……。
寝ぼけ眼で起き上がる。
今日の決闘も見ておきたかったから昨日はほどほどに騒いだ。
ホムラとフレアは店の食料が無くなるんじゃないかぐらいの勢いで貪りつき、ステラは脇に大量の空グラスを携えて優雅に飲み、アユムはめんどくさかった。
今日はルサルカとレーグルの決闘。
ホムラとフレアは幸せそうな顔で寝てる。
決闘は昼からだから、出発前まで寝かせておこう。
朝食を食べ、ランニング。
準決勝まで3日空く。
だからその間、時間はあまり無駄にしたくない。
ダッシュとジョグを繰り返すランニングについ最近切り替えた。
体力がある程度ついて来たのもあるし、魔法を使ってスピードとかを底上げできても、結局は基本的な素の能力がものを言う。
自分自身に何度も言い聞かせる。
オリフィス自体が狭いのもあり、あっという間に1週を回り切る。
休む事無く地下の訓練場に向かい、そのまま人形をサンドバッグ代わりに打ち込みの練習。
ミットとかがあった方が良いけど、無いものねだりをしてもしょうがない(´・ω・`)
右ストレート、左フック、スウェー、右ストレート右ミドルキック。
コンビネーション技を自分で考えて繰り返し練習。
少し汗がにじんで来たところで切り上げる。
対策はここに来る前にある程度だけは済ませたけど、アレッティとサンサーラは考えずにはいられない。
特にサンサーラ。
ここに来る前とはまるで違う考えをせざるを得ない状況をこの目で見た。
それなのにどう言う魔法を使ってるのか、未だに答えが出せてない。
決闘は短時間で終わったのに、実際は夜だった。
この時間の差は何だろう。
……魔法は現実世界のゲームにあるものが多いけど、そんな魔法は存在しない。
外界の時間を進める魔法?
……いやいや、どんだけの範囲に魔法をする必要がある。
時々かけられる声に応えつつ、宿に戻りながら考える。
宿に戻ると、ホムラとフレアが起きててじゃれ合ってた。
「……って炎を吐き合ってじゃれるの止めて(;^ω^)」
炎を仲良く相殺し合ってるのは良いんだけど、所々焦げてんじゃん!
俺に気付くとホムラとフレアは俺の元に来る。
かわいいんだけどね。
かわいいんだけどさ。
モンスターなんだよな一応(´・ω・`)
……宿の修繕費、アユムブチ切れるだろうなぁ。
~その日の昼~
フレアを抱っこし、ホムラは頭の上。
「その絵は笑えますね」
モノマキアで合流して早々、アユムが( ´,_ゝ`)プッと吹き出す。
「かわいいじゃん(# ゜Д゜)」
「そうですね。( ´,_ゝ`)プッ」
「おい(# ゜Д゜)」
「茶番はこのくらいにして、さっさと中に入りましょう」
「茶番って言えば何でも許されると思っとりませんかね(# ゜Д゜)」
ホムラが何故か俺の頭をなでなでしてくる。
満員の観客の中、出来る限り前の方の席を確保する。
出来るだけ近くで見れば、相手の癖とかを細かくまで見れる可能性があるからだ。
ルサルカとレーグルの決闘。
レーグルの魔法がルサルカに効果的に効くとは思えない。
そんな中、レーグルがどう戦って来るのか。
「さぁお待たせしましたトーナメント1回戦も今日がラストとなります! 水中最強の巫女が万能武器使いに挑む! ルサルカ・ヴァダーとモイメ・レーグル両選手の入場です!」
レーグルは弓を持ってた。
レーグルの身長ほどもある異様な大きさ。
それに、矢をセットする部分(藤頭)の造りが異常。
中に穴がいくつも空いてる。
……何のために?
それに弦を止めてる先が尖ってる。
「ただの弓では無さそうですね」
ステラもやって来る。
「毎回武器が変わると言うのは厄介ですね」
「でも、ルサルカ相手に弓は相性が悪いんじゃ……」
「何か考えがありそうですね」
相手が触れない魔法があるとしても、フィールド全体を水にされたらきつくないか?
レーグルが何かを喋ってる。
だけどそれは聞き取れなかった。
……ルサルカが対策を取ってるのかどうかだな。
「さあ両者睨み合う! 1回戦最後の死闘の火蓋が切って落とされようとしております! 全てを賭けて戦う2名! 我々もこの瞬間だけは全てを賭けて見届けましょう!」
「デューーーーー……エローーーース!」
「「エローーーーーーーース!」」




