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第11話:首級と偽善の倫理

Chapter Soundtrack:

The Chicks - "Traveling Soldier"

(BGM: 哀愁漂うカントリーの旋律と共に、ギャグの皮が剥がれ落ち、RPGの残酷な現実と種族の偽善に打ちのめされる瞬間をお聴きください)

グリットゴブの姿はすでにそこになく、ただ数秒前まで彼が震えていたぬかるみだけが残されていた。静寂を破ったのはトリクシーだった。税金の話でも始めるかのような平然とした態度で、キムの目の前まで浮遊してくる。

「ハグを交わし始める前に言っておくけれど」妖精はコーヒーを一口すすると言った。「技術的な詳細を伝えるわ。ミッションはまだ完了していないのよ」

「はあ!? なんでだよ!」キムは震える手でリュートをぶら下げ、息を切らしながら抗議した。「あいつを精神的に叩きのめしたろ! 泣きながら逃げ出したんだぞ、トリクシー!」

「それこそが問題なのよ。『泣いて逃げた』はシステムで確認可能な状態ではないの。ナブコの契約書は敵リーダーの物理的な証拠を要求しているわ。感情的な証言は、どれほど感動的であってもシステムにはカウントされないのよ」

魔法の残光で手を銀色に光らせたままのウンバが、目を閉じて一言呟いた。先ほど雑魚ゴブリンを縛り上げた光の鎖が茂みの中へと一直線に射出され、見えないパニックの足跡を追っていく。二十メートル先の草むらから、押し殺した悲鳴が聞こえた。

オークの木の根元に丸まっている彼を見つけた。光の鎖が体に食い込み、犬の頭蓋骨の兜は脇に転がっている。兜を失ったグリットゴブは、ダンジョンボスでも収穫物の災いでもなかった。ただの、小さく、汚く、鼻水まみれで、本当に泣きじゃくって目を腫らした小鬼だった。

「だ……誰にも言わないでくれ……泣いてたなんて……」

グリットゴブは声を切らし、先ほどまでの威勢を完全に失って囁いた。「頼むから……」

「なぁ……耳を切り落とすか、証拠としてあの兜をもらって解放してやらないか?」キムは惨めな光景に同情と嫌悪が入り混じった目で彼を見つめた。「結局のところ、野菜を盗んでただけの不細工な子供だろ」

アイレフは迷いが議論に変わるのを待たなかった。キムが言葉を言い終える前に、盗賊は素早く一歩踏み出し、奪ったナイフを抜くと、無駄のない正確で外科手術のような動作で、グリットゴブの首を一刀のもとに切り落とした。

ゴボリという肉の音が血の泡立ちに飲み込まれる。二度目の衝撃——骨と肉を断つ鈍い音が響き、ウンバの光の鎖が消える前に、頭部が胴体から切り離された。

首は重い音を立てて泥の上に落ち、数センチ転がってキムのピンクのスカートの裾に触れ、布地にねっとりとした赤いシミを残した。

凍りつくような静寂がパーティーを包んだ。ウンバは悲鳴を噛み殺して口を覆い、後ろへたじろいだ。キムは金縛りにあったように立ち尽くし、鼻水とパニックの表情が永遠に凍りついたグリットゴブの生首を見つめていた。

「なに……何やってんだよ、クソ野郎!?」

キムは顔から血の気が引いていくのを感じながら叫んだ。「話し合ってたろ!!」

「話し合っていたのではない。時間を無駄にしていたのだ」

アイレフは屍体の太ももでナイフの we-刃を拭いながら、フォークでも拭くかのような平然さで言った。

「契約は排除の証明を求めている。首は最も標準的な証明だ」

「泣いてたんだぞ! ただの子供(ガキ)だったんだぞ!?」

キムは絶望的な憤りを込めて声を張り上げた。

その時、タラが一歩前に出た。剣の柄に手を置いたまま、冷酷で破壊的な蔑みを込めてキムを上から下まで見下ろす。

「あなたの倫理観は面白いわね、バード」

タラは声のトーン一つ変えず、鋼の eyeball で彼を射抜いた。

「今朝の山賊たちを、私たちは草原の真ん中で木に縛り付けて放置したわ。靴も、服も、食料も奪ってね。足の裏を丸出しにした三人の男を、狼と雨の恐怖に晒して置き去りにしたのよ。……それなのに、なぜあなたは昼間、ぐっすり眠れたのかしら? それは彼らが人間だったからよ。あなたの言葉を話し、理解できる顔をしていたから」

彼女は言葉を切り、手や服を汚さずに髪を掴めるよう、足先で小鬼の生首を軽く突っついて向きを整えた。

「この小鬼を殺したのは、彼が緑色で、牙があり、契約書が彼を『害獣』と呼んでいるからよ。首領のゾランは銅貨十枚のために私たちの首を撥ねようとしたけれど、あなたが彼の首を要求する姿は見なかったわ。この小鬼は仲間idosのためにニンジンが一袋欲しかっただけ。けれど不細工で、システム画面が『敵対的野生動物』とラベルを貼った途端、アイレフが汚い仕事を終えた後に急に良心(リモース)が痛み出したのね。あなたの倫理は『人性』ではないわ、キム。ただの同種族に対する偽善よ」

キムは言い返そうと口を開いたが、声にならなかった。数秒前にグリットゴブに浴びせた憎しみの歌が、まだ喉の奥を焼いていた。血に染まったピンクのスカートを見つめ、タラを見つめ、そして生まれて初めて、自分を護身するための皮肉の言葉を一つも見つけることができなかった。

【 メインクエスト完了:ニンジン村の防衛! 】

【 排除の証明:有効(首領の首級を提示) 】

【 報酬:銀貨 100枚 + 経験値 15 】

【 ボーナス解放:村のショップにてレベル1騎乗動物(ロバ)の購入権解放 ※価格別 】

「……最高だな」

キムは一切の皮肉を失った、掠れた声で呟いた。

「ロバを買う権利をくれたよ」

トリクシーが黙って彼の肩へ舞い降りた。現れて以来初めて、彼女はコメントも残さず、見えないタブレットにメモを取ることもなかった。アイレフが麻袋の中にゴブリンの首を放り込むのを眺めながら、ただ冷めたコーヒーを静かに一口すするだけだった。

第11話をお読みいただきありがとうございます!

煽りゴブリンとのギャグ戦闘から一転、アイレフによる無慈悲な首切りと、女剣士タラによる「種族の偽善」に対する突き刺さるような指摘。RPGの世界の冷酷な現実がキム・ミンジュンを襲います。


今回のチャプターBGMは The Chicks の "Traveling Soldier" でした。哀愁を帯びたカントリーの旋律が、ギャグが消え去った後の後味の悪さを引き立てます。


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【第二章 Soundtrack List】

・第八話: Jerry Reed - "Amos Moses"

・第九話: The Charlie Daniels Band - "Simple Man"

・第十話: John Fogerty - "Old Man Down the Road"

・第十一話: The Chicks - "Traveling Soldier"

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次回、血に染まったスカートのまま村長ナブコのもとへ報酬を受け取りに向かいます。第一章・第二章の激動を経て、キム・ミンジュンはどう変化していくのか?


面白かったら、ぜひ【ブックマーク登録】と【評価(★★★★★)】で応援をお願いします!


Thank you for reading Chapter 11!

The comedy fades into stark reality. After Ilef cold-bloodedly executes Gritgob, Tara delivers a chilling reality check to Min-jun about his speciesism and double standards.


Today's soundtrack features "Traveling Soldier" by The Chicks.


If you're following Min-jun's harsh journey through Ethergard, please consider **Bookmarking** and leaving a **5-Star Rating (★★★★★)**!

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