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図書室ピエロの噂  作者: 鳴猫ツミキ(水鳴諒/猫宮乾)
【SeasonⅠ】―― 第九章:図書室ピエロ ――
52/66

【052】行方不明

 その後薺がスタッフコールを押すと、看護師さん達が駆けつけてきた。

 なんでもぼく達は、三日間行方不明だったらしい。

 病院中が〝そうぜん〟としていたそうだ。


「步夢!?」


 ぼく達を探してくれていた中には、水間さんや泰我先生もいた。透くんもいる。


「お兄ちゃ……ん? お兄ちゃんなの?」

「そうだ。步夢、よかった、步夢……!」


 ぼくのそばで、水間さんががばりと步夢くんを抱きすくめた。步夢くんが、おずおずと腕を回し返している。きっと、十二年も経ったなんて、いきなりは信じられないと思う。


「よくやったな」


 泰我先生が、ポンポンとぼくの頭を叩くように撫でたとき、亮にいちゃんとお父さんが入ってきた。ぼくと薺は二人に抱きしめられ、四人で抱き合う形になった。


「心配した」


 亮にいちゃんの言葉に、ぼくは少し考えてから笑ってみせた。


「ありがとう。でも、ぼくは大丈夫」


 ――それからが、大騒ぎだった。步夢くんは失踪してから七年以上経っていた上、外見が変わっていないこともあり、様々な手続きがあったらしい。勿論その前に、ぼくと薺も含めて、病院で全身を検査された。


 だが、元々の持病以外には、おかしなところはなにもないと判明した。


 こうして、ぼく達は、無事に戻ってきたのである。外の世界に。

 ぼくは、夏休み明けが待ち遠しい。果たして学校に、図書室ピエロはいるのだろうか?


 ぼくはことの〝てんまつ〟を哀名にメッセージで送っておいた。



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