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図書室ピエロの噂  作者: 鳴猫ツミキ(水鳴諒/猫宮乾)
【SeasonⅠ】―― 第四章:読んではいけない本 ――
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【027】土曜日の図書室

 台風がすぎ、水間さんが図書師に行くと話していた土曜日になった。

 ぼくは、午後の二時につくように、図書室へと向かう。

 すると待ち合わせをしていたわけではないが、生徒玄関で哀名と会った。水間さんが『十四時』と話していたから、哀名もこの時間に来たのだろう。


 二人で図書室へ行くと、水間さんがすでに来ていた。


「水間さん、本はあった?」

「来たのか。いいや、見つからない」

「私も探します」

「……助かる。一人では骨が折れる」


 こうしてぼく達は、手分けをして、『読んではいけない本』を探すことにした。


「どんなタイトルなの?」

「俺が聞いたことがある話としては、『読んではいけない本』というタイトルで、作者名などは書かれていないらしい。それを読み進めていくと、ミイラ男が現れて、命を奪われるそうだ。見つけたら危険だから俺が読む」

「でも、ミイラ男が大人だったら、大人が取り押さえた方がいいんじゃないかな?」

「私もそう思う」


 哀名が同意してくれたとき、ぼくははたと思い当たった。哀名に読ませたらかわいそうだ。だけど、自分で読むのもこわい。


 ……。


 でも、きっと水間さんはミイラ男を倒してくれるし、哀名だって護符を持っている。ぼくは自分にそう言い聞かせた。


「ぼくが読むよ!」

「だが……」

「それに水間さんが死んじゃったら、ミイラ男に話が聞けないよ?」

「……でもな、情報と瑛の命を天秤にはかけられない」

「だったら全力でミイラ男を取り押さえてよ!」


 ぼくの言葉に、むずかしい顔をしてから、水間さんがうなずいた。


「あった、あったわ!」


 そのとき、哀名がいつもより大きな声をあげた。ぼくと水間さんがそろってそちらを見ると、哀名が一冊の本を手に持っていた。赤いカバーの本で、布の表紙みたいだ。金色の文字で、『読んではいけない本』と書いてある。哀名が差し出したので、ぼくは本を受け取る。そして近くの椅子に座った。ぼくの左右に、水間さんと哀名が立つ。


「読むよ」


 ぼくの言葉に、二人がうなずいた。




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