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異世界旅はハンマーと共に  作者: 月輪林檎
二人旅の始まり

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流れる噂

 それから十日が経った。基本的にはファングボアを狩りながら、帰りにフラワーマンティスを何体か狩るという生活をして、少しずつお金を稼いでいく。ついでに、レベルが二つ上昇した。


────────────────────


ヒナ Lv39『雷鎚ミョルニル』

職業:槌士Lv16

MP:8267/8267

筋力:7654(500)『3000』

耐久:6746(330)『2000』

敏捷:3846『1000』

魔力:2502『1000』

器用:2877

運:390

SP:390

スキル:【槌術Lv20】【両手槌術Lv10】【体術Lv8】【投擲Lv8】

【雷魔法Lv3】

【MP超上昇Lv61】【剛腕Lv39】【頑強Lv70】【疾駆Lv32】【知力Lv5】【至妙Lv25】

【騎乗Lv2】【採掘Lv58】

【MP回復力超上昇Lv51】【重撃Lv29】【暗視Lv75】【隠密Lv6】【見極めLv20】【気配察知Lv10】

【火耐性Lv8】【風耐性Lv6】【雷耐性Lv10】【雷電耐性Lv7】【斬撃耐性Lv5】【打撃耐性Lv10】【毒耐性Lv3】【痛覚耐性Lv10】【苦痛耐性Lv10】【激痛耐性Lv10】【精神耐性Lv10】

【高速再生Lv82】【竜の血Lv4】

【生命維持】【色欲】【不死】【女神との謁見】

職業控え欄:旅人Lv1 平民Lv18 採掘者Lv48


────────────────────


 そこそこ良い感じで伸びたと思う。アリサの援護を受けて、基本的に私が倒すようにしているのと戦闘中は常に雷鎚ミョルニルで雷を纏って身体能力を上昇させているのが効いている感じだ。

 後は新しく二体のぬいぐるみを購入した。茶色の猫と牛のぬいぐるみだ。可愛らしいのがあって良かった。

 そろそろ次の街の情報も集めておこうかなと思い始めた頃、ギルドの中がいつも以上に騒がしくなっている事に気付いた。

 その中でいつも通りに受付に向かう。今日はユイリナさんはお休みみたいなので、他のお姉さんから話を聞く。


「何かあったんですか?」

「実はこの近くでダンジョンが発見されたというにわかには信じがたい情報が入ってきたんです。それがいつの間にか冒険者の方々にも広がっていて、少し騒がしくなっているのです」

「ダンジョン? そんなのがあるんですか?」


 思えば、この世界に来てダンジョンに関する情報は聞いた事がない。イースタンにもヌートリアにもダンジョンはなかったし。


「ダンジョンというものの存在自体はあります。ですが、数がかなり少ないのです。なので、ダンジョンが出来れば、それだけで街に活気づきます。ただ……新しいダンジョンが確認されたのは、今から……大体二百年近く前なんです」

「うわぁ……凄い昔ですね」

「はい。なので、あってもおかしくはないですが、本当にあるのかという疑問が生じています。現在、ギルドと騎士団で情報を集めているところです」

「ダンジョンは、どういうものなんですか?」


 そもそもこれを聞かないと、何故活気づくのか等が分からない。


「多くのモンスターを内包する迷宮です。中には、宝箱があったりと謎が多いところなのですが、その壁の内側に鉱石を持っていたりと、資源的な意味合いで重要なものとなります。ただし、最初にも述べた通り、多くのモンスターが棲み着いており、本当に危険な場所となります。総死者数一千万人以上と聞けば危険性をご理解頂けると思います。

 無論、これは正確な数字ではありません。もしかすると、これよりも遙かに少ないかもしれない。それでも何万人という死者がいるのは確実です。一つの油断が死に繋がる。外で野営をするよりも危険な場所と言われているのがダンジョンです」


 総死者数一千万人以上。この国の人口はどうなっているのかと思ったけど、これがいつ頃からの集計しているのかも分からないので、何とも言えない事に気付いた。もしかしたら、何千年も前から集計しているのかもしれないし。まぁ、正確かどうかで言えば、そうではないのだろうけど。


「この国には、九つのダンジョンがあります。この近くにはありませんが、そのどれもが国の管理下にあり、最深部を探して探索が進められています。因みに、最深部まで調べ終えたダンジョンは一つもないそうです」

「え? 一つもですか?」

「はい。一つもです。一説には、ダンジョンの下には飲み込まれた街があるだとか、無限に広がる世界があるだとか、地獄に繋がっているだとか、天国に繋がっているだとか言われています」

「飲み込まれた街?」


 色々な説の中で、それが引っ掛かった。返しの付いた釣り針のように引っ掛かって中々抜けない感じだ。私の頭は、それを何かに繋げようとしている。


「はい。ダンジョンの入口がある場所の一つは、元々大きな街があったそうです。ですが、それが飲み込まれてダンジョンの奥底に眠っているという話ですね。割とデタラメな話なんですが、どこかの国の首都だったとか。

 何故デタラメな話なのかと言いますと、街があったにしてはダンジョンの出入口が小さいからです。これなら街を飲み込むのではなく街の中に出来るだろうというのが世間一般から言われている事ですね」

「なるほど……」


 引っ掛かった理由が分かった。もしかしたら、ダンジョンの下にある街というのがアリサの故郷なのかもしれないと思ったからだ。首都という言葉を聞いて気付いた。考えすぎという事も十分にあり得るから確信はない。

 それに、これがもし本当だと考えたら、アリサは二百年以上前の人という事になる。まぁ、それはそれでアリサの事を知っている人がいないという理由に繋がるのだけど、繋げて考えるには強引過ぎる。あまり気にしないでおこう。


「仮に今の話が本当だとしたら、ダンジョンが出来た瞬間に周囲の物質が飲まれる事になりますよね?」

「はい。そうですね。なので、ダンジョンが物質を飲み込むのが嘘なのか、ダンジョンが出来た事が嘘なのかという話になります。私としては、後者だと思っています」


 受付のお姉さん的には、ダンジョンが出来たという事が信じられないらしい。いや、お姉さんの顔を見る限りでは、そうじゃない。恐らく、ダンジョンが出来る事でお姉さん達の仕事も増えるのだろう。仕事を増やしたくないという意思を感じる。


「でも、ダンジョンが出来た噂なんて、どこから来たんですか?」

「う~ん……」


 お姉さんは少し迷ってから私達に手招きをする。なので、アリサと一緒にお姉さんに顔を近づける。


「最近モンスターの数が多いという報告を各所で受けている事に加えて、この辺りでは見ないモンスターを見掛けるという話も入っているんです。そこからダンジョンからモンスターが出て来ているのではという話が出て来て出回った感じです。ギルド内では、モンスター達の縄張り争いが起きた結果、分布が変化しただけではと考えています。騎士団としている調査はそういう実態を調べるためにも行われているという感じです」


 条件が重なっているから、ダンジョンなのではという話が出て来たらしい。そのまま噂が一人歩きして広がったという感じかな。


「というわけで、ヒナ様とアリサ様も何かしらの情報を得た場合は報告して下さい。場合によっては、特別報酬を出す事が出来ますので」

「お金で釣るという事ですね」

「冒険者が一番食いつく餌ですからね」


 お姉さんと笑い合ってから、いつも通りにファングボアの依頼を受注してギルドを後にした。

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