65.再開!ルシファー
ハル達が魔界に来た翌日、歓迎会は盛大に行われ、何事も無く終了した。
そしてその次の日ハル達は応接間でリリスに呼ばれていた。
「皆の者、昨日はご苦労じゃったの。皆楽しんでおったぞ」
「いえ、こちらこそ。こんな豪華な歓迎会を開いて貰って」
「恐縮するでない。お主らは我が国にとっての支配し……恩人じゃからの」
一瞬、聞いてはいけない言葉が聞こえた気がするがハルはスルーした。リリスは上機嫌で続ける。
「そういえば、お主らはこれからどうするのじゃ? 1週間も滞在するとなれば色々行きたかろう」
「1週間?」
「そうじゃ、言うのを忘れておった。締結祭は2週間に渡って開かれる。前半の1週間をここで残りは天界で過ごす約束じゃったな」
うっかりというようにリリスはカラカラと笑い、屋敷のメンバーはその様子に苦笑した。
一通り笑うとリリスは引き出しからとあるものを出した。1つ目の小型の悪魔らしき者でメンバーは乗り出して、それを見た。
「これは?」
「案内用の悪魔じゃ。魔界は広いからの。後護衛にもなるぞ」
リリスがほれ、というとその悪魔は目からビームを出し、紙を燃やした。
おおーと感心するメンバーにリリスは得意げになり、メンバーにその悪魔を貸し出した。
「ねぇ、悪魔さん。図書館はどちらに?」
『ソレナラ、300メートルサキ、ヒダリニマガル』
「ありがと」
ハルは悪魔に道案内されながら、図書館に向かった。
魔界に来てもハルのやる事は変わらず、ハルは浮き足だってそこに向かっていた。
(にしても、ラッキー! 本来ならとても高貴な人しか入れない図書館に行けるなんて! それに魔界の本よ? どんなのがあるのかしら。やっぱり人間を惑わすための本かしら、でもあの世界観ならビジネス本もありそうね)
ウキウキしながらハルは図書館に入ろうとしたその時、自分の手を掴む感触がした。
その方向に目を向けると、なんとルシファーが自分の腕に抱きついていたのだ。ハルは驚いて慌てて彼女を振りほどいた。
「ヒドいじゃない! いきなり振り落とそうとするなんて!」
「それについてはごめん……でもいきなり抱きついて来たからさ」
「だからって!?」
涙目になるルシファーに申し訳なくなったハルだったが、なんとも無さそうなのを確認すると図書館に入ろうとした。しかし、すぐにルシファーが止めに入る。
「ちょっと、人間! 付き合ってほしいところがあるんだけど!」
「お断りしまーす。私忙しいのでー。あと、ハルって名前で呼んで」
「な、な、な!」
そう言ってまた泣きべそをかくルシファー。流石にハルもいたたまれなくなったのか、彼女の側に来てしゃがみ、宥めるように聞いた。
「……で、付き合ってほしい場所って?」
「よくぞ聞いてくれたわね! デパートに行きたいのよ!」
「……何で?」
「も~~! 決まってんじゃない! アタシの誕生日プレゼントよ!」
「そんなの私じゃなくてもいいんじゃないの?」
そういって怪訝な顔をするハルだが、ルシファーは立ち上がりドヤ顔で言った。
「人間のセンスを知りたいの! それに魔界を案内したいしね! ハッハー! 崇めろ!」
「別に図書館が分かれば何でもいいんだけど……聞いてないし……てか崇めろって」
「さあ行くわよ!」
「え!? ちょっと!?」
ハルが立ち上がるかどうかの寸前でルシファーはハルの手を掴み、そして走った。
ハルはこれから起こることに絶望しながらルシファーにされるがままだった。




