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果てなき空で”果て”を目指す物語  作者: 琉 莉翔
謎の集団 リリオウド編
304/304

バケモン狩り

 サグとエボットは同時に攻撃を仕掛けた。

 雷を纏わせた剣と、シンプルな棒形の槍が迫り、王を同時に攻めた。だが王は、その二つの間をすり抜けるようにジャンプした。

 空へと飛び上がった王をサグがジャンプして追いかける。

 王はサグの攻撃にも全く動揺せず、堂々と蹴りで迎え撃った。

 念属性を使えないサグは空中で体勢を変える事ができない。強烈な蹴りを剣で受け止める。

 そのまま、絶対に逃さぬよう腕で足をホールドし、ぐっと自分側に引き寄せる。


「エボット!」


 サグが叫ぶよりも少し前に、エボットは空中へ飛び上がっていた。

 氷で自分の腕全体を硬くして、攻撃防御を同時に上げている。

 そのまま腕全体を大きく構えて、王の脛を狙った。だが王もそれは読んでいる。

 空中で念属性の魔法を発動し、自分の体を空中に留め、足にしがみついているサグを直接武器として振り回す。

 エボットは空中でサグと激突仕掛けてしまう。サグもエボットも、空中で自在に動く手段は無い。

 激突ギリギリのところでサグは足を伸ばした。

 エボットはその意思を瞬時に察し、足を掴んで空中でさらに飛び上がった。

 

「なにっ!?」


 飛び上がったエボットは、王がいる位置のさらに上へと辿り着く。

 エボットの持つ槍の射程はサグ以上、そしてこの時、エボットは初めて武器に魔力を流し込んだ。

 冷気が槍へと入り込み、まるで一体化したかのような馴染む感覚が腕から心臓へと流れてきた。


「いいねえ」


 誰にも聞こえない大きさの声で呟き、そのまま勢いよく槍を突き出した。

 王の肩に命中し、貫きこそしなかったが、その痛みは肩の骨へと響く。

 命中を見たサグは、さらに動きを変えて剣を空中へと放り投げ、空いた腕の肘で王の喉へ肘を落とした。

 一瞬とはいえ呼吸を忘れ、痛みと衝撃が思考を激しく鈍らせる。

 思わず念属性を解除してしまった王は、間抜けにもそのまま地面へと落ちていってしまった。

 二人は追撃の体勢を整えながら落ちていく。だがそれは王の作戦、読み通りの出来事。

 空中で再び魔法を発動し完璧な体勢で着地し、身体強化へと意識の全てを集中させた。 

 落下中の二人の元へ、たった一度のジャンプで飛び上がり、両腕のラリアットで二人の首を攻撃、天井を突き破った。

 

「があっ!」

「ぐおっ!」


 二人は王宮の屋根を転がり咳き込む。

 喉のダメージは小さく無い。だが相手の攻撃も不完全だった。どちらかといえば変わったバトルフィールドの方が気がかりである。


「大丈夫か?」

「立ちにくいぐらいかな? 背中ちょっと痛いし」


 サグがバランスの悪い足場で立ち位置を調整しながら、すぐに攻撃が繰り出せるように体を整えた。

 エボットもだが、屋根という事で、斜めになったフィールドが厄介に機能している。

 王も屋根へと来ている。条件は五分、ではない。王は念属性の魔力を使える上に異常な身体強化をしている。

 戦う場も悪くなり、実力も十分以上に高い相手。

 エボットはその状況で、小さく笑った。


「行くぞサグ、バケモン狩りだ」

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