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第5話:コカインと月光粉のあいだ

Chapter Soundtrack:

Snoop Dogg feat. The Doors - "Riders on the Storm"

(BGM: 澄み切った青空の下、泥道を歩きながらそれぞれの過去を語り合う旅路と共にどうぞ)

パーティーは北へと続く一本の泥道を進んでいた。

太陽がゆっくりと空へ登り、道の両脇に咲く野花と青々とした草むらを照らし出す。


朝風にそよぐピンクのミニスカート。

かつて超高級ブランドの仕立て服を着て、国際誌の表紙を飾っていた男にとって、これほど屈辱的な衣装もない。

隣ではトリクシーが、うっとうしいハエのように漂いながら様子を観察している。


「何してんだよ?」キムが低音で囁いた。


「死後の行動データを記録中よ」


トリクシーは空中に浮かぶ魔法のタブレットに手際よくメモを走り書きした。


「現在の状態:実存的二日酔い+自尊心の低下+伝統的女性衣装への拒絶反応」


「記録してない時に普通に喋れないのか?」


「あなたの精神的成長、もしくはメインクエストに関連がある時だけね」


キムは黙り込んだ。まあ、ケツの痒みが消えただけでも良しとすべきだろう。


先頭を行く銀髪の剣士は、一定のペースを崩さず進んでいく。

後ろの盗賊も、レベル3出血のデバフによる冷や汗を拭いながら、なんとかついてきていた。


「ねえ……」


魔法使いの少女が、遠慮がちにキムへ寄り添ってきた。


「あなた……ここに来たばかりなのよね?」


「まあな」


キムは憐れみの混じった好奇の視線を避けるように、明後日の方向を向いた。


「死ぬのって、どんな感じだったの? ここに来る直前のこと……」


キムは少し躊躇してから答えた。


「VIP用のクラブで、上物のコカインにヤバい粉が混ざっててな。心臓が止まった」


魔法使いの少女はパチパチと瞬きをした。「コカイン」という単語が全くピンと来ていないようだ。中世の農民にスマートフォンについて尋ねるようなものである。


「コ……カ・イ・ン……?」


彼女は一音ずつ確かめるように呟いた。


「それ……食べもの?」


「いや、食べ物じゃない」キムは首を振った。「白い粉末でさ、鼻から吸ったり注射したりすると最高の気分になれるんだ。……でも依存性があって、最終的に死ぬ」


「まあ……」少女は悲しそうに目を伏せた。「私の魔法学院の同級生と同じね」


「オーバードーズで?」


「ええ」彼女は深く頷いた。「回復ポーションを調合する時に材料を間違えて、毒殺しちゃったの」


白いローブの裾を指で弄りながら、彼女は過去の記憶を辿る。


「彼の名前はカエル。私より二つ上の先輩だった。ある日、レベル4の再生ポーションを作ろうとして……白い『月光粉』と『銀蜘蛛の毒粉』を間違えちゃって」


キムは魔法の知識など皆無だったが、静かに耳を傾けた。


「それで?」


「飲んじゃったの」彼女は唇を噛みしめた。「すぐに顔が真っ白になって……体が震え出して……助けを呼ぶ前に倒れちゃった」


気まずい沈黙が流れる。草原を吹き抜ける風の音だけが響いていた。


「みんなラベルを確認しなかった彼が悪いって言ったけど……本当は教え方が間違ってたんじゃないかって思うの。先生たちがもっとちゃんと監視していれば……」


「自業自得よ」


先頭を歩く剣士が冷ややかに言い放った。


「確認は基本中の基本。失敗すれば死ぬ。それだけの話よ」


冷徹な論理。慰めの言葉など微塵もない。キムは思わず彼女の背中を見つめた。まるで新兵の凡ミスを叱責する鬼教官のようだ。


「……そういえば、まだ名乗っていなかったわね」


剣士が振り返り、短く言った。


「私の名前はタラ」


「キム・ミンジュンだ」キムは少し声を張った。「……キムと呼んでくれ」


「私はウンバよ!」魔法使いの少女が元気に微笑む。


「……俺はアイレフだ」盗賊の青年も弱々しく名乗った。


こうして、ピンクのスカートを履いた元アイドルと、癖の強い三人組の道 haku が本格的に始まった。

第5話をお読みいただきありがとうございます!

道中でようやく互いの名前を交わし、自己紹介(?)を果たしたキムたち。麻薬のオーバードーズと魔法の調合ミスが同列に語られるシュールな会話をお楽しみいただけたでしょうか。

今回のチャプターBGMは Snoop Dogg feat. The Doors の "Riders on the Storm" です。どこか哀愁漂う名曲と共に、ニンジン村への道のりをお楽しみください。

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマーク登録と評価(★★★★★)をお願いします!


Thank you for reading Chapter 5!

The party finally exchanges names on the road to Carrot Village. Only in an isekai comedy could a drug overdose and a botched potion mixing accident be mourned as the same tragedy.

Today's soundtrack features "Riders on the Storm" by Snoop Dogg feat. The Doors—the ultimate laid-back cruising track for four dysfunctional adventurers walking a dusty trail.

If you’re enjoying Min-jun's misadventures, please Bookmark the story and leave a 5-Star Rating (★★★★★)!

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