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第一話 トラックじゃなくてハイ〇ースかよ...

初投稿なので生暖かい目でご覧ください

「おい! ハ〇エースが突っ込んでくるぞ!」


 部下のその悲鳴が、俺が聞いた最後の言葉だった。


 悪質な債務者の家に突撃しようと裏路地を歩いていたその瞬間、視界を埋め尽くした白くて四角い鉄の塊。


 ブレーキの音すら聞こえなかった。

 ――あぁ、俺、死んだんだ。


 頭の中で、これまでの人生が走馬灯のように駆け巡る。

 金を貸し、利息を計算し、踏み倒そうとするクズどもから骨の髄まで毟り取ってきた、強欲で泥臭い取り立て屋としての二十数年間。


「未練か? いや、ただの職業病だな」

 走馬灯の中で流れるこれまで回収した総資産を、無意識のうちに脳内で暗算し終えた。


 まだ銀行に預けてる貯蓄とか、養父への仕送りだってしなきゃけねぇのに。遺書なんざ書いてねぇ。

 まだ返されてねぇ金だってあるってのに。


 目の前の景色が、真っ白な空間へと切り替わった。

 そこに、いかにも偉そうな神様が浮いている。



『哀れな人間よ、お前に特別な力を授け、異世界へ――』

「おい、待て。ここはどこだ。話が早すぎる。まず理由を教えろ。そして特別な力とやらの詳細と渡される保証、返却が必要か、もらったことで義務が発生しないかなど纏めて書類にしてもってこい。持ってきたら読んでやるよ。サインするかどうかは俺が決める。」

『何じゃその傲慢な態度は!!儂が神だとわかっての態度か!?』

「神なんざ興味ねぇ。今俺の目の前にいるのはただの取引相手だ。」


神だか何だか知らねぇが、偉そうな態度でこちらのペースを乱そうとする奴は裏社会にいくらでもいた。


 そういう交渉の基本は、相手を同じ土俵に引きずり下ろすことだ。


「おい、そんなことより早く書類を出せ。

 お前が提示する『異世界行き』という商品に、どれだけの価値メリットとリスクがあるのか。

 俺はそこしか見てねぇんだよ」

『ぐ、ぬぅ......! これほどの不遜な魂は初めてじゃ……!』

 神様は顔を真っ赤にして空中でジタバタしている。


 だが、俺の冷徹な視線に気圧されたのか、しぶしぶと光の束を丸めて一枚の紙を作り出した。


『……ほれ、これが契約書じゃ。

 お前にはファンタズマ級のスキルを固定で一つ授ける。

 その代わり、異世界で生き延びて世界のバランスを保つ義務が発生する。これで文句なかろう!』


 俺は手渡された光の契約書を、上から下まで値踏みするように眺める。


「……ほう。ファンタズマ級のスキルね。どういったもんかしらねぇが強そうだな

 悪かねぇが、神様。この【貸借】じゃファンタズマなんて大層なもんに名前負けしてんじゃねぇか?」


***************

【貸借】

効果:対象の悪いものを借り、良いものを貸すことが出来る

—複数のスキルが統合されている

***************


『何だと!? 最高峰のスキルを授けるというのに、どこが不満じゃ!』

「世界のバランスを保つなんていう重労働リスクを背負わせる割には、初期資本(ボーナス)が少なすぎる。

そもそも、良いもの、悪いものなんて定義が曖昧すぎるだろ。

定義を定めるアイテムをよこしな。あと、いかばかりかの金を出しな

世界のバランスを保つのを頼むんならこれぐらいあって当然だろ?

あんたは人に異世界に行ってもらおうと頼んでるんだからな。」


 当然だ。取引には相応の代価が必要なんだからな。


『(チッ...生意気な...しかしこやつは必ず必要だからな...)

わかった。その条件を飲んでやろう。この天秤、、【天地の天秤】をやる。定義を定めるもんだからな、それ相応のランクがある。これはファンタズマだが、不完全だ。オリジナルはジェネシス級だが、そんなものをお主にやるわけにはいかん。

わかったな?だったらさっさとサインをしろ』

「あぁ、いいだろう。」


 俺は目の前にある契約書にサインをした。すると視界が真っ白になり、真っ先に青々とした空が見え、尻餅をついた。


「……っと。ここが異世界か。

って、おい神様。金をよこせとは言ったが、なんだよこれ」


レイズの手元には、神様から渡された「いかばかりかの金」と天秤がある。

だが、それは日本の1万円札や500円玉ではなく、異世界の【銅貨3枚】。


「チッ、あのクソ神、ケチりすぎだろ。

物価はわからねぇが、これじゃ今日の宿代と飯代で破産だろ」


自分のステータスを【鑑定】してみる。


*********

名前:玲司

職業:転移者

Lv.1


HP:10/10

MP:5/5

STR:10

VIT:10

AGI:10

INT:12

MND:10


スキル【タップして拡大】


状態:なし

*********


ステータスを眺めていると、

近くの草むらから、怪我をした商人が血を流して倒れこんできた。


「た、助けてくれ……魔物に襲われて、毒が……」


普通の人ならパニックになるところだが、元取り立て屋はにやりと笑う。玲司は冷静に商人を【鑑定】する


**********

名前:マルコ

職業:商人

Lv.3


HP:3/15

MP:0/6

STR:14

VIT:8

AGI:15

INT:16

MND:9


スキル【タップして拡大】


状態:毒 出血

**********

「おいおい、異世界に来て最初の顧客が向こうから転がり込んでくるとはな。

 いいぜ、お前のその『毒』、ウチが肩代わりしてやるよ。

 ――ただし、命を救った分、たっぷり謝礼でで回収させてもらうからな?」


玲司が初めて【貸借】のスキルを使い、相手の毒を自分の体に「借入」する。


[借入が完了しました]

[毒状態になりました]

[マルコの毒が解除されました]


「チッ...めまいがするぜ...」

「ゴホッ、、あっ、ありがとうございます!まさか神官様だったとは...

っ!..足が...」


運悪く商人は足をけがしており、歩けそうにない。


[条件不一致:一方的な「借入(毒)」は天秤を傾けます。早急に「貸出(返済)」、または相応の「対価(利息)」を渡してください]


「チッ、うるせぇ天秤だ。……おい商人、貸し一だぞ」


[取引が完了しました]

[5ダメージを受けました]

[マルコのHPが5回復しました 出血が解除されました]


商人の血は止まったが、傷はまだ深い

しかし、生きながらえることができたということでとてもこちらを見つめている。


「助けていただき誠に感謝します!私はマルコ、小さな商会の商会長をしており、此度の謝礼をそこでお渡しいたしますので、よければ街までご一緒しませんか?」


主人公は日銭となる金を合法的にむしり取れると喜んだ。


「あぁ、よろしく頼む」


玲司はそう言い、商人についていった。


御覧ありがとうございます!

本作は【毎日21時】に更新予定です。

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