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異世界旅はハンマーと共に  作者: 月輪林檎
異世界旅始め

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襲い掛かるワニ

 湖周りを走りながら、現れるマッチョボアやホーンラビットを狩っていると、マッチョボアが目の前を通り過ぎて行き湖に落ちていった。


「わぁ……お馬鹿だ……」


 マッチョボアが溺れている様を見ていると、そのマッチョボアを咥えて、五メートルくらいのワニが出て来た。マッチョボアを噛みながら地上に上がってきて、マッチョボアにトドメを刺す。あんなに大きなマッチョボアを咥えられる事に驚いた。

 そして、ワニは私を見ると勢いよく走ってきた。


(うわっ!? 嘘っ!?)


 ワニから逃げるように走ろうとすると、私の背後にもう一匹のワニが飛び出してくる。


「それはないでしょ!?」


 雷鎚トールを掴んで、突っ込んでくる方のワニの鼻を横から殴る。すると、横にくるくるとローリングしていって木にぶつかった。その姿から視線を切って、後ろから飛び掛かってくるワニを下から打ち上げる。

 先程転がしたワニが体勢を整えて飛び掛かってきたので、雷鎚トールに雷を纏わせてから振り返る勢いを乗せて叩き付ける。打撃と雷撃の二連攻撃でワニが動かなくなった。


『ヒナのレベルが上昇しました。10SPを獲得』


 レベルが上がった表示を即座に消して、再び雷鎚トールに雷を纏わせて、先程打ち上げてひっくり返っているワニの腹に上から叩き付けて倒した。こっちではレベルは上がらなかった。


「そこまで経験値的に美味しい訳では無いのかな。いや、私のレベルが高くなっているから連続レベルアップがなかっただけかも。それにしても、一応強そうなワニでも勝てるくらいには強くなってるみたい。後は、雷獅鷹の衣が雷ダメージを抑えてくれるのが有り難いなぁ」


 こうして雷鎚トールに雷を纏わせても、雷獅鷹の衣に含まれている手袋で雷ダメージが最小限に抑えられている。ちょっとピリピリするなくらいで済んでいるから急がないといけないとかもないし、思いっきり雷を纏わせなければ火傷もない。

 雷鎚トールをもっと上手く扱えるようになったというのが、私の強さに大きく繋がっていると思う。


「取り敢えず、回収しておこう」


 マッチョボアとワニを回収して、再び湖の周回に入る。そこからは倒す対象にワニも加わる。湖から離れた陸にいるのなら、雷を纏わせられるから、安全に狩る事が出来る。そこまで出て来るワニは少ないから、狩れた数は少ないけど。


「結構大きな湖だなぁ。帰るのがギリギリになりそう。でも、その分狩れてはいるかな」


 結構日が傾いてきた頃に、ようやく湖を一周できた。湖の側に小屋があったりして、そこで休憩をしている冒険者の姿も見えたので、ここが冒険者にとっての狩り場である事がよく分かった。

 それがお金か経験値かその両方かは分からないけどね。一つ言えるのは、四体倒したけど、あれからレベルは上がっていないという事。美味しい経験値ではあるかもしれないけど、ポンポン上がる程ではないらしい。


「取り敢えず、急がないと」


 川に沿って走っていき、ヌートリアへと帰還する。ギルドに入ると、受付にカトリーナさんがいた。ちょうどカトリーナさんが空いたので、カトリーナさんの元に向かう。


「おかえりなさい、ヒナちゃん。随分遅くまで掛かりましたね」


 カトリーナさんは、いつもと少しだけ声色が違う。怒っているというよりも想定よりも遅かったから驚いたみたいな感じかな。


「湖を一周していたので」

「それはそれは……大きくて驚いた事でしょう」


 カトリーナさんもまさか私が湖を一周もしているとは思わなかったみたい。湖の大きさを知っている人だからこそ、驚いているという感じかな。


「はい。想定よりも大きかったです。でも、結構人もいました」

「この辺りでは、湖に住むレイククロコダイルでレベルを上げるという事が基本になります。それもDランクからの話ですが」

「じゃあ、あそこにいたのは、基本的Dランクという事ですか?」

「大体はそうなります。パーティーを組んでいれば、Eランクの冒険者もいると思われますので。さて、そろそろお仕事のお話をしましょう」

「あ、はい」


 カトリーナさんは、他の職員さんに受付を任せて、私を解体場へと連れて行ってくれた。午前中の報告で解体場に行った事を知っているのか、マッチョボアの討伐だからなのかは分からないけど、即座に配慮してくれたみたいだ。まぁ、実際いっぱい出さないといけないから解体場の方が有り難い。

 そこの開けている場所にマッチョボアを四十三体、ホーンラビットを五十一匹、メディカルバートを十五匹、レイククロコダイルを四体出す。湖を一周する関係で森の奥の方にも行っちゃったから、モンスターが次々に襲ってきて、結局午前中よりも多く狩る事になった。


「これは……本当に沢山狩りましたね」


 後ろの方で解体業者の人達も目を見開いていた。そして、すぐに慌ただしく動き出す。ちょっと悪い事をしてしまったかな。こんな夜に沢山の仕事を増やしてしまったわけだし。

 その慌ただしさの中でも、カトリーナさんはテキパキと査定をしてくれる。


「これは……レイククロコダイルは、少し焦げ跡がありますね。申し訳ないですが、査定額は少し下がってしまいます」

「はい。売れるだけ有り難いです」


 雷鎚トールの雷を使っているから、どうしても皮の一部が焦げてしまう。そのせいで査定額は落ちてしまうのだけど、正直売れれば良い。そこまで気を遣った状態で狩りが出来る程安定して狩れる相手と決まった訳でもないから。今は安全な場所で戦っているだけだし。


「全部で十八万リルになります」

「おぉ……やっぱり高い」

「いえ、普通はこんなに稼げませんよ。これは【アイテムボックス】を持ち且つ強い方だけのものです。ヒナちゃんは継戦能力が高いようですね」

「そうですね……イースタンでは、基本的に戦い続けていましたから、それで体力が付いたんだと思います」


 ホーンラビットを相手に走り回りながら戦っていたので、その分体力が付いたと考えられる。後、スタミナ管理が出来ているというのもあるかな。

 それにインベントリがあるから、普通のEランクよりも沢山稼げているという感じだ。普通の冒険者は荷車を持って移動したり、自分で解体したりするものみたいだし。

 解体場の人達に頭を下げてからカトリーナさんと一緒に受付の方に戻ってお金を受け取る。


「それじゃあ、また来ますね」

「はい。ごゆっくりお休み下さい」


 カトリーナさんと手を振って別れて、私は昨日カトリーナさんと食べた食堂で夜ご飯を食べてから、宿に戻ってお風呂でゆっくりと浸かる。


「ふぅ……明日からは午前中に湖近くで戦って、マッチョボアを中心に、安全そうならメディカルバートとレイククロコダイルを狩れれば良いって感じかな。最低限のお金を稼いで、午後は普通に観光する感じかな。この稼ぎなら余裕は出るだろうし。雷獅鷹の衣も、まだ直す必要もなさそうだし。ゴンドラに乗ってゆったりとするのも良いかな」


 お金の余裕は出来そうなので、観光も視野に入れて滞在する事にする。ゴンドラとかに興味があるしね。他にも色々なお店を見て回るのも良い。


「そういえば、ここにはミモザさんもいるんだよね……もう行っちゃったかな?」


 ここに少し滞在するという話を聞いているから、本当に会えれば一緒に観光とかも出来るかもしれない。それを考えると、ミモザさんを探すというのも有りかもしれない。聖女様だから、話を聞いたら見つかるかもしれないし。


(小説読もうかな……でも、全部読み終えちゃったんだよね……まぁ、良っか)


 インベントリのメニューから小説を読む事で、お風呂でも本を湿気させずに読む事が出来る。お風呂での暇つぶしに最適な方法なので助かっている。一番近いので、電子書籍みたいなものかな。まぁ、電子書籍だとしたら水没させそうという怖さがあるけど、これはそれもない。


「ドラゴンかぁ……そういえば、私に血を浴びせてきたドラゴンは無事なのかな」


 私は盗賊のところから逃げ出した後、空から降って来たドラゴンの血を浴びている。その事から怪我をしているのは間違いないので、その後が無事だったのかは本当に分からない。

 まぁ、ドラゴンの心配をするというのが、そもそもおかしいかもしれないけど。


「ヌートリアの方に飛んでいたから、ここら辺にいる可能性もゼロではないのかな」


 もしここら辺で会ったら、仲良くしてくれると嬉しいな。あのドラゴンの血で【竜の血】に目覚めているわけだし、あのドラゴンの仲間と認識される可能性はゼロじゃないと思うし。

 大分温まったのでお風呂から上がり、水気をしっかりと取る。ベッドに寝転がってシスター熊のぬいぐるみを抱きながら、ゆっくりと眠りに就いた。

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