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No.1 高校2年生の春。

高校2年生の春。


無事進級することができた。


私の名前は、佑々木花。

私が在籍している高校は私立四ツ橋高等学校。

県内屈指の進学校で偏差値は60代後半から70台。

中学生の時から勉強を頑張ってなんとか滑り込みギリギリで入学したものの、周りのレベルが高すぎて常に進級ギリギリを攻めている。

しかもこの高校には普通科しか存在せず、全てのクラスが平等にスパルタ教育を受けさせられる。

入学したことを一年生の時に後悔した。


しかし、一つ良かったことがある。


『花ー!おはよー!私たち同じくクラスだよ!』

『え!ほんと!?嬉しい!嬉しすぎる!』


高校に入って初めて友達になった女の子赤石真緒だ。

真緒は、ふわふわの茶髪の髪をいつもおしゃれにヘアアレンジしていてメイクも上手でとても女子力が高い。いつも優しくて可愛い真緒は自慢の友達だ。

そしてなんと成績も優秀でおうちもお金持ちのお嬢様だ。この高校に入らなければこんなに素敵な友達は出来なかっただろう‥。今日も可愛くていい匂いがする。視覚、聴覚、嗅覚すべての五感に働きかけてくる可愛さと尊さだ。


『でも、ヒラマサとはクラスが離れちゃったんだよね。』

『あ、そうなんだ‥』


ヒラマサとは、平井将生。

成績学年一位で特待生として入学している。有名な国立大学への進学を噂されているエリート男だ。

顔立ちも整っており、色白で華奢だが、身長が高く180cmほどある。切れ長な一重の目がクールビューティーだと真緒はいつも言っている。

‥私には死んだ魚の目に見える。


愛想もなくいつも読書しており、運動もあまり得意じゃないそうだ。

正直、どこがかっこいいのはいまいち分からない。

真緒は、結構打算的なタイプだから将来有望なヒラマサに惹かれたのだろう。


『でも、私は真緒と同じクラスになれて嬉しいよ!』

『ふふ、私もだよ!2年は修学旅行もあるもんねー、楽しみだー!』

『ね!最高に楽しみ!』


幸せな時間も束の間。


中間試験前になった.


『無理すぎ‥』

『花ちゃん、勉強頑張りましょうね〜♪』


真緒に誘われて、放課後に教室で勉強している。前回のテストでは数学だけ赤点を取ってしまったが他の科目もお世辞にも良い点数とは言えない出来だった。


『とにかく暗記よ!英語と世界史は暗記しな!』

『暗記‥』

『数学は補修があるんでしょ?』

『そうなの〜もう無理〜前のテストで赤点取っちゃったからだー』

『花が悪いね』

『わーん』


『あれ!あれあれー?佑々木も補修組?』


廊下から声をかけてきたのは、2組の柳田雄大だ。

去年同じクラスだった。万年赤点男だ。

勉強は苦手だが、運動ができる。サッカー部のエースだ。


『そうだよ。柳田は万年赤点だもんね。』

『うるせー!期末で赤点取ってるやつに言われる筋合いないね!』

『うるさいわね、向こう行きなさいよ!勉強の邪魔なんですけどー!』

『態度悪いな!佑々木なんてブスブース!』

『なにそれ、小学生ですか?‥てか、数学の石田先生の補修ってどこでするのか知ってる?』

『ん?石田先生は俺のクラスの担任だからな。2組の教室でする予定って言ってた。』

『あー‥なるほど。』


すると、隣にいた真緒の目がキラーンと輝いた。


『え!2組行くの?良いなー!私も赤点取ろっかな!』

『真緒ちゃん、何言ってんの‥恋は盲目だね』

『だって私も補修行きたい!』

『あいつが補修受けるわけないじゃん』

『あ、確かに』


するとニヤニヤしながら柳田が真緒を見つめる。


『え、なになに、赤石って2組に好きなやついんの?だれー?』

『ふふん。誰でしょ?』

『えー、ヒラマサとか?』

『そうそう!ヒラマサ‥!て、え!?なんで分かったの!?』

『お前わかりやす過ぎるんだよ』

『なっ!』


雄大の発言に顔を少し赤くする真緒。可愛い‥。

というか、柳田とヒラマサは同じクラスなのか‥。


『‥学年一位のヒラマサと学年最下位の柳田が同じクラスになるのは必然的か。』

『なんだと!』

『確かに』

『こう見えて、俺はヒラマサとは幼馴染なんだぞ?それにそもそもここの高校は超進学校なんだからここに入れてる時点で俺はバカじゃない!』

『確かに!んじゃ私もバカじゃない!』

『そう!俺たちはバカじゃない!』


イェーイと柳田と花が2人でハイタッチする。


『花と柳田って仲良しだよね。付き合ってんの?』


『『付き合ってない!!』』


2人して声を揃えて真緒に突っ込んだ。

すると真緒は腕を組みながらニヤリと笑い柳田に近づいていく。


『‥ふーん、まあでもヒラマサと柳田が幼馴染なのはなんとなく知ってたんだよね。ほんとだったんだ〜?良いなー!』

『まあな〜ヒラマサのことならなんでも知ってる!』

『えー!何か教えて!』

『ひとつ教える代わりに1000円な。』

『えー高すぎ!』

『ケチな男だね』

『まあ、そういうならお前たちにひとつサービスとして教えてやろう!』

『おっ!』

『え、なになに!』


キラキラと瞳を輝かせる真緒。


『ヒラマサの好きな飲み物は、苺ミルクだ!』

『えー可愛い!!』

『ちなみに甘党だ。』

『ギャップ萌え過ぎ!胸キュン!』

『‥へー』


くだらない。どうでもいいな‥。

けど、真緒は目をキラキラ輝かせながら柳田のことを見つめている。


『めちゃ可愛い!!!好きな食べ物は?』

『これ以上は有料会員限定のレア情報だから無理だな。』

『えー残念。んじゃまた売店のパンでも奢る!』

『お!物分かりの良い女だな!』


ガラッと教室の扉が開いた。


『柳田ー、補修だぞー。遅れたらテストの範囲教えてやんないぞー!』


廊下から英語の先生が声をかけてきた。


『呼ばれてるぞ。赤点男。』

『うるせえ!どうせお前も明日、補修だろ!』

『また明日ねー分かったから早く行きなさい』

『たっくもう‥わかったよ!待ってー!先生!』


情けない顔をして、英語の先生を追いかけていく柳田。その様子を見てクラスの男子が笑いながらヤジを飛ばしていた。

バカだけど、憎めないキャラ。

かという私も明日、数学の補習なので人のことは言えない。

さて、勉強するか‥。


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