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1920年、灰塚市

 魔物が現れる前、僕の地元、埼玉県灰塚市で、僕は奇妙な物を見た。



 その時起きていた、連続失踪事件や強盗殺人とはまた別の、人為的ではない恐怖。いわば”異変”である。





 ただ一つ分かっているのは、これが僕と魔族を出会わせた出来事だという事である。







「行ってきます!!」



 元気いっぱいの声が、家中に響く。12歳の時の僕、古河 健人である。



「いってらっしゃい。」



 遠くで聞こえた母の声を置いてけぼりにするように、公園へと走る。



 なんせ、今日は公園で”立絵紙芝居”がやるのだから。







 

立絵紙芝居とは、紙芝居(平絵)の前身である紙の人形を棒につけて舞台で動かす大道芸の一種である。

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