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図書室ピエロの噂  作者: 鳴猫ツミキ(水鳴諒/猫宮乾)
【SeasonⅠ】―― 第六章:学校わらし ――
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【038】学校わらし

「ぼくも楠谷くんが正しいと思う。楠谷くんが言ってることは、筋が通ってる」


 すると人潟くんがそういった。


「俺も、楠谷は嘘ついたりしないと思う」


 西くんも声をはさんだ。西くんはぼくのそばにくると、ぼくのカタを抱いた。


「俺達三組の男子は、嘘なんかつかねぇ! なぁ、みんな?」

「そうだそうだ!」

「女子って本当に陰湿だよな!」

「哀名の悪口言ったりさ!」

「七海がいじめてただけだよなー!」

「七海さん、瑛のこと好きなんだもんなぁ。ああ、しっとって怖っ」


 男子達が口々にそう言うと、ボロボロと七海さんが泣き出した。ぼうぜんとぼくがそれを見ていると、西くんがぼくにいった。


「いやぁモテる男もつらいな。しかし、楠谷、よく言った! それでこその男子だ!」


 西くんの言葉に、ぼくはあいまいにうなずいた。

 そのとき、また見知らぬ子が言った。


「七海さん、正直にあやまったら? わたし、見てたんだ。七海さんが自分で、哀名さんの棚にリボンいれるところ」


 すると七海さんがビクリとしてから、今度は真っ青な顔になった。

 そして怯えるように顔を上げると、哀名を見て、小声で言った。


「ごめんなさい……」


 哀名は無行状でそちらを見た後、首を振った。


「気にしてない。だから、あやまらなくていい」


 そして哀名は、なんでもないように椅子に座った。ランドセルの中身を取り出している。


「ありがとう……」


 七海さんがそういうと、ほかの女子が男子をにらんだ。


「なにもそこまで言わなくてもよくない?」

「七海ちゃんは、楠谷くんのことがちょっと好きすぎただけだよ?」

「ば、ばか、〝ばくろ〟しちゃだめじゃない?」

「男子がもうしちゃったでしょ!」


 そのとき予鈴がなって、泰我先生が入ってきた。

 こうしてその場はおさまった。


 ぼくはチラリと窓のほうを見たのだけれど、もうそこには、見知らぬ子はいなかった。変だなぁと思いながらすごし、ぼくは昼休みに人潟くんに聞いた。


「ねぇねぇ、朝さ、窓のところに知らない子、いなかった?」

「ああ、学校わらしかぁ」

「知ってるの?」

「うん。座敷わらしの親戚で、学校に居着いてるんだよ。学校のみんなに幸せをもたらす存在で、今日はこの教室にいたんだ。だから哀名さんへの無視も、七海さんへの〝きゅうだん〟も、すぐにおさまったんだよ」

「そうなんだ」


 その言葉に、ぼくは哀名を見た。今日は哀名の周りに女子がいて、哀名も一緒に給食を食べている。見ていると無表情だった哀名が小さく笑っているのが分かった。


 よかったなと思いながら授業を受けて、ぼくは家に帰った。

 すると哀名からメッセージがきていた。


《ありがとう》




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