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第25話 (ざーざー降り)

朝起き、いつものように自分の学校へ向かう。


今日は雨、ざーざーと傘に雨が当たる音が響き渡る。


雨は嫌い、湿気で髪はくねっとするし、

足元は傘をさしてるにもかかわらず濡れるし


何より暗い、自分の気持ちまで沈んでしまうように感じる。



学校につき、玄関で傘をフリフリして傘立てに入れる。

傘を畳んでいれるやつ、畳まずにそのまま入れるやつ

カラフルで綺麗だった。


湿気を帯びた廊下を歩きながら教室に向かって、これまた湿気を帯びた席に着く。



教室のガヤガヤとした音を聞きながらぼーっとしていると、


教室のドアをガラガラと勢いよく開けながら

おはよー!と元気に女子が入ってきた。


もちろん声の主なんてすぐにわかった

ただ、その挨拶が誰に向けられているのかが

なんとなく気になり、横目でチラッと女子のほうを見る



その女子の目線の先は俺じゃなかった

当然だ、俺にだけ挨拶するわけないし、

異性の俺に1番最初に挨拶ってのもおかしいだろ


とか、心の中でごちゃごちゃと考えていると



「おっはよー!ちゃんと宿題やった?」

「...ぁ...!」

不意をつかれたせいか一瞬言葉に詰まった

次は俺にきちんと向けられた言葉だ。


「ぉ...」

恥ずかしくてすぐに返そうとしたのに言葉が出てこなかった。


何が起きたのか理解出来ずにいるまま、背中を冷や汗が流れるのを感じた。


「ぉ...ぉ!...!」

必死に言葉を絞り出そうとしているのに、声は出ない


目の前の女の子は不思議そうに見ている。何も言わずに



しばらく、数秒頑張ってみたけど声は出ず、

すぐに諦めたように頭を抱えて自分の足先に目線を落とす。


いつの間にかガヤガヤとした周囲の音は消えていて、

ざーっという雨の音だけがむなしく聞こえていた。



雨の音を聞きながら足先をただ見つめたあと、しばらくして

不思議と落ち着いたというか、

もういいや。という気持ちになって

俺は目を閉じた。



ほんの少し前まで頭の中が混乱していたというのに、

あぁ、声出なくなっちゃった

と、今はまるで他人事のように、

独りで頭を抱えたままじっと真っ暗な世界を眺めた。



どれだけ時間が経とうと、

教室の中で周りに誰がいようと、

目の前に好きだった彼女がいようと、



もうどうでもよかった。

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